サ高住は、60歳以上の高齢者や、要介護認定を受けた40歳以上の方が入居する住宅です。
生活相談や安否確認が主な仕事内容で、基本的に身体介護はありません。
そのため、サ高住で働く介護士の方の中には、思っていた仕事内容とは異なり「介護士としてスキルアップしたい」と退職を考える方もいるでしょう。
そこで本記事では、サ高住で働いている介護士が辞めたいと思う理由と、サ高住の仕事が向いている人の特徴について解説しています。
転職するときのポイントについてもわかりやすく説明していますので、サ高住を辞めるかどうか悩んでいる方にとって、今後のキャリアを考える助けになるでしょう。
この記事でわかること
- サ高住を辞めたい理由
- サ高住の仕事が向いている人
- サ高住から転職するときのポイント
こんな人におすすめの記事です
- サ高住を辞めるか悩んでいる方
- サ高住から他施設へ転職したい方
サ高住を辞めたいと思う理由5選
サ高住を辞めたいと思う理由として、以下の5つが挙げられます。
- 介護士としてのやりがいを感じられない
- 入居者との人間関係がうまくいかない
- 思っていた仕事内容と異なる
- 業務の兼業をしなければならない場合がある
- 運営に不安がある
1つずつ解説していきます。
介護士としてのやりがいを感じられない
サ高住で働いていても身体介護はなく、介護士としてのやりがいを感じられずに辞めたいと思う方は多いです。
サ高住の入居者は自立している方が多く、安否確認や生活相談が主な仕事です。
介護サービスが必要な方は、外部の事業者に委託してケアを受けています。
そのため、介護士としてスキルアップしていきたい方は物足りなさを感じることもあるでしょう。
入居者との人間関係がうまくいかない
サ高住で働く介護士は、入居者との人間関係がうまくいかずに悩む方が多い傾向があります。
サ高住の入居者は自立している方が中心なので、生活スタイルにもこだわりがあります。
「あの人の話は聞くのに私の話は聞いてくれない」「あの人はいつも自分のものがなくなったと騒いでいる」というように、スタッフへの不満や入居者同士のトラブルに発展することもあります。
他の入居者との間で板挟みになり、人間関係にストレスを感じて仕事を辞めたいと思う方もいます。
思っていた仕事内容と異なる
思っていた仕事内容と実態が異なることも、サ高住を辞めたいと思う理由の1つです。
近年のサ高住の運営方針は多様化していて、自立している方だけではなく、要介護者や認知症の方にも対応している施設もあります。
特にADLの低下や認知症の進行で状態が変化する時期は、対応を決めるまで一時的に介助しているのが現実です。
例えば「足腰が弱くなってきた方に配膳のためのヘルパーの調整がつくまでサ高住のスタッフが居室へ配膳し、一緒に排泄介助をする」といった対応はよくあります。
目の前で鍵がないと困っている入居者を放っておくことはできないので、一緒に探すこともあります。
サ高住の仕事は楽だと思っていたのに、実態は介護の仕事が多いと、そのギャップに疲れてしまうこともあるでしょう。
サ高住の詳しい仕事内容については、以下の記事を参照ください。
業務の兼業をしなければならない場合がある
サ高住の仕事内容は安否確認と生活相談が主なものですが、他の業務と兼務しなければならない場合もあります。
例えば、サ高住と同じ法人が訪問介護を併設していて、入居者が利用する場合、サ高住のスタッフが入居者の居室を訪問しケアを提供することもあります。
この場合はヘルパーとして利用者宅を訪問するので、必要に応じて身体介護や家事援助を行うこともあるでしょう。
サ高住のスタッフとして働く時間とヘルパーとして働く時間は分ける必要があります。
そのため、仕事の切り替えや、1日のスケジュール調整がうまくできず、プライベートに影響が出る場合もあります。
運営に不安がある
働くスタッフが運営に不安を感じると、辞めたいと思うきっかけの1つになります。
サ高住は他の介護施設と比較して開設するためのハードルが低いため、民間企業や個人経営者がビジネスとして立ち上げていることがあります。
そのため、介護に関する知識のない方が運営することになり、収支の管理不足が生じて運営が不安定な施設もあるのが現状です。
その結果、普段の働きが給料や福利厚生に反映されず、職場への不満や将来への不安を感じ退職や転職を考える理由となることもあります。
サ高住での仕事が向いている人
サ高住での仕事に向いている人には、以下のような特徴があります。
- コミュニケーションスキルが高い人
- 事務作業や家事が得意な人
- 周辺の地域情報に詳しい人
1つずつ解説します。
コミュニケーションスキルの高い人
サ高住には、コミュニケーションスキルが高い人の方が向いています。
生活相談に対応するために、入居者の生活に関する困りごとや不安をヒアリングする必要があるからです。
また、入居者に自分で解決できなかったことを相談されることも多いので、臨機応変な対応も求められます。
そのため、日頃から入居者とコミュニケーションをとり、入居者側から相談してもらえる関係づくりが大切です。
事務作業や家事が得意な人
サ高住の仕事は、机に向かって行う事務作業も多いです。
具体的には、入居者への連絡文書や請求書の発行、入金や支払い処理などです。
パソコンを使った作業になるので、ワードやエクセルなど、ある程度パソコンを使えるとよいでしょう。
また、共有部分の整理整頓や掃除なども行うので、家事が得意な人にも向いています。
周辺の地域情報に詳しい人
土地勘があり、周辺地域の地域情報に詳しい人はサ高住の仕事に向いています。
サ高住は自由に外出できるので、入居者から地域情報について聞かれることもあります。
近くのスーパーやレストラン、病院、イベントやその他の地域情報を知っていると、何か聞かれてもすぐに答えられるので、入居者の役に立ち喜ばれるでしょう。
サ高住を辞めたいときにはどうしたらいい?
