ケアマネの離職率は高い?離職理由や続けるための対策について紹介

介護を必要とする人に適切な介護サービスを提供するケアマネジャー。

利用者の相談に乗り、ケアプランを作成したりサービス事業者との架け橋になる重要な職業です。

しかし、ケアマネジャーになりたいものの離職率が高いと不安に感じるでしょう。

そこでここからは、ケアマネの離職率や離職理由について、続けるための対策とともにご紹介します。

この記事でわかること

  • ケアマネジャーの給与額
  • ケアマネジャーの仕事内容
こんな人におすすめの記事です

  • ケアマネジャーに興味がある方転職を検討している方
  • 現在介護職に就いており、ケアマネジャーへキャリアアップしたい方
    ケアマネジャーになって給与を上げたい方
  • ケアマネジャーを目指すか悩んでいる方
目次

ケアマネの離職率は高い?

公益財団法人 介護労働安定センターが発表した調査結果によると、令和4年度の介護職全体の離職率は 14.3% でした。

過去の離職率と比較すると、近年の離職率は改善傾向にあると言えます。

また、ケアマネのみで見ると同年の離職率は 9.2% であり、全体と比較すると低めです。

加えて、前年度が 14.1% であったことから、ケアマネのみで見ても改善傾向にあります。

なお、離職率の計算式は「9月30日現在の在籍者数 / 10月1日から9月30日までの離職者数×100」で算出されています。

参考リンク:
公益財団法人 介護労働安定センター
令和5年度 介護労働実態調査結果

ケアマネの離職理由6選

離職する理由はさまざまですが、多くの人に共通した離職理由があるのも事実です。

そこでここからは、ケアマネの離職で特に多い理由を6つご紹介します。

離職理由①人手が足りない

ケアマネに限らず、介護業界は深刻な人手不足が問題視されています。ケアマネの職場でも人手が足りないことが多く、人手が足りない分業務量が多い傾向にあります。

業務量が多いということは、一人のケアマネが担当する件数が多いということであり、一人当たりのケアマネの負担が大きいです。負担が大きく続けるのが難しいと判断して辞める方が多いようです。

離職理由②賃金が低い

賃金が安いことが原因で辞める方も少なくありません。

職場や地域によってケアマネの賃金に差があります。しかし、業務量に対しての賃金が低い職場が多く、賃金の低さに不満を持つ方が少なくありません。

賃金が低いと生活にも悪影響を及ぼし、将来の見込みが立たず不安を感じる場合もあるでしょう。将来に不安を感じて他の職場を探したり、ケアマネそのものを辞めてしまうケースが多いです。

離職理由③身体的・精神的な負担が大きい

ケアマネは単に相談に乗るだけではなく、ときに単身の高齢者のお世話をしなければならないこともあります。

ほかのスタッフより比較的残業が多かったり、就業時間後にミーティングが設定されることもあります。そのため、腰や体力に不安を感じたり負担が大きいと感じて辞める方が多いです。

労働時間が身体的ダメージを与えることもあります。職場によりますが、残業が多かったり就業時間後にミーティングがある場合など、労働時間が多くなり過ぎると離職の原因となることもあるのです。

また、ケアマネは介護を必要とする人に最適な介護サービスを提供しなければなりません。

そのため、利用者の生活や人生を左右する可能性があるプレッシャーを感じて、責任が重いと感じる方も少なくありません。加えて、家族や利用者からクレーム対応による精神的ダメージが原因で辞めるケースもあります。

離職理由④休暇が取りにくい

休暇がとりにくく、プライベートが充実できなかったりゆっくりと心身を回復できないことが原因となることもあります。

特に、ケアマネは残業や時間外勤務が多く、労働時間が長くなりがちです。プライベートの時間がとりにくかったり、職場環境が不規則で生活リズムが崩れることが不満となり、離職をする方もいます。

離職理由④職場の人間関係

業務内容や勤務時間だけではなく、職場の人間関係も原因の一つです。

どの職場でも人間関係がありますが、ケアマネは利用者とその家族、サービス事業者などの関係者と密にコミュニケーションをとらなければなりません。利用者や家族との人間関係、介護サービス事業者との人間関係が悪かったり、いじめやパワハラなどによって辞めるケースもあります。

職場の人間関係は、実際に勤務してみなければわからないため、離職の原因となることが多いです。

離職理由⑤施設の経営方針と馴染めない

施設にはそれぞれ経営方針がありますが、経営方針が合わないと働きにくく感じます。

施設の経営方針はさまざまです。性格によっては合わないと感じることもあります。組織や施設の理念や運営方針に共感できないと、モチベーションの低下につながって仕事を辞めたいと感じやすくなります。

経営方針は、面接時などに確認しておくと自分に合うかどうかを判断しやすいでしょう。

離職理由⑥資格の更新が大変

ケアマネの資格は一度取得したら永久的なものではなく、有効期間が設けられています。

ケアマネの資格の有効期限は5年間です。ケアマネとして働くためには有効期間満了日までに更新をする必要があり、更新に必要な研修を受けなければなりません。

このような更新交付手続きの申請が面倒と感じ、ケアマネを辞めたいと感じるケースもあります。

離職理由⑦異動で担当地域が遠方になった

職場によりますが、ケアマネの担当エリアが複数ある場合異動を命じられることがあります。この際、近場であれば良いですが、引越しを伴うような遠方に異動となった場合、異動が困難であるという理由から退職することがあります。

