登録ヘルパーは、時間の融通が利きやすいため、未就学児のいる方や介護未経験の方におすすめの働き方です。
この記事では、登録ヘルパーとはなにか、登録ヘルパーの仕事内容や給料などについて詳しく解説していきます。
登録ヘルパーとして働くことを検討している方の判断材料になれば幸いです。
この記事でわかること
- 登録ヘルパーとはなにか
- 登録ヘルパーの仕事内容や給料、必要な資格
- 登録ヘルパーのメリット・デメリット
こんな人におすすめの記事です
- 登録ヘルパーとして働きたい方
- 登録ヘルパーについて詳しく知りたい方
登録ヘルパーとは?
登録ヘルパーとは、訪問介護事業所や施設に働きたい日時を登録し、勤務するヘルパーのことをいいます。
登録ヘルパーは、訪問介護独自の雇用形態で、「訪問介護事業所の労働者」といった位置づけになるため、業務委託とは異なります。
正社員との違い
正社員は、訪問介護事業所と直接雇用の契約を交わし、フルタイムで働く雇用形態です。
基本的には、事業所に出勤してから利用者の自宅へ向かい、終了後は一度事業所へ戻ってから退勤となります。
一方、登録ヘルパーは、直接雇用ではないため、働く日時を自身で選ぶことができます。
利用者の自宅に直接訪問し、終了後は直帰が基本のため、正社員と比較すると、自由な働き方が可能です。
パートヘルパーとの違い
登録ヘルパーは、働く日時を自身で決めることができますが、パートヘルパーの場合は、事業所の決めたシフト通りに勤務をします。
また、他の職員が休めば、代わりに業務を担ったり、事務仕事を行ったりすることもあります。
パートヘルパーと比較しても、登録ヘルパーのほうが、自由な働き方が可能です。
登録ヘルパーの仕事内容
登録ヘルパーの仕事は、利用者の自宅に訪問し、介護保険法に基づいた介護サービスを提供することです。
具体的には、以下の3種類に分かれます。
- 食事や排せつ介助などの「身体介護」
- 洗濯や掃除などの「生活援助」
- 通院の付き添いなどの「通院介助」
基本的には、正社員やパートヘルパーの仕事内容と変わりがありません。
登録ヘルパーの具体的な仕事内容は、以下で詳しく説明しています。
登録ヘルパーの給料・働き方
厚生労働省が公表している「令和3年度介護従事者処遇改善等調査結果」によると、登録ヘルパーを含むパートヘルパーの月給は、93,960円でした。
時給に換算すると、約1,663円になります。
ただし、登録ヘルパーの場合は、労働時間のみに給料が支払われる場合が多いため、パートヘルパーの給料換算の方法とは異なります。上記の給料は参考程度にご確認ください。
また、仕事内容によっても時給が異なります。
生活援助の相場は約1,500円、身体介護の相場は約2,000円とされています。
有給休暇の取得も可能
登録ヘルパーも、有給休暇の取得は可能です。
ただし、正社員やパートヘルパーのように、勤務日数があらかじめ決まっているわけではないため、有給休暇の回数の計算が複雑になります。
有給休暇の付与日数は、勤務日数や勤務時間に応じて決まるため、事業所の管理者に確認してみると良いでしょう。
社会保険に加入できる場合もあり
登録ヘルパーであっても、「週20時間以上の勤務」の条件を満たせば、社会保険に加入できる場合があります。
これは、雇用保険も同様です。
ただし、登録ヘルパーの場合、移動時間は勤務時間として扱われないことが多いため、保険への加入は難しいのが現状です。
利用者の自宅までの移動時間は、個人的な寄り道をしていないと認められる場合に限り、勤務時間として扱われます。
しかし、移動時間は登録ヘルパーの自己申告制のため、事業所が判断するのは困難であることから、多くの場合が「交通手当」などとして支給しています。
移動時間に関しては、事業所によって対応が異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
登録ヘルパーのメリット・デメリット
ここからは、登録ヘルパーのメリットとデメリットについて説明していきます。
それぞれを確認しながら、登録ヘルパー・正社員・パートヘルパーのどの働き方が合っているのか、考えていきましょう。
メリット
登録ヘルパーのメリットは、時間の融通が利くため、ライフスタイルに合わせて働ける点です。
働く日時を自身で決められるため、「未就学児がいてフルタイムで働けない」「プライベートを重視したい」というような方にピッタリです。
また、自宅から利用者の自宅まで直行直帰が可能なため、時間を有効活用できる点も、登録ヘルパーのメリットといえるでしょう。
デメリット
登録ヘルパーのデメリットは、収入が安定しにくい点です。
登録ヘルパーの給料は、労働時間分のみ支給されます。
待機時間や移動時間に関しては、給料が支給されない場合が多いです。
