グループ ホームの仕事内容とは?実体験からやりがいや働く職員の悩みについて解説

グループ ホームの仕事内容とは?実体験からやりがいや働く職員の悩みについて解説

グループホームは、認知症の方が共同生活をする施設です。

特養や老健とは違い、入所者との関わりを多くもつことができ、やりがいを持って働くことができるでしょう。

この記事では、グループホームの仕事内容について詳しく解説します。

また、実際の経験から仕事のやりがいや悩みについてもお伝えします。

仕事内容を理解して、グループホームへの転職の検討材料にしてください。

この記事でわかること

  • グループホームの仕事内容
  • グループホームにおける仕事のやりがいや悩み

こんな人におすすめの記事です

  • グループホームの仕事内容を知りたい方
  • グループホームに就職や転職を考えている方
目次

グループホームとはどんな施設?

はじめに、グループホームの特徴や活躍している職種について解説します。

グループホームの特徴

グループホームは、認知症と診断された方が少人数で共同生活をする施設です。

1ユニット、5人以上9人以下で構成されています。

入所要件は、以下の3つ全てを満たす必要があります。

  • 要支援2以上の認定を受けている方
  • 認知症の診断を受けた方
  • 事業所と同じ市町村に住所がある方

家庭的な雰囲気の作りになっていて、認知症の方でも安心して生活が送れるような配慮がされています。

グループホームで活躍している職種

グループホームでは、以下の3職種の配置が義務付けられています。

  • 介護従業者
  • 計画作成担当者
  • 管理者

介護従業者は、主に日常生活の介護や生活支援を担当します。

日中は利用者3人に対して1人、夜間はユニットごとに1人配置しなければいけません。

計画作成担当者は、入所者のケアプランを作成します。

ユニットごとに1人配置されます。

管理者は、施設の運営管理や収支管理などを行います。

3年以上認知症の介護従事経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した者が管理者に従事できます。

グループホームの仕事内容

グループホームの仕事内容

グループホームの主な業務内容は、以下の6つです。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 認知症ケア
  • 健康管理
  • レクリエーション
  • 夜勤業務

グループホームの勤務は、24時間を通して生活のサポートをします。

勤務形態は、早番、日勤、遅番、夜勤などのシフト制になっています。

1日の業務スケジュールは、以下の表を参考にしてください。

【日勤】

時間 業務内容
9:00〜 出勤、申し送り
9:30〜 排泄介助、入浴介助
11:00〜 昼食準備
12:00〜 昼食
13:00〜 排泄介助
14:00〜 レクリエーション
15:00〜 おやつ
16:00〜 申し送り
16:30〜 夕食準備
17:30〜 夕食
18:00 退勤

【夜勤】

時間 業務内容
16:00〜 出勤、申し送り
16:30〜 排泄介助
17:30 夕食
18:30〜 口腔ケア、排泄介助
19:00〜 就寝介助
21:00〜 定期巡回
0:00〜 定期巡回
3:00〜 定期巡回
6:00~ 朝食準備
6:30~ 起床介助
7:00~ 朝食
9:00~ 申し送り
9:30~ 排泄介助
10:00 退勤

以下で、仕事内容について詳しく解説します。

身体介護

グループホームにおける身体介護は、トイレ誘導時の声かけや移動時の見守りなどです。

介護度が軽い方が多く、おむつ交換や移乗介助など体に負担がかかる介助は少ないでしょう。

ただし、稀に重度の方を受け入れているグループホームもあるため、注意が必要です。

生活援助

調理や洗濯、掃除など日常生活における家事を行います。

できる方には一緒に行ってもらうことで、機能維持や認知症の進行予防などの効果が期待できます。

認知症ケア

認知症は、記憶障害を中心に見当識障害や理解力の低下などにより、日常生活に支障をきたします。

そのため、認知症の方は常に不安な状況の中で生活しています。

利用者の不安を軽減させるため、認知症の特性を理解した上でケアに取り組む必要があります。

健康管理

入所者が安心して過ごせるように、バイタル測定や服薬介助などの健康管理を行います。

異常の際は、状況に応じて看護師や医師と連携を図り、医療機関へつなぐ必要があります。

日ごろから些細な変化にも気づけるように、入所者の様子を注意深く観察しておきましょう。

レクリエーション

生活にメリハリをつけるためにレクリエーションを行います。

レクリエーションの種類は、身体を使って行うものから頭を使う脳トレのようなものまで幅広いです。

軽い運動や脳を使うレクリエーションは、認知症予防にもつながると言われています。

夜勤業務

グループホームでは、夜勤業務もあります。

主な業務内容は、定期巡回やトイレ誘導、その他の雑務です。

認知症の方は間違って他の入所者の部屋に入ってしまったり、居室内で転倒していたりすることもあります。

夜勤中は、それらの異常にすぐ気づけるように些細な物音にも注意しておきましょう。

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グループホームの平均給料

グループホームの平均給料は、291,080円です。

資格別の平均給料は以下の通りです。

取得資格 給料
介護福祉士 304,190円
社会福祉士 320,030円
介護支援専門員 359,850円
実務者研修 286,850円
介護職員初任者研修 281,200円
保有資格なし 255,980円