異動ができない場合や避けたい場合には、求人を確認する際や面接時に異動の可能性の有無を確認しておきましょう。

ケアマネを続けるための対策

せっかく資格を取ってケアマネになったにも関わらず、続けられないとなると精神的ダメージも大きいでしょう。とはいえ、前述の通りケアマネの離職理由はさまざまです。

そこでここからは、ケアマネを続けるための対策を複数ご紹介します。

辞めたい理由を明確にする

ケアマネをしているものの、「職場を辞めたい」「不満がある」といった場合には、辞めたい理由を明確にしてみましょう。

まずは、ノートに不安や不満を書き出します。これにより、心情を客観視できて何か改善策はないか、本当に続けることは困難かどうかを判断しやすくなります。

また、ケアマネの仕事が好きか、ケアマネになりたいと思った理由を思い返すなど、一度初心に帰って冷静に考え直すこともおすすめです。

相談相手をみつける

ケアマネは心身に負担がかかりやすい仕事です。何か不安がある場合は、ひとりで抱え込まず信頼できる相談相手を見つけましょう。

誰かに話すだけでも気持ちが軽くなり、第三者からアドバイスをもらうことで違う視点から物事を考えられるかもしれません。

また、職場の信頼できる人に話すことで介護職員やヘルパーとの関係を構築するきっかけにもなります。

働き方を変える

働き方を変えることで、気分が一新したりケアマネを続ける気力が湧くかもしれません。

介護を必要とする人は、施設に入居していたりデイサービスを利用している方と、居宅で訪問介護を必要とする方に分類されます。これまで施設で働いていた場合は居宅に変えるなど、働き方を変えることも視野に入れて検討してみましょう。

また、介護職に戻ったり別の職場への転職なども対策につながります。

転職した際の注意点

ケアマネを一度離職しても、資格があればケアマネとして再び働くことができます。しかし、資格には有効期限があるため、ケアマネへの復帰可能性も考えて資格の更新をしておきましょう。

ケアマネの資格の有効期限は5年間です。いざケアマネとして復帰しようと考えても、資格の有効期限が切れていると働くまでに時間がかかります。

高齢化が進む日本において、ケアマネは重宝されています。今後のケアマネとしての復帰可能性を考慮し、転職しても資格の更新を忘れずに行ってください。

ケアマネとは?

そもそもケアマネとは、「ケアマネージャー(介護支援専門員)」の略です。介護を必要とする方が適切な介護サービスを受けられるように、利用者の相談に乗ってケアプランの作成や各機関との連絡、調整をします。

自宅介護を必要とする方か、施設を利用している方を対象にするのかによって勤務先が異なりますが、介護用具のレンタルを展開している民間企業で働くこともあります。

ケアマネの仕事内容

ケアマネは働き方が複数あり、それぞれの働き方で仕事内容が異なります。ケアマネの働き方は、基本的に居宅ケアマネジャー・施設ケアマネジャー・介護予防ケアマネジメントです。

それぞれの働き方について詳しく解説します。

居宅ケアマネジャー

自宅で介護を受ける人を対象にサービスを提供します。サービス利用者の自宅を訪問し、状況を確認したり困っていることを把握して、最適なケアプランの作成を目指します。事業所に入社して、その事業所に登録している方をサポートする点が特徴です。

利用者がスムーズにサービスを受けられるように、関係者と利用者の架け橋とならなければなりません。密なコミュニケーションで、円滑なサービス提供のための調整も重要な仕事です。

施設ケアマネジャー

施設に入居している人を対象に、介護サービスを提供します。施設に勤務して、その施設を利用している方の話を聞き、ケアプランを作成することが主な仕事です。

施設ごとに人数は異なりますが、施設には多くの介護を必要とする人が入居しています。そのため、居宅ケアマネジャーと比べて一人あたりが担当する利用者の数が多いことが特徴です。

施設によりますが、ヘルパーとともに介護に関する業務を任せられたり、夜勤が必要な場合もあります。

介護予防ケアマネジメント

「要支援」の認定を受けた人を対象に、介護が必要な状態にならないようにサポートする仕事です。単に介護サービスを提供するのではなく、必要な介護サービスを提供しつつ状態の悪化を食い止めるためのケアプランを作成しなければなりません。

地域包括支援センターが統括しており、市区町村や委託を受けた福祉施設が勤務先となります。

参考リンク:
公益財団法人長寿科学振興財団
介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)とは

まとめ

ケアマネジャーは人手不足により心身ともに負担が大きいことが理由で、離職する人が少なくありません。

しかし、職場を変えたり相談相手を見つけることでケアマネを続けるモチベーションにつながります。

ケアマネジャーからの離職をお考えの方は、ご紹介した対策を実践してみましょう。

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