サ高住を辞めたいと思ったときには転職するのも1つの解決策です。
転職を考える際は、まず辞めたい理由を明確にしましょう。
辞めたい理由が不明確だと「サ高住の仕事が嫌だったのにまたサ高住に転職してしまった」といった失敗につながります。
上司に相談するのも1つの方法です。
「介護職を辞めたいのか」「サ高住を辞めたいのか」によって対策が変わるので、よく考えて行動しましょう。
介護職を辞めたいと思ったときの対処方法については、以下の記事を参照ください。
サ高住から転職するときの4つのポイント
サ高住から転職する際は、転職先の施設の仕事内容・離職率・スキルアップが見込めるかどうか・経営方針をしっかりと調べることが重要です。
転職先の施設の仕事内容についてよく調べる
転職する際は、転職先の施設の仕事内容についてよく調べて、後悔しないようにしましょう。
施設によって目的や対象者になる利用者の要介護度や仕事内容はさまざまです。
転職後に「思っていた仕事内容と違う」ということがないよう、転職先の仕事内容をよく調べることがポイントです。
離職率について調べる
サ高住から転職する際は、転職先の離職率を調べることもポイントの1つです。
人材の離職率が低いということは、職員へのサポート体制が整っていると言えます。
また、頻繁に求人が出ているようであれば離職率が高い可能性があるでしょう。
スタッフの入れ替わりが激しい施設では、人材を育成してもすぐに辞めてしまうという悪循環に陥っています。
そのため、事前に離職率について調べることが、よりよい職場への転職につながります。
スキルアップが見込めるかどうかを確認する
介護技術に関するスキルが理由でサ高住から転職したい場合には、転職先でスキルアップが見込めるかどうか確認しましょう。
スタッフの育成に力を入れている施設であれば、働きながら経験を積めます。
特に、介護の経験が浅かったり資格取得がこれからだったりする方は、研修制度や資格支援制度などが整っているところを探すのがおすすめです。
経営方針が自身に合っているか確認する
経営方針が自身に合っているか確認することも、サ高住からの転職を成功させるポイントです。
経営者に介護の知識があり、現場への理解があると、施設全体で同じ方向を見て仕事を進められます。
同じ方向を向いていれば、齟齬が生じにくく、よりよい環境で仕事ができるでしょう。
面接や施設見学の際に、経営者が現場に対してどのような視点を持っているのか確認しておきましょう。
サ高住を辞めたいときの伝え方
サ高住を辞めたいときには、退職したい旨を曖昧にせずしっかり伝えましょう。
伝え方が曖昧だと、不要な引き止めにあう可能性もあります。
一般的には1か月前には辞意を伝えますが、施設によってルールが異なるので就業規則の確認が必要です。
施設側は退職手続きや退職後の体制づくりをしなければなりません。
無駄なトラブルを避けるためにも、就業規則に沿って辞意を伝えるようにしましょう。
サ高住の向き不向きを考えたうえで転職を検討しよう
サ高住の介護士の仕事内容は、生活相談や安否確認が多く、直接的な介護をしない場合もあります。
そのため、転職を考えるときは、サ高住の向き不向きを考えたうえで転職先を検討しましょう。
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