また、利用者の都合でキャンセルになった場合、介護の仕事ができなくなるため、給料が支給されませんし、希望した日時に必ずしも仕事が入るとも限りません。
しかし、直接雇用の正社員の場合には、移動時間や待機時間にも給料が支給されますし、キャンセルが出ても給料は減らないため、安定した収入を得ることができます。
ほかにも、利用者の自宅へ直行直帰のため、ほかのスタッフと関わる機会が少なく、仕事に関する相談ができないというデメリットがあります。
登録ヘルパーになるために必要な資格
登録ヘルパーになるためには、以下の3つの資格のいずれかが必要となります。
- 初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
保有している資格によって、登録ヘルパーとしてできる仕事にも違いが出てきます。
無資格の方は、まず、難易度の低い「初任者研修」の資格から取得していくと良いでしょう。
初任者研修取得後は、初任者研修修了者のみが受講できる「実務者研修」、初任者研修と実務者研修修了者が受験できる「介護福祉士」の順に、取得していくことをおすすめします。
登録ヘルパーになるために必要な資格については、以下の記事で詳しく説明しています。
登録ヘルパーの給料を上げる4つの方法
登録ヘルパーの給料を上げるには、以下の4つの方法があります。
- 上位資格の取得をする
- 身体介護をメインに登録する
- 事業所の掛け持ちをする
- 転職する
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
上位資格の取得をする
登録ヘルパーに限ったことではありませんが、基本的に介護職は、資格手当がつくことによって、有資格者のほうが給料が高くなります。
保有資格別のパートヘルパーの給料は、以下の通りです。
資格 パートヘルパーの月収 初任者研修 86,330円 実務者研修 92,030円 介護福祉士 115,300円 引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(186P)」
登録ヘルパーは、保有している資格によって、できる仕事の種類が異なります。
無資格者の場合、時給の高い身体介護は行えず、生活援助がメインとなります。
上位資格を取得すれば、時給の高い身体介護の仕事もできるようになるため、給料アップにもつながるでしょう。
身体介護をメインに登録する
食事介助や入浴介助、排せつ介助といった、利用者の身体に直接触れる介護を行う場合には、初任者研修以上の資格を保有していなければなりません。
また、洗濯や掃除などの生活援助と比較すると、身体的負担も大きくなります。
そのため、生活援助よりも、身体介護の時給の方が高いのが一般的です。
登録ヘルパーとして給料アップを目指す場合には、身体介護が必要な利用者の訪問介護をメインに登録すると良いでしょう。
事業所の掛け持ちをする
登録ヘルパーとして働いていると、「希望日時に仕事の依頼が入らなかった」「キャンセルが出た」などの理由で、仕事がなくなることがあります。
登録ヘルパーは、勤務した時間分の給料が支給されるため、仕事がなければ給料はありません。
このような事態を防ぎ、安定した収入を得るためには、複数の事業所の掛け持ちがおすすめです。
複数の事業所に登録しておけば、スキマ時間ができないように、シフトを組むことが可能です。
ただし、事業所によっては、掛け持ちを禁止しているところもありますので、事前に確認しておきましょう。
転職する
登録ヘルパーの最大のメリットは、時間の融通が利く点です。
つまり、正社員やパートヘルパーと比較して、勉強時間を作りやすいということです。
まずは、登録ヘルパーとして働きながら介護士としての経験を積み、資格を取得して、給料が高い事業所や施設へ転職しても良いでしょう。
転職先を選ぶ際には、以下の4点を確認しましょう。
- 賞与や手当の有無
- 事業所の規模の大きさ
- 休日日数
- 介護保険外サービス提供の有無
労働が続き、疲労で介護職から離脱しないためにも、有給休暇が利用できているかどうかは、しっかり確認しておくと良いです。
登録ヘルパーとしてライフスタイルに合わせた働き方をしよう
登録ヘルパーは、自身が希望する日時に勤務できるため、時間の融通が利きやすいといったメリットがあります。
収入が不安定になりやすいといったデメリットもありますが、上位資格を取得し、時給の良い仕事ができるようになれば、給料アップを目指せるでしょう。
介護未経験の方であれば、登録ヘルパーをしながら資格を取得し、フルタイムで働けるようになったら、給料の良いところへ転職する方法もあります。
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