介護職の就職活動の際に使用する「職務経歴書」は、過去の経歴やスキルをアピールするための書類です。
しかし、書き方がわからずに準備が進んでいない方も多いのではないでしょうか。
職務経歴書は書き方によって自分をアピールすることもできる反面、応募先にネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
この記事では、例文を交えながら、失敗しない職務経歴書の書き方のポイントを解説します。
この記事でわかること
- 介護職の職務経歴書の書き方
- 介護職の職務経歴書の例
こんな人におすすめの記事です
- 介護職の職務経歴書の書き方や具体例が知りたい方
- 介護の転職を成功させたい方
介護職の職務経歴書の例
はじめに、介護職における職務経歴書の例を記載しますので、参考にしていただけると幸いです。
職務経歴書
(令和3年 6月 5日) |
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年 | 月 | 勤務先・職種・役職・業務内容・その他 |
平成28 | 4 | 医療法人〇〇会 〇〇病院 入職 |
〜 | (勤務職種)介護職 | |
平成31 | 3 | (雇用形態)正社員 |
(業務内容)介護保険適用の入院患者様に対して、食事や | ||
入浴、排泄など、身体介護を主に実施。 | ||
平成31 | 4 | 同法人 異動 |
〜 | (勤務職種)介護職 介護主任 | |
(雇用形態)正社員 | ||
(業務内容)上記に加えて、介護職員をまとめる、他職種との | ||
現在 | 連携の促進など、リーダー業務に従事。 | |
年 | 月 | 保有資格、スキル |
平成25 | 3 | 普通自動車第一種免許 取得 |
平成28 | 3 | 介護福祉士 取得 |
平成30 | 8 | 第一種衛生管理者免許 取得 |
自己PR(今後チャレンジしたい仕事など) | ||
私の強みは現場での介護スキルの高さと、介護職員全体の働き方を考えてきた経験があることです。私はこれまで5年間、医療法人の介護職員として勤務し、主に身体介護が必要な患者様の介護を行ってまいりました。
基本的な介護スキルは身についているため、現場での業務ではすぐに業務に当たることができます。 また、介護主任として介護職員をまとめた経験がございます。介護職全体の働きやすい環境作りについても発信できますので、今後も利用者様だけでなく、職員も満足して働ける環境づくりの力になれると考えています。 |
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介護職の職務経歴書の書き方の基本
職務経歴書には基本的なルールがあります。
まずはそのルールに則った正しい職務経歴書を書く方法を理解しましょう。
介護職の職務経歴書の書き方の基本ルールは以下の3つです。
手書き・パソコンはどちらでもOK
職務経歴書は手書きで書いてもパソコンで作成しても問題ありません。自分が作りやすい方を選びましょう。
介護業界で働く介護職の平均年齢が高いこともあり、手書きで作られる場合が多いようですが、採用の合否に大きく影響することはありません。
注意点としては、手書きの場合は黒のボールペンか万年筆で丁寧に書くことを心がけましょう。
また、パソコンで作成する場合も、改行などに注意して読みやすい形で作成することが重要です。
フォーマットは3種類
職務経歴書のフォーマットは以下の3種類に分けられます。
- 編年体
- 逆編年体
- キャリア体
それぞれの特徴と、どんな方が選ぶと良いのか簡単に解説します。
【編年体】
古いキャリアから時系列順にまとめたフォーマットです。多くの履歴書でも採用され、最も一般的です。
【逆編年体】
編年体とは逆で、直近のキャリアから古い方にさかのぼる形でまとめます。直近に積極的にアピールできる実績がある方におすすめのフォーマットになります。
【キャリア体】
これまでに実績をあげた職務内容を軸にまとめます。過去におさめた成績や結果を強くアピールできます。介護職以外の経験が豊富な方におすすめのフォーマットです。
介護業界では一般的に編年体が使われることが多いのですが、転職する人のキャリアは人それぞれ違います。
自分のキャリアを応募先に伝えやすいフォーマットを選ぶとよいでしょう。
勤務先・資格は正式名称で記載する
過去の勤務先や資格は略称や俗称を使わずに、正式名称で記載しましょう。
- 特養→特別養護老人ホーム
- 老健→介護老人保健施設
上記のように普段略称を使うことが多いものや、
- ホームヘルパー→訪問介護員
- ケアマネージャー→介護支援専門員
このように俗称に馴染みが強い場合がありますが、職務経歴書には正式名称で書くようにしましょう。
介護職の職務経歴書に書くべき内容
介護の職務経歴書に書く内容と、それぞれで注意するポイントを解説します。
