介護業界で長く働いている方の中には「介護業界のブラックリスト」に関する噂を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
ほかにも、自身の勤め先がブラックな介護施設かどうか確証が持てずに転職を躊躇しているといった方もいるでしょう。
そこでこの記事では、介護業界のブラックリストに関する噂の真相や、ブラックな介護施設の特徴に関して解説していきます。
見分け方に関しても解説していますので、最後まで読んでよりよい環境で介護士としてのキャリアを積みましょう。
この記事でわかること
- 介護業界に職員のブラックリストは存在するのか
- ブラックな介護施設の特徴や見分け方
- ブラックな介護施設に就職した場合の対処法
こんな人におすすめの記事です
- 介護業界のブラックリストについて知りたい方
- 自身の勤務先がブラックであるか知りたい方
- 転職に失敗したくない方
介護業界にブラックリストはある?
「介護業界には職員のブラックリストがある」という噂を聞き、不安になる方もいるかもしれませんが、それは単なる噂話でしかないため心配はいりません。
日本には「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」があり、法律によって、職員の個人情報を本人の承諾なしに、第三者へ提供することを禁止しています。
したがって、職員のブラックリストは作成自体が不可能ですので、安心してください。
ただし、劣悪な労働環境などのブラックな介護施設というのは存在するため、注意が必要です。
ブラックな介護施設とは?
ブラックな介護施設とは、職員を劣悪な労働環境で働かせる施設を指します。
ここからは、ブラックな介護施設の特徴を「労働環境」と「人間関係」の2つにピックアップして紹介していきます。
ブラックな施設に就職しないためにも、ブラックな施設の特徴に関してしっかり確認しておきましょう。
労働環境
ブラックな施設の労働環境には以下のような特徴があります。
労働時間 |
・有休がとりにくい ・休日が少ない ・残業が当たり前 ・残業代が出ない など |
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仕事内容 |
・契約時の条件と異なる仕事をさせられる ・人員配置基準違反 ・してはいけない医療行為をさせられる など |
介護士ができる医療行為に関しては、以下の記事を参照してください。
人間関係
ブラックな施設の人間関係の特徴は以下の通りです。
職員間 |
・ハラスメントなどがある ・職員間の空気がよくない ・入居者への態度が悪い など |
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利用者 |
・職員への暴言や暴力がある ・利用者へのセクハラや暴力がある など |
利用者への暴力とは身体的なもののみではなく「介護をしない」「暴言を吐く」なども該当します。
また、施設によっては精神疾患のある利用者に対して精神薬の処方ができないため、利用者から職員への暴言や暴力がある場合もあります。
暴力や暴言などがある利用者に対する対応方法に関して、事前に確認しておくとよいでしょう。
ブラックな介護施設の特徴ランキング5選
ブラックな介護施設には、共通した特徴があります。
ここで紹介している特徴が就職希望先の施設で見られた際には、ブラックな介護施設ではないか慎重に見極めたほうがよいでしょう。
1.常時求人を出している
慢性的な人手不足の介護施設の場合、過酷な労働環境などが理由で職員の定着率が低く、常時求人を出している可能性があります。
また、そのような施設では、慢性的な人手不足が要因で過酷な労働環境となり、職員がすぐに辞めてしまうといった悪循環になっている可能性も考えられます。
求人サイトでよく見かける施設は避ける、または、定着率や労働環境などを十分に確認するとよいでしょう。
2.アットホームであることを強調している
介護職は他職種とのチームワークが重要となる職業なため、アットホーム、つまり人間関係がよいのが基本です。
したがって「アットホーム」を前面に出している施設の場合、その部分しか協調できるものがないほど、労働環境が劣悪な場合があります。
しかし中には、人間関係も労働環境もよく働きやすい施設もあるため、気になる施設がアットホームを謳っている場合には、一度施設見学に行ってみるとよいでしょう。
3.雇用契約書の内容があいまい
労働基準法の第15条によると、雇用者は労働者に対し、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないとされています。
