令和3年に施行された高齢者雇用安定法の改正により、事業主は、70歳までの定年引上げ、定年制の廃止、70歳までの継続雇用制度の導入など5項目いずれかの措置を行うことが努力義務とされました。
これらは、少子高齢化が進行し人口が減少する中で経済社会の維持や、働く意欲のある人誰もが能力を発揮できる環境を整えることを目的としています。
シニア歓迎と記載のある求人も多くあり、その中でも介護の求人が目に留まる方もいるのではないでしょうか?
そこで介護職として働きたいと考えている方に向けて、介護職として働く前に知っておきたいことをまとめて紹介します。
- 介護職は何歳まで働けるのか
- 介護職の仕事内容
- 65歳で介護職として働きたいと考えている方
- 介護施設の求人に応募したいと考えている方
- 健康なうちは長く働きたい人
実際は何歳まで働けるのか
年齢制限はない
継続雇用制度を利用している場合は、就業先によって継続延長の期間が定められていますが、非常勤雇用(パート・アルバイト)として就業する場合には定年はありません。ですので、ご自身の希望する限り就業をすることが可能です。介護職は、これまで様々な経験を積んできたシニアの方こそ、能力を発揮できる職業でもあります。年代の近い方々とコミュニケーションを取ったり、特技や趣味を活かしてレクリエーションの場を担当することもできるでしょう。
業務内容や勤務時間を確認し、ご自身の働き方とあった求人へ応募をしてみましょう。
未経験の場合は、まず資格取得を
全くの未経験から応募をする場合は、最低でも認知症介護基礎研修を修了していることが必要になるでしょう。2024年4月から介護職として就業する方は必ず「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されるためです。更にしっかりと学んだうえで就業したいと考えている場合は、介護職員初任者研修の取得をおすすめします。研修の内容に実技演習が含まれており、排泄介助や食事介助など介護の動きを実際に勉強することができ、現場で実践することができるからです。
採用担当者は「介護職として勤務することに対するモチベーション」や「コミュニケーションと人柄」を重要視している場合が多いです。
未経験のままシニア枠として就業を望む場合、最低限の資格を取得しているだけでも、介護職に対する関心があるのだと好印象を持たれることでしょう。
介護の資格について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
高齢になってから介護職で働く例
高齢者施設の介護職は働き方が様々です。
私がキャリアアドバイザーとして求職者様にお話を伺った際には、次のような志望理由が多く見られました。
- 家族介護の傍ら介護の資格を取得したため活かしたいと思った
- かねてより介護施設での就業をしたいと考えていた
- 身体を使う仕事を続けたいと思った。
- 人と話すことが好きなので介護職は自分にあっていると思った
他にも、未経験から始めるためまずは介護アシスタントや清掃スタッフから始めたいという方もいらっしゃいます。
介護施設によっては時短勤務を歓迎している場合もあり、ご自身にあった働き方で無理なく働くという選択が可能です。
未経験の方が初めから夜勤専従に応募される際は、施設側の採用検討も慎重になることが多いでしょう。まずは日勤帯で体力面・技術面など問題なく働けることを、就業先に知っていただくことが大切です。
介護職の仕事とは
介護職の仕事といってイメージするものはどのようなものでしょうか?イメージしているものと実際の仕事にギャップがあると、驚いてしまったり大変だな…という思いが強くなったりするかもしれません。
就業する施設やサービスによって提供する介護サービスは様々です。採用側は利用者様の求めるサービスを提供できる介護士を求めているため、ご自身の強みを活かせるかどうか、希望が叶うかどうかなど、予め確認しておくことをおすすめします。
ではあらためて、介護職の仕事について確認していきましょう。
介護の種類
介護には大きく分けて下記のような仕事があります。
生活介助
- 生活するスペースの掃除
- 食事の支度(準備・片付けなど)
- 洗濯
- 買い物
- 薬の受け取り
- 見守り
身体介護
- 食事介助
- 排泄介助
- 更衣、洗面、清拭の介助
- 入浴の介助
- 体位変換、移乗・移動介助
- 通院や外出介助
- 服薬介助
生活介助は介護者が日常生活の家事などを代わりに行うことで、利用者のからだに直接触れない支援となっています。そのため、生活介助のみ行う際は自身の体力的負担は少ないと言えるでしょう。
一方、身体介護は、利用者の介護度によって内容が大きく変わります。要介護1の利用者であれば、入浴時の付き添いや、排泄時の衣類着脱の補助程度の支援が必要です。しかし要介護5となれば寝たきりの状態で生活をされている利用者もいます。その場合、ベッドからの移乗介助、排泄介助(おむつ交換)、食事介助(食事を口に運ぶ)など、行う支援が多く介護士の身体的負担も大きくなることもあります。