引用:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

グループホームは、無資格でも働くことができる施設です。※

保有資格がない場合、平均給料は255,980円ですが、介護支援専門員の資格を取得することで359,850円と約10万円も高い給料を得ることができます。

資格を取得することで、より高い給料が得られるでしょう。

グループホームの給料に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

※2024年4月より介護に直接携わる介護士で無資格の方は、入職から1年以内の認知症介護基礎研修受講が義務付けられています。
※身体介護に携わるか否かは関係なく、全サービスで働く介護士が対象です。

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グループホームの仕事で役立つ資格

グループホームの仕事で役立つ資格として、以下の3つ挙げられます。

  • 介護職員初任者研修
  • 実践者研修
  • 介護福祉士

介護職員初任者研修は、介護の基礎を学べる入門資格です。

受験は誰でも可能で、130時間のカリキュラムを受講し、筆記試験に合格することで資格を取得できます。

実務者研修は、介護職員初任者研修の上級資格です。

450時間のカリキュラムを受講する必要がありますが、介護職員初任者研修を取得している場合はカリキュラムの一部が免除されます。

介護職員初任者研修に比べるとより専門性が高くなるため、まず介護職員初任者研修を取得してから実務者研修を受講すると良いでしょう。

介護福祉士は、専門的な介護の知識やスキルを習得していることを証明できる唯一の国家資格です。

取得するためには、「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「EPAルート」の4つがあります。

働きながら資格を取得するなら、実務経験3年以上かつ実務者研修修了し、筆記試験に合格することで取得できる「実務経験ルート」がおすすめです。

介護福祉士を取得することで、スキルの証明以外にも資格手当が支給され給料が高くなるメリットがあります。

グループホームでの仕事のやりがい

グループホームの仕事で得られるやりがいは、以下の3つが挙げられます。

  • 認知症対応のスキルアップができる
  • 身体の負担が少なく仕事ができる
  • 入所者とじっくり関わることができる

以下で詳しく解説します。

認知症対応のスキルアップができる

認知症の方は、何度も同じ話を繰り返されたり、実際には起きていないことを実際に起きているかのように話をされたりします。

話を否定してしまうとその方を不安にさせてしまい、認知症の悪化につながりかねないため、慎重に対応する必要があります。

このように認知症の方の対応を日常的に行うため、日々の関わりを通してスキルアップが図れるでしょう。

身体の負担が少なく働ける

グループホームは身体的には問題ない方が多く、日常生活における介護は、声かけや見守りが中心です。

寝たきりの方はほとんどいないため、腰に負担がかかる介助はほとんどありません。

体力面や腰に不安がある方でも働きやすい職場と言えるでしょう。

入所者とじっくり関わることができる

身体介護が少ないため、一緒に調理をしたり、洗濯物を干したりしながら、関わりを多くもてます。

一緒に行うことで、楽しさや喜びを入所者と共有でき、仕事にやりがいを感じるでしょう。

職員の悩みや辞めたいと感じる理由

グループホームで働く悩みや辞めたいと感じる理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 認知症の対応が大変
  • 夜勤が大変
  • 料理ができないと大変

以下で詳しく解説します。

グループホームの仕事の大変な部分については、以下の記事でも詳しく解説しています。

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認知症の対応が大変

入所者の中には、意思疎通が困難な方もおり、コミュニケーションが難しいときもあるでしょう。

また、認知症のBPSD(行動・心理症状)として帰宅願望や介護拒否などがあります。

それらの症状の原因は、性格や生活歴、その時の状況に応じてさまざまです。

原因を追求して、適切な対応を取ることは、経験を積んだ介護士でも難しい場合もあります。

グループホームで働く場合、認知症に関してしっかりと勉強しておくと良いでしょう。

夜勤が大変

グループホームの夜勤は、特養や老健などに比べると身体介護が少ないため、楽なイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、実際の夜勤は大変なこともあります。

例えば、他の方の居室に入って他者トラブルになったり、急変や転倒・転落などの介護事故が発生したりすることがあります。

慣れないうちはそれらの対応にプレッシャーを感じるかもしれません。

施設によっては、夜間看護師のオンコール体制を取っているところもあるので、不安な方は事前に確認すると良いでしょう。

料理ができないと大変

グループホームは、自分たちで食事を用意します。

9人分の食事を調理するのは、調理に慣れている方でも大変なことです。

調理が苦手な方にとっては、苦痛に感じるかもしれません。

施設によっては、食材を湯煎し、盛り付けだけ利用者と一緒に行うところもあります。

料理が不安な方は、そのような施設を選ぶと良いでしょう。

グループホームの仕事の理解を深めて無理なく働こう!

グループホームの仕事は、生活援助や認知症ケアが中心となります。

特養や老健とは違い、介護度が軽い入所者が多く、身体介護は少ないです。

また、入所者とじっくり関われるため、仕事にやりがいを感じることができます。

体力や腰に不安のある方や仕事にやりがいを求める方にとって働きやすい施設と言えるでしょう。

施設によって看護師の配置や食事の用意の仕方など違いがあるため、施設の特徴について確認してください。

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担当者が施設を直接訪問し、人事担当者と面談しているため、施設の詳細をお伝えできます。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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