職務経歴書に書く内容は以下の4つです。
- 日付・名前
- 職務経歴
- 保有資格
- 自己PR
上記について1つずつ詳しく解説します。
日付・名前
職務経歴書には日付と名前を忘れずに記入しましょう。
日付は、自分が提出する日付を記入します(郵送の場合はポストに投函する日付、面接で手渡しする場合は面接予定日を記入)。
西暦と和暦はどちらで書いても問題ありませんが、書類の中では必ず統一するように注意してください。
名前はフルネームで丁寧に書きましょう。仕事では旧姓を使いたいといった場合も、職務経歴書には戸籍どおりの名前を記入します。
職務経歴
ここでは最も一般的な編年体で作成する方法を例として挙げます。
職務経歴は、以下の内容を時系列にそって書いていきます。
- 在籍期間
- 勤務先の法人の正式名称(派遣の場合は派遣会社名)
- 所属した施設の正式名称、入居者数
- 勤務職種
- 雇用形態
- 具体的な業務内容
- 勤務先の事業内容(介護施設以外の場合)
正式名称や期間を正しく記入するのはもちろん大切ですが、業務内容は自分の能力をPRすることにつながるため、できるだけ詳しく書きましょう。
保有資格
保有資格は、取得年月日(修了年月日)が古い順から正式名称で記載します。
基本的には、介護業務で役立つ資格やスキルは評価されやすいですが、介護職は送迎業務や記録業務、PC作業を行う可能性もあります。
そのため、運転免許証やPC関連の資格も記入しましょう。
自己PR
自己PRは、応募先に対して自分が介護職として働く上での強みをアピールできます。経験や実績、資格などを交えて書くと説得力が増して好印象を与えることができるでしょう。
職務経歴書のスペース的に全体で6〜8行程度、300文字以内に収める必要があります。
詳しい自己PRの書き方は次の見出しで解説しますので、ぜひ続きをご覧ください。
介護職の職務経歴書における自己PRのポイント
介護職の職務経歴書にある自己PR欄には、自分の経験や強み、気持ちを伝えることができる重要な役割があります。
短い文章で良い印象を持ってもらえる自己PRの書き方のポイントは以下の3点です。
- 今までの経験をアピールする
- 施設の立場になって考える
- ネガティブな内容を書かない
上記について詳しく解説します。
今までの経験をどのように活かせるかアピールする
前職の経験が転職先の施設でどのように活かせるのかを具体的に書きます。
前職が介護職でない場合は、自分自身が身につけたスキルや、仕事以外でのボランティアなどの経験をベースに書きましょう。
施設の立場になって考える
自分の強みやアピールしたいポイントはたくさんあると思いますが、その中でも特に転職先のニーズにあったものを厳選して伝えるようにしましょう。
就職を希望している施設の理念や目標、事業を理解した上で、自分の強みで施設にどのように役に立てるのかということをアピールします。
内容だけでなく、伝え方も「自分主体」になりすぎないように注意が必要です。
ネガティブな内容を書かない
自己PRにはネガティブな内容は一切書かないようにしましょう。
面接などでは自分の弱みに向きあう姿勢も重要ですが、自己PRはあくまで自分の強みをアピールする場なので、ポジティブな内容のみで大丈夫です。
特に注意が必要なのが退職理由です。
実際は人間関係などのネガティブな理由で退職する場合もあると思います。
自分が悪い場合でなくても、少なくとも良い印象は与えられません。
嘘はよくありませんが、ポジティブな理由に目を向けて書くようにしましょう。
介護職の職務経歴書に関するよくある質問
介護職の職務経歴書に関してよくある質問にお答えします。
介護職に転職する際に職務経歴書は必要?
介護職の転職において、職務経歴書は必ずしも必要というわけではありません。
応募先の施設や事業所に求められていない場合は作成する必要はないため、事前に募集要項および必要書類をよく確認しましょう。
転職回数が多い場合は職務経歴書に全て書くべき?
転職回数や就業期間等にかかわらず、全ての経歴をかくべきです。
転職回数が多いことや、短期間で退職した経歴が不利にならないか不安に感じるかもしれませんが、嘘の経歴を書くことはやめましょう。
ついた嘘は入社後も付きまとって、自分が働きづらくなるだけです。
転職回数でマイナスの印象を与えないためには、ポジティブな退職理由を説明しましょう。
職務経歴書のポイントを押さえて介護転職を成功させよう!
介護職の転職活動では職務経歴書を求められることがあります。
職務経歴書は正しい書き方を学べば、これまでの経験に基づいて自分の強みをアピールできる書類です。
今回解説した書き方を取り入れることで、これまでの経歴で転職が不利になることなく転職活動を行うことができます。
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