レクリエーション
デイサービスや施設サービスでは、一日の流れの中でレクリエーションや運動の時間が設けられていることが多いです。
利用者様の前に立ってレクリエーションの説明をしたり、一緒に取り組んだり。利用者様に楽しんで頂きつつ、自分自身も楽しんで参加することが大切です。
レクリエーションは身体を動かすもの、歌を歌うもの、脳トレなど様々です。これまでの経験や特技、趣味などを取り入れることもできるでしょう。
運転
在宅サービスの中でも、特にデイサービスやショートステイの場合、必ず送迎業務が発生します。送迎ドライバーが専属で働いている施設もありますが、介護職や生活相談員がドライバーを担当することもあります。また送迎車に添乗し、乗車・降車の介助も業務の一つとして発生します。送迎車はハイエースやキャラバンといった大きめの車のことが多いです。運転業務に不安のある方は、面接時などで就業先に確認することを忘れずに。
記録
介護業務では日々の記録が必要です。計画に基づいたサービスを行えているかを記録するとともに、利用者様の状況の変化を見逃さないためです。
在宅サービスでは利用者様によって利用頻度が異なりますし、施設サービスでは職員がシフト制で勤務をするため、利用者様の記録を残すことが大切になります。記録を残すことで、次の介護者がどのような点に気を付けてサービスを提供すればいいのかを引き継ぐことができます。
パソコン・タブレット操作に慣れる必要も
昨今では紙媒体への記入ではなく、パソコンやiPadなどのタブレット端末などの電子媒体で記録している施設が多くなってきています。電子機器類の操作に得意・不得意はあると思いますが、使いこなせるようになるまで、分からないことはすぐに質問したり、マニュアルを確認したりして、使用方法を習得していきましょう。
介護職に就く年齢の実情
高齢者の健康寿命が延びている
65歳以上で介護職を目指す方も、実際に就業されている方もいます。経験がある方にはなりますが、65歳を越えて夜勤業務にも携わっているという方もいます。
介護業界は年齢や性別問わず、広く門戸の開かれた職種だと捉えていいでしょう。
高齢者の健康寿命が延びている中で、自分の能力を発揮できる場所を探し、就業を継続したいと考える方はこれからも増えていくことでしょう。
介護業界は求人募集も多くあることから、希望と合致する職場が見つかれば定年後も長く就業できる場所となるでしょう。
体力勝負の一面も…
介護職として働くということは、日々同じ業務を繰り返すのではなく、突発的な対応をする場面もあり得ます。また、夜勤帯の勤務を行う方やフルタイムのシフト制で勤務する方も多いはずです。その仕事内容によっては、重労働・肉体労働を行っていることと変わりない仕事量になる可能性も充分あり得ます。
ご自身の状況を相談しながら、週の勤務回数や勤務時間の調整をすることをおすすめします。
60歳以上の方がおすすめの就業先
上記のことも踏まえ、年齢が高めな方が負担少なく働けるサービスはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
介護サービスには、在宅サービスと施設サービスがあります。
おすすめの就業先は以下の通りです。
在宅サービス
- デイサービス
- デイケアサービス
- ショートステイ
施設サービス
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- ショートステイ
これらの施設は、比較的介護度が低い方が利用をされています。日中は介護職以外にも看護師や機能訓練指導員、生活相談員など、他の職種も配置されており、一人で全て業務を行わなければならない状況にはなりにくいといえるでしょう。介護職の仕事を確認し、少し不安が残る方、それでも介護施設での勤務に興味がある方は、次のような仕事もおすすめです。
- 清掃スタッフ
- 介護補助スタッフ
- 事務スタッフ
- 送迎ドライバー
直接介護に関わらずとも、介護施設で就業することのできる職種はあります。
これまでの就業経験を活かせる職種の募集があれば、そちらから応募をし、応募時に「介護職にも興味があり、資格を取りたいと思っている」というように伝えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
少子高齢化が進んでいることや、高齢者の健康寿命が延びていることから、これからますます高齢者の雇用は当たり前になっていくと思われます。
その中でも介護職の求人は、シニア歓迎求人やスポット業務として短時間就業を募集している求人など数多く募集されています。
定年後や60歳を越えて初めて介護職として働くには、高齢者介護についてや介護業務について理解することが重要です。
そして自分の体力面(身体の状況)として、実際に介護業務を行えるかどうかを判断しながら働くことも必要でしょう。
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