介護士として働く方の中には、給料が上がると聞いて、介護福祉士の取得を検討している方もいるでしょう。
介護業界は資格の有無で給料が変わるため、資格を取得する方は多いです。
この記事では、介護福祉士の給料や手取り、今後の給料がどうなっていくのかなどについて解説していきます。
介護福祉士の給料を上げる方法についても紹介していますので、最後まで読んで給料アップにつなげましょう。
この記事でわかること
- 介護福祉士の給料の平均
- 介護福祉士の今後の給料について
- 介護福祉士が給料を上げる方法
こんな人におすすめの記事です
- 介護福祉士の給料の平均が知りたい人
- 介護福祉士になり給料を上げたい人
介護福祉士の給料
介護福祉士の給料について、厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」に基づいて以下の4つにカテゴライズし、紹介していきます。
- 介護福祉士の平均月収・年収・時給
- 施設形態による給料の違い
- 年齢・性別による給料の違い
- 地域による給料の違い
介護福祉士の手取りについても紹介していきますので、現在の給料と照らし合わせてみましょう。
介護福祉士の平均月収・年収・時給
令和3年度の介護福祉士の平均月収は、328,720円でした。
また、月収×12か月で年収を算出すると、介護福祉士の平均年収は、394万4,640円となります。
無資格の介護士の平均月収は271,260円のため、介護福祉士を取得していると約60,000円の差があることがわかります。年収にすると約69万円の差です。
介護福祉士の平均月収と労働時間から時給に換算すると、常勤が約2,015円、非常勤が約1,466円になります。
施設形態による給料の違い
介護福祉士の給料は、施設形態によっても異なります。
施設形態 給料(月給) 介護老人福祉施設 356,310円 介護老人保健施設 347,570円 介護療養型医療施設 347,570円 認知症対応型共同生活介護事業所 306,430円 通所介護事業所 289,000円
給料が1番高い介護老人福祉施設と、給料が1番安い通所介護事業所では、約70,000円の差があります。
ただし、この金額には、夜勤手当の有無なども関わっているため注意しましょう。
年齢・性別による給料の違い
年齢や性別による給料の違いは以下になります。
年齢 男性 女性 29歳以下 297,240円 287,400円 30~39歳 340,130円 305,860円 40~49歳 355,700円 310,510円 50~59歳 332,670円 315,760円 60歳以上 286,900円 292,710円
ただし、介護業界は年齢や性別よりも、それまで現場で培ってきた経験などで役職が就くことが多い職場です。
役職に就けば役職手当がつき、給料も上がります。
年齢や性別による給料は、あくまで参考程度に確認しておくとよいでしょう。
地域による給料の違い
「求人ボックス給料ナビ」によると、地域別の介護福祉士の給料は以下になります。
都道府県 | 給料(年収) |
---|---|
東京都 | 352万円 |
北海道 | 276万円 |
宮城県 | 287万円 |
愛知県 | 322万円 |
大阪府 | 322万円 |
広島県 | 287万円 |
福岡県 | 279万円 |
青森県 | 246万円 |
もっとも給料が高い東京都と、もっとも給料が低い青森県では、106万円の差があります。
介護福祉士の手取りはいくら?
手取りの金額は、額面の7.5〜8.5割ほどとされています。
つまり、介護福祉士の手取りの場合の月収は246,540〜279,412円、年収が295万8,480〜335万2,944円となります。
介護福祉士の給料は高い?安い?
