家事や育児などと両立しながら、介護士としてパート勤務している方の中には、時給アップのために介護福祉士の資格取得を検討している方もいるでしょう。
「フルタイムで働くのは難しいけど、お給料はもう少しほしい」という方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、介護福祉士の時給相場について詳しく解説していきます。
介護福祉士の時給を上げる方法についても紹介していますので、最後まで読んで時給アップを目指しましょう。
この記事でわかること
- 介護福祉士の時給
- 介護福祉士として時給を上げる方法
こんな人におすすめの記事です
- 介護福祉士としてパートで働きたい方
- 介護福祉士の時給が知りたい方
- 今よりも時給を上げたい方
介護福祉士の時給相場
厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の平均月収は、フルタイムが328,720円、パートが128,320円でした。
介護福祉士の平均月収と労働時間から時給換算すると、フルタイムの場合が約2,015円、パートの場合は約1,466円となります。
無資格者や初任者・実務者研修修了者の時給は以下の通りで、比較すると介護福祉士の時給相場が高いことがわかります。
資格 | フルタイムの時給 | パートの時給 |
---|---|---|
介護福祉士 | 約2,015円 | 約1,466円 |
無資格 | 約1,652円 | 約1,253円 |
初任者研修修了 | 約1,825円 | 約1,436円 |
実務者研修修了 | 約1,855円 | 約1,445円 |
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p182・186)」
ただし、介護福祉士の時給は、性別・年齢や施設形態、地域によっても異なります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。
性別・年齢別の時給相場
月収と労働時間から算出した性別・年齢別の時給相場は、以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
29歳以下 | 約1,818円 | 約1,762円 |
30~39歳 | 約2,070円 | 約1,882円 |
40~49歳 | 約2,165円 | 約1,905円 |
50~59歳 | 約2,015円 | 約1,930円 |
60歳以上 | 約1,758円 | 約1,789円 |
こちらはあくまで、フルタイムの月収と労働時間から時給換算したものです。
参考程度に確認しておきましょう。
施設形態別の時給相場
フルタイムの月収と労働時間から算出した施設形態別の時給相場は、以下の通りです。
施設形態 | 時給 |
---|---|
介護老人福祉施設 | 約2,187円 |
介護老人保健施設 | 約2,190円 |
介護療養型医療施設 | 約1,906円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 約1,866円 |
デイサービス(通所介護事業所) | 約1,762円 |
訪問介護事業所 | 約1,950円 |
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(182~183p)
時給がもっとも安いデイサービスと、もっとも高い介護老人保健施設では、400円以上の差があります。
ただし、この金額はフルタイムの月収を時給換算したものですし、夜勤手当なども関わっているため、注意しましょう。
介護福祉士の給料は地域によっても異なる
介護福祉士の給料は、地域によっても差があります。
「求人ボックス給料ナビ」によると、介護福祉士の年収相場がもっとも高いのは、東京都の352万円で、もっとも安いのは青森県の246万円でした。
東京都と青森県には、106万円の差があります。
給料アップを考えるのならば、給料の高い地域に転職するという選択も良いかもしれません。
地域別の詳しい年収や、介護福祉士の給料の手取りについては、以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士の時給は安い?
介護士の最低賃金は多職種と同様のため、介護士の時給が特別安いということはありません。
さらに、介護福祉士は資格手当がつくことが多く、中には時給2,000円を超える求人もあります。
最低賃金とは、最低賃金法に基づいて国が定めた金額で、基本的には都道府県ごとに異なります。
主要都道府県の最低賃金は以下の通りです。
都道府県 最低賃金 北海道 920円 青森県 853円 宮城県 883円 東京都 1,072円 愛知県 986円 大阪府 1,023円 広島県 930円 福岡県 900円 熊本県 853円
最低賃金がもっとも高いのは、東京都の1,072円で、もっとも安いのは青森県や熊本県などの853円です。
介護福祉士の給料に地域差がある背景は、最低賃金が都道府県によって異なるといった理由もあります。
また、介護職は、以下の理由から比較的時給が高めに設定されている求人も多くなっています。
- 慢性的な人手不足
- 即戦力となる人材が欲しい
介護士は、接客業によるストレスや体力面での問題から、辞めていく方が多い仕事です。
そのため、どの施設も基本的には慢性的な人手不足の問題を抱えています。
人手不足を解消するために、給料を高めに設定している施設が多くなっています。
また、慢性的な人手不足となれば、ほしいのは即戦力となる人材です。
「介護福祉士取得者」といったように人材を限定し、給料を高めに設定することで、即戦力となる人材を見極めている施設もあります。
介護福祉士のパートの給料は今後上がる?
介護福祉士のパートの給料は、今後上がることが予想されます。
岸田総理は、2022年2月~9月の8か月間、介護士1人あたり月額9,000円相当、給料を引き上げており、2022年10月以降も継続的に行われています。
さらに、内閣官房の公的価格評価検討委員会が掲げている最終目標は、「賃金が仕事内容に適した水準まで上がり、人材が確保されること」です。
介護士の人材不足は深刻な問題となっており、その原因のひとつである給料の低さを改善する動きが政府間でみられています。
そのため、今後、介護福祉士のパートの時給も上がるのではないかと予想されています。
介護福祉士の今後の給料についてはこちらでも詳しく解説しています。
介護福祉士の時給を上げる4つの方法
介護福祉士としてパートで勤務する方が、時給を上げるには以下の4つの方法があります。
- 上位資格取得を目指す
- 勤続年数を増やす
- 夜勤専従になる
- 転職する
それぞれについて詳しく説明していきますので、試せるものはあるか確認しながら見ていきましょう。
上位資格取得を目指す
介護福祉士の上位資格として一般的なのは、「ケアマネージャー(介護支援専門員)」です。
ケアマネージャーの仕事は、要支援・要介護者が適切な介護サービスを受けられるように、
「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成することです。
ケアマネージャーの資格取得には、介護福祉士として5年間が経過し、なおかつ、900日以上の経験を積んだあと、介護支援専門員研修受講試験に合格する必要があります。
ケアマネージャーの資格は、都道府県が管轄する公的資格で、国家資格ではありません。
しかし、難易度が高く、介護福祉士としての経験も必要なことから、介護福祉士よりも給料が高い場合が多いです。
ケアマネージャーの資格取得は決して簡単ではありません。
しかし、給料アップだけではなく、キャリアアップにもなりますし、ケアマネージャーを目指してみるのも良いでしょう。
勤続年数を増やす
介護福祉士としての勤続年数を増やしていくのも、給料アップにつながります。
介護職は、勤続年数を積むごとに時給がアップしていく傾向にあります。
さらに、2019年からは、人材確保のための「介護職員等特定処遇改善加算」が開始され、介護福祉士としての勤続年数が一定期間を超えると給料がアップするようになりました。
具体的には、勤続年数が10年以上になった介護福祉士に対して「年収400万円以上の支払い」または「月収80,000円以上給料アップ」が約束されました。
今の職場に大きな不満がない場合には、介護福祉士としての勤続年数を増やしていくのも良いでしょう。
夜勤専従になる
夜勤専従とは、夜勤のみを行う働き方です。
介護施設によって異なりますが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの、24時間体制の施設では、基本的に夜勤勤務があります。
夜勤勤務では「深夜割増賃金」という制度が適用されるため、通常の給料に夜勤手当が加算され、1回あたり5,000~8,000円が、夜勤回数に応じて支給されます。
さらに夜勤専従の場合は、夜勤帯での勤務になるため、日勤帯での勤務よりも50~150円ほど時給が高くなるのが基本です。
夜勤勤務は、配置人数が少なくなるため、誰でもできるというわけではありません。
そのため、技術や知識のある介護福祉士の夜勤専従は、歓迎されやすいです。
また、夜勤勤務は夜間帯に勤務するため、昼間の時間を自由に使えるメリットもあります。
子供がいる方でも、夜間は配偶者やパートナーが子供を見ていてくれるという方であれば、夜勤専従はおすすめの働き方です。
転職する
介護福祉士は、介護士としての基本的な知識と技術があることを示す資格です。
そのため、介護福祉士の資格を取得している方は、転職の際に非常に有利になります。
介護福祉士の時給は、施設形態や都道府県によって差があるため、給料アップのために転職するのも1つの手です。
介護福祉士を取得して時給が良い職場に転職しよう!
介護福祉士のパートの時給は約1,466円で、無資格者と比較すると約200円の差があります。
「介護士=低賃金」といったイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。
介護士の最低賃金はほかの職種と変わりがないため、各都道府県の最低賃金に準じます。
さらに、介護福祉士の資格を取得していれば資格手当がつくため、時給2,000円の求人もあります。
介護福祉士の時給は施設形態によっても異なるため、資格を取得し、時給の良い施設へ転職するのも良いでしょう。
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