それにもかかわらず、雇用契約書に年間休日数や諸手当などの記載がない、もしくはあいまいな場合には、ブラックな介護施設である可能性が高いでしょう。
また、中には求人に掲載されている条件と雇用契約書の内容が異なる施設もあるため、注意が必要です。
雇用契約書は、なんらかのトラブルが発生した際に解決の材料になる重要な書類となるため、雇用契約書の内容に関してはしっかりと確認しましょう。
4.他施設と比較して給料が低いまたは高い
介護士の給料は、資格の有無や地域などによって異なります。
しかし、周辺の施設と比較して給料が極端に低いまたは高い場合には、ブラックな介護施設である可能性が高いです。
周辺の施設と比較して給料が低い場合には、介護士の仕事を軽視しているまたは施設の経営が赤字傾向にある可能性があります。
反対に、周辺の施設と比較して給料が高い場合には、残業が当たり前となっていたり、慢性的な人手不足であったりなど、労働環境が過酷である可能性が高いでしょう。
介護士の平均給料に関しては以下の記事を参考にしてください。
5.スタッフに笑顔が少ない
施設見学の際にスタッフに笑顔が少ないと感じた場合には、過酷な労働環境に職員が疲労していたり、ハラスメントが横行していたりする可能性があります。
また、見学時に職員から挨拶をされない施設は、コミュニケーションの基本ができていないため、ブラックな介護施設であると判断してよいでしょう。
ブラックな介護施設の見分け方5つ
入職前にブラックな介護施設かどうかを見分ける5つの方法について解説していきます。
ブラックな施設に入職しないためにも、しっかり覚えておきましょう。
その場ですぐに採用されないか
その場で内定が確定するということは、すぐに人手がほしい、つまり深刻な人手不足である可能性が高いといえるでしょう。
このような場合、ブラックな施設の可能性があるため、内定を受けるかどうかは施設見学をしてから決めるとよいです。
特に、入職を催促するような施設は、それだけ深刻な人手不足であると判断できるため、入職は見送ったほうがよいでしょう。
面接官の態度が悪くないか確認する
介護施設の場合、面接は入職後の上司が行うのが一般的です。
したがって、面接官の態度が悪い施設に入職すると、仕事で困ったことを相談しにくいなど人間関係で悩むことが多くなります。
また、面接官の態度が悪い施設は、パワハラが常態化している可能性も高いため、入職を見送ることをお勧めします。
施設都合を優先させていないか確認する
面接の日程は、施設側と求職者の日程調整を行ったうえで決めるのが基本であるにもかかわらず、施設側の都合を優先させる場合には注意しましょう。
このような施設の場合、人手不足に陥っているため、すぐに働ける人材を求めている可能性があります。
ほかにも、求人と提示条件が異なる場合にも注意が必要です。
ネットの口コミを確認する
近年では、職員が投稿する介護施設に関する口コミサイトが多く展開されています。
気になる施設がある場合には、事前に悪い口コミがないか確認してみるとよいでしょう。
中には、利用者のご家族が口コミを投稿している場合もあるため、注意して見てみましょう。
また、現在の介護施設からの転職を検討している方であれば、同僚から他施設の情報を得る方法もあります。
施設の見学をする
事前の施設見学は、非常に重要です。
職員の利用者への接し方や休憩中のスタッフの様子などを、実際に自身の目で見て確かめましょう。
また、施設見学をしておくと自身がその施設で働いているイメージもつきやすく、入職後も順応しやすくなります。
就職先がブラックだったときの対処法
就職先がブラックな介護施設だった場合、まずは転職を検討しましょう。
ただし、転職前に解決できそうな問題であれば労働組合に相談する方法もあります。
労働組合は、労働者が安心して働けるようサポートしてくれるため、問題解決へとつながる可能性があります。
また、残業代などの未払い賃金がある場合には、しっかりと請求しましょう。
残業代が支払われない場合には、速やかに転職活動を始める必要があります。
介護業界のホワイト企業へ転職しよう
介護業界には職員のブラックリストがあるという噂がありますが、実際には存在しません。
したがって、介護業界での転職回数が多くても問題なく新たな施設への転職が可能です。
転職の際には、施設の内部事情などに関しても教えてくれる転職エージェントを利用するとよいでしょう。
転職エージェントならカイゴLINKがおすすめです。
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