介護福祉士の給料は、無資格者や初任者・実務者研修修了後の方と資格すると高いことから「勝ち組」といわれています。
資格の種類 | 給与 |
---|---|
無資格 | 271,260円 |
介護職員初任者研修 | 300,510円 |
介護福祉士実務者研修 | 307,330円 |
介護福祉士 | 328,720円 |
しかし、介護福祉士の給料は年齢や地域、雇用形態などによっても異なるため、一概に「介護福祉士の給料は高い」とはいえません。
また、介護士は無資格でも働けることが特徴です。
そのため、看護師などの有資格者が必須である職業と比較すると給料は低く、年収500万円までの求人はありますが、年収600万円以上の求人はほぼありません。
ほかにも、介護福祉士の給料が安い理由として「介護報酬の上限が定められている」という点が挙げられます。
介護報酬とは、要介護度認定を受けた利用者に、施設が介護サービスを提供した対価として国から支払われる報酬のことをいいます。
介護福祉士の給料は基本的に介護報酬から支払われますが、介護報酬には上限が定められているため、介護福祉士の給料も上がらないのが実情です。
介護福祉士の給料が高くなる理由
無資格者や初任者・実務者研修修了後の方と比較して、介護福祉士の給料が高い理由は以下の2つです。
- 介護職員処遇改善加算
- 介護職員等特定処遇改善加算
介護職員処遇改善加算とは、介護職員の賃金改善や処遇改善を目的に、2009年から開始された制度です。
介護職員が安定して働けるように、職場の環境を整えた施設に対して、国から報酬が出ます。
金額は国が定めた区分によって異なりますが、ひとりあたり月額12,000~37,000円ほどになります。
さらに、介護職員の人材確保を目的として、2017年から新たに開始された制度が介護職員等特定処遇改善加算です。
介護職員等特定処遇改善加算では、勤続年数が10年以上の介護福祉士に、月収80,000円以上の給料アップもしくは、年収440万円以上を支払われることが決定されました。
これにより、介護福祉士の給料は以前と比較して上がるようになったのです。
介護福祉士の給料は今後上がる可能性がある
介護士の人材不足は深刻な問題で、その理由のひとつとして挙げられるのが、給料の低さです。
岸田総理は2022年2月から、介護士や看護師、保育士などのエッセンシャルワーカーの給料を月額9,000円ほど引き上げており、この引き上げは今後も恒久化していく方針となっています。
また、内閣官房の公的価格評価検討委員会では、最終目標を「賃金が仕事内容に適した水準まであがり、人材が確保されること」としています。
以上のことから、今後介護士の給料が上がることが予想され、同時に介護福祉士の給料も上がる可能性があるといえるでしょう。
介護福祉士の給料を上げるには?4つの方法
ここからは、介護福祉士の給料を上げる以下の4つの方法について解説していきます。
- 手当をもらう
- 資格を取得する
- 勤続年数を増やす
- 転職する
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
手当をもらう
介護福祉士として現場で働きながら給料を上げるには、もらえる手当を増やしていきましょう。主な手当には以下の3種類があります。
- 夜勤手当
- 年末年始出勤手当
- 役職手当
夜勤手当は、夜勤回数に応じてもらえる手当です。夜勤手当の相場は、5,000~8,000円ほどになります。
365日介護サービスを提供しなければならない介護施設では、年末年始に出勤した場合に、年始手当出勤手当が支給される場合が多いです。
12月29日~1月3日の間に出勤した方に対し、1日当たり2,000~4,000円ほど加算されます。
介護福祉士であれば、役職を目指し役職手当をもらうのも良いでしょう。
介護の業界では、年齢よりも介護士として培ってきた知識や技術などが重視されるため、介護福祉士の資格を有している方は、役職につきやすい傾向にあります。
介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。
そのため中には、介護福祉士の資格がなければ役職につけない施設もあるほど重視されます。
資格を取得する
介護福祉士として給料アップをしていくためには、「認定介護福祉士」や「ケアマネージャー」などの、上位資格を取得する方法もあります。
認定介護福祉士は、2015年に厚生労働省が介護福祉士よりも上位の資格として発案したものです。
そのため、認定介護福祉士は認知度が低いのが現状ですが、今後普及してくれば、給料が上がる可能性はあるでしょう。
ケアマネージャーの主な仕事は、ケアプランの作成です。
直接介護をする現場を離れ、事務として介護士を支える仕事がしたい場合におすすめの資格です。
また、上位の資格を取得すると、役職手当につながる場合もあります。
勤続年数を増やす
介護福祉士は、勤続年数が増えるほど給料が上がります。
2017年からは、介護福祉士としての勤続年数が10年以上の方を対象に給料が上がる「介護職員等特定処遇改善加算」も開始されました。
現在の職場に不満がない場合には、勤続年数を増やしていくのもひとつの手でしょう。
転職する
介護福祉士の資格を取得していると、転職の際に非常に有利です。
介護業界は施設によって給料に差があるため、現在の職場で給料を上げるのが難しい場合には、転職するのも良いでしょう。
介護福祉士資格を取得して給料をアップさせよう!
介護福祉士の平均月収は328,720円で、無資格の介護士と比べると約6万円も高くなります。
施設形態で見ると、介護老人福祉施設が356,310円と1番高くなっています。
施設によって給料は異なるため、介護福祉士の資格を取得して給料アップを目指したい方は、転職を検討するのも良いでしょう。
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