老健の仕事はきつい!と聞いたことはありませんか?どこかで聞いたことはあるけど、実際はどうなの?また特別養護老人ホームなど他のサービス形態や施設と比べたときに、介護職ならどちらが働きやすいの?と疑問に思いませんか。
本記事では、各施設の方向性や仕事内容や実態などを踏まえて、就業する場合の目線で詳しく解説します。
- 老健で一緒に働く職種
- 老健の役割や目的
- 老健の実態
- 老健で働くことのメリット・デメリット
- 老健で働くことを考えている介護職経験者の方
- 老健の実態を知りたい方
- 老健の介護職に向く人、長く勤める方法を知りたい方
- 老健ってどんなところ?
老健ってどんなところ?
老健は、在宅復帰のためのリハビリテーションや、在宅療養支援のためのサービスを提供する施設です。
要介護1~5の認定を受けていている65歳以上の高齢者が入居対象となりますが、その中でも特に入院の必要がなく病気の具合が安定している方、リハビリテーションを必要とされる方が利用する施設となります。
40歳以上65歳未満でも、特定疾病があり要介護1~5の認定を受けていれば入居が可能となります。
老健は一般的な老人ホーム(有料老人ホーム、サ高住)やデイサービスとは異なる部分が多いです。
ざっくりとした言い方をすると病院のリハビリ施設のようなイメージを持つとしっくりくるかもしれません。
老健の特徴
主な特徴を挙げてみましょう。
- 入所期間は原則として3~6ヶ月程度。
- リハビリを専門に行う施設。
- 病院に併設されていることが多い。
- 病院との連携がある。
自宅での生活は難しいけれど、病院での長期治療は必要ない方に適したものとなっています。
在宅復帰を目指す過程で一時的に利用する場合が多い傾向にあります。
老健ではこんな職種の人が仕事をしています。
老健では施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の元介護サービスやリハビリのサービスを提供するため、以下の職種の方々と仕事を行うことになります。
- 医師
- 看護師
- 理学療法士(PT)
- 作業療法士(OT)
- 言語聴覚士(ST)
- 栄養士
- 薬剤師
老健はリハビリに特化しているため、作業療法士や理学療法士が必ず在籍しています。他にも、各専門職が入居者の在宅復帰に向けた施設サービスを行います。
そのため、引き続きのためのコミュニケーションが必須です。また、個別リハビリの時間や体操の時間など、決まったタイムスケジュールで動かなければならないといったことがあるようです。
老健は仕事がきついって聞くけど、なぜなの?
それでは、老健で介護職として仕事をする上で、きついといわれる理由を見ていきましょう。
介護職というよりも看護助手に近い?
有料老人ホームやサ高住など、住まいとしての介護サービスの場合は利用者の入退所や帰宅が発生しにくいため、介護職としてじっくり利用者に向き合うことができます。
しかし、老健は在宅復帰を支援する介護サービスのため利用者の入退所もそれなりにあります。また、医師や看護師、各種療法士などの連携があることから、「ちょっと忙しないな」と感じてしまうかもしれません。老人ホームと違ってタイムスケジュールの管理が厳しいこともあり、あまり利用者と話せない場合もあります。したがって、老健での介護職は病院での看護助手に近いとも言えるかもしれません。そのため、介護業務やリハビリが流れ作業のように感じることがあるかもしれません。
仕事の大変さは、どの老健でも一緒なの?
どの施設でもだいたい一緒でしょ?と思ったことはありませんか?
老健には5種類の分類があり、それによって働き方も変わるかもしれません。
老健は施設によって提供するサービスが異なるため一括りに語ることが出来ません。基本型・加算型・強化型・超強化型・その他型まであり、超強化型ともなると利用者は手厚いサポートを受けることが出来るようになります。逆に言えば、介護職にも高いスキルが要求されることもあるほか、受け持つ範囲が広くなる可能性もあるため、相応の「キツさ」を感じるかもしれません。
思っていた老健の姿と異なる部分がある。
ここまで老健は「在宅復帰」が目的の施設という話をしてきましたが、事実として異なる場面があることも確かです。よく聞く事例としては「特養の空き待ち」で老健を利用している方もいたり、都合によりショートステイのような利用の仕方で老健に身を寄せる方もいたりするようです。
また、上記で列挙した施設形態とは別に「介護療養型」という形態もあります。「新型老健」などと呼ばれることもあります。こちらは、従来の老健であれば入所が難しい医療が欠かせない人や、終末期医療(ターミナルケア)が必要な方も受け入れている施設です。また、原則3ヶ月の利用といった縛りがないため、対象となる利用者さんは比較的、病状が重い方が多いです。そのため仕事内容により、また別の「キツさ」を感じることもあるかもしれません。
老健できつくならないために
そもそもキツくならないために、どのようなことに注意すればよいでしょうか。それは、自身の考える介護のやり方と施設が行っている介護サービスが同じ方向性なのかを確認することです。この部分がマッチしないと「こんなはずではなかった」という事態になってしまいます。
他の施設と比べて、どんなところが大変?
一般的な老人ホームの介護職と老健のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
<メリット>
- 医療知識を身につけることが出来る。
- 老健では在宅復帰を支援するということが目的となります。ケアプランのもと医療従事者と仕事をする関係から医療に関する知識や経験を身につけることができます。
- 介護度は比較的低めと言われており、身体的な負担は軽め。
- 従来の老健であれば比較的、要介護度が低めといわれているため、身体的な負担は少なくなるかもしれません。
- 医療従事者が常駐しているため、安心感がある。
- 医療従事者が常に側にいることから、介護に集中できるというメリットもあります。なにか不安なことがあれば、すぐに相談できますし任せることもできます。夜勤時に不測の事態が発生しても医師による迅速な対応が期待できます。
<デメリット>
- 一般的な介護サービスというよりは医療的なものが多くなる。
- 老健は他の施設とは異なり、医師の指示に基づいて業務を行います。そのため介護の内容も通常の介護業務以外に、運動やリハビリの補助、服薬支援など医療に関連したものも多くあります。医療の視点で介護の経験をつくことができると考えることもできます。
- 和気あいあいとした団らんというよりも、流れ作業と感じてしまう部分も。
- 老健にもよりますが、決められた回復プログラムを一緒にがんばる!というよりも、事情により「こなさないと・・・」と感じる場面もあるかもしれません。
- 短期のケアのため利用者の入れ替わりがある。
- 従来型の老健であれば利用に期限が設けられているため、長期にわたって利用者に関わることは出来ない点です。ご自身の介護の方向性とあっているか確認することが大切になります。
- 新型老健の場合は、違ったつらさも。
- 介護療養型老健施設は、重度の医療依存度を持つ高齢者を対象としています。これにより、介護職員は日々、高度な医療ケアに関連するサポートを行う必要とされることがあります。例えば、経管栄養や吸引、褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれの予防ケアなど、専門的な知識と技術が求められる作業が多く含まれます。加えて、利用者の健康状態が頻繁に変化するため、状況に応じた迅速な対応が必要とされ、精神的なプレッシャーもあるといえ、比較的軽度から中度の介護が必要な高齢者が主な対象となる従来型老健とは違ったつらさがあると言えるでしょう。
仕事がきついと感じたら?
ここでは仕事がきついと感じたら、どのように対処していけば良いでしょう。
- なにが「きつい」のかを整理する。
- 仕事をする上で、きついというのは往々にしてあります。たとえば、意見が通らなかったり、仲間との意思疎通で困ったり、雑務が多かったり、利用者さんとの接遇で迷ったりするものです。そのとき、どこがきついのかを整理してみることをオススメします。紙に書くなどして、きつさの原因を明確にしてみましょう。
- 信頼できる先輩や上司に相談する
- 「きつい」と感じる原因が分かり、自分の力だけではどうすることも出来ないことであれば、信頼できる人(先輩や上司、同僚など)に相談してみましょう。意外と、自分と同じ悩みを抱えたり、問題意識として持っていたりする可能性もあります。相談することをためらい、納得いかないまま仕事を続けることは、あまり得策とは言えません。原因が自分以外にある場合、どうしても日々の業務で向き合い続けなければならないからです。
- 信頼できる先輩や上司に相談する
- 「きつい」と感じる原因が分かり、自分の力だけではどうすることも出来ないことであれば、信頼できる人(先輩や上司、同僚など)に相談してみましょう。意外と、自分と同じ悩みを抱えたり、問題意識として持っていたりする可能性もあります。
- 配置転換をしてもらう
- なかなか、コミュニケーションがうまくいかない場合もあります。
その場合は、上司に配置転換を相談してみるのもよいでしょう。老健は必然的に様々な職種の方と仕事をすることになります。そのため他と比べるとコミュニケーションの回数が増えがちといえます。「ちょっと、合わないかも」や「うまく伝わらないな」など不満に感じることがあれば、配置転換をお願いしてみても良いかもしれません。 - リフレッシュする
- 他方、原因が自身の体力などにある場合はメリハリをつけるために旅行へ行ったり、趣味に没頭する時間を作ると良いかもしれません。
- 転職する
- それでも自分が考えたようにならないこともあり得ます。たとえば、相談したけれど結局「変わらない」といったことのほか、家庭事情の変化など自分ではどうにもできないこともあります。そんなときには、他の職場への転職を考えることも一つでしょう。その場合、なによりも自身の考えと転職を考えている施設との介護の方向性や生活で叶えたい希望が通るのかなどチェックしておくことが大切です。
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老健に向いている人
- 在宅復帰を支援することに興味がある人
- 総合的なケアに興味がある人
在宅復帰を目的に施設を利用される人が多いため、いずれは利用者さんが自宅に戻れるよう一緒に頑張っていくということに「やりがい」を感じられるかがポイントかもしれません。
地域包括ケアシステムで言われているように、やっぱり自宅がいい!という利用者さんは多いものです。老健に入居される方はこれまで出来ていたことが難しくなっている場合もあります。「散歩ができるようになる」「買い物ができるようになる」など、これまで自身が出来ていたことを、これまでと同じくらいに出来るよう、多種多様な職員と一緒に支えていくことにやりがいを感じる人が向いていると言えるでしょう。
老健で長く働くために
老健で長く働くためには、自身の介護観と施設の方針が合致しているかを確認することが重要です。また、定期的な研修や学習機会を通じて、専門知識やスキルを更新し続けることも大切です。職場の人間関係や仕事の進め方について、オープンなコミュニケーションを心がけ、チームワークを大切にすることも、ストレスを軽減し長期的に働くための鍵となります。
老健での仕事は、介護だけでなく医療的なサポートも行いながら、利用者の自宅復帰を目指すという大きな目的のもとで行われます。このような環境で働くことに興味がある方にとっては、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
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老健での介護職について、イメージは掴んでいただけましたでしょうか?
いろいろな制約があるぶん、一般的な介護のイメージとは少し違ったものだったかもしれません。メリットとデメリット、向き不向きなど様々な要素を考慮して転職の参考にしていただければと思っております。
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感じ方や価値観も人によりけりではありますが、老健の仕事はきつい…と考えている求職者も少なくないようです。
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