ヘルパーは時間の融通が利きやすく、高時給の求人も多い傾向にあります。
そのため、ヘルパーとして働きたいと思っている方の中には、「育児などの合間の時間を活用して高時給の事業所で効率よく稼ぎたい」と思っている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、ホームヘルパーや登録ヘルパーの時給相場について説明していきます。
ホームヘルパーや登録ヘルパーの時給は、介護施設の時給とは考え方が異なります。
そのため、転職してから「思っていたより時給が低かった」とならないよう最後までお読みください。
この記事でわかること
- ホームヘルパー（訪問介護）の平均月収と時給
- 登録ヘルパーの平均月収と時給
- ヘルパーの時給を上げる方法
こんな人におすすめの記事です
- ホームヘルパーまたは登録ヘルパーとして働きたい方
- パートヘルパーとしての給料アップを目指している方
ホームヘルパー（訪問介護）の平均月収と時給
厚生労働省が公表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ホームヘルパーの平均月収は、常勤が315,170円で、パートが107,310円でした。
上記の月収をもとに、ホームヘルパーの時給を算出します。
月収から換算した時給
「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」をもとに、ホームヘルパーの平均月収と労働時間から時給換算すると、常勤が1,886円、パートが1,606円でした。
ただし、上記の金額はあくまで平均月収と労働時間から換算した時給です。
ホームヘルパーの時給は、保有資格や年齢などによってことなるため、参考程度にご確認ください。
地域別の時給
ホームヘルパーの時給は、地域によっても異なります。
「求人ボックス」によると、地域別のパート・派遣社員の時給は、以下の通りでした。
都道府県 パートの時給 派遣社員の時給 東京都 1,300円 1,548円 北海道 996円 1,199円 宮城県 1,089円 1,219円 愛知県 1,094円 1,399円 大阪府 1,152円 1,233円 広島県 1,007円 1,323円 福岡県 1,189円 1,600円 佐賀県 890円 データなし 鹿児島県 959円 1,101円 山形県 969円 1,101円 引用：求人ボックス
ホームヘルパーの場合、パートよりも派遣のほうが時給が高いことがわかります。
また、パートの場合、もっとも時給が高いのは東京都で、もっとも時給が低いのは佐賀県でした。
しかし、派遣社員の場合は、もっとも時給が高いのは福岡県で、もっとも時給が低いのは鹿児島県と山形県という結果になりました。
このように、地域や雇用形態によって時給が異なることは覚えておきましょう。
登録ヘルパーの平均月収と時給
登録ヘルパーとは、訪問介護事業所に働きたい日時を登録して、希望した日時のみ勤務するヘルパーのことで、訪問介護独自の雇用形態となります。
登録ヘルパーについては以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。
「求人ボックス」によると、登録ヘルパーの年収は約362万円、年収から換算した平均月収は約30万円でした。
しかし、登録ヘルパーの雇用契約は非正規雇用となるため、労働日数や時間によっても大きく異なります。
パートの時給
「求人ボックス」が公表した登録ヘルパーのパートの時給は、1,348円でした。
ホームヘルパーのパートの時給は1,606円なので、登録ヘルパーよりもホームヘルパーの時給のほうが高い傾向にあることがわかります。
派遣社員の時給
「求人ボックス」が公表した登録ヘルパーの社員派遣の時給は、1,297円でした。
ホームヘルパーの場合、パートよりも派遣社員の時給のほうが高い傾向にありました。
一方、登録ヘルパーの場合は、パートの時給のほうが派遣社員よりも高い傾向にあることがわかります。
地域別の時給
登録ヘルパーの時給も、地域によって差があります。
都道府県 パートの時給 東京都 1,497円 北海道 1,279円 宮城県 データなし 愛知県 1,275円 大阪府 1,399円 広島県 データなし 福岡県 1,200円 山梨県 1,001円 引用：求人ボックス
登録ヘルパーのパートの場合、もっとも時給が高いのは東京都で、もっとも時給が低いのは山梨県で、約500円の差があることがわかります。
ただし、登録ヘルパーの求人件数が少なくデータがない都道府県も多いため、参考程度にしておくとよいでしょう。
ホームヘルパーの時給が高い理由
ホームヘルパーの平均時給は異業種と比較しても高い傾向にあり、夜勤の場合、時給が3,000円を超える求人もあります。
ホームヘルパーの時給が高い主な理由として挙げられるのが以下の3点です。
- リスクを伴うため
- 介護報酬の設定が高いため
- 多くの人材を募集するため
ホームヘルパーは、利用者の自宅に直接訪問して介護サービスを提供します。
つまり、介護施設のように介護に適した環境ではないため、介助中の事故が起きやすいリスクを伴います。
さらに、ホームヘルパーは1人で利用者の自宅へ訪問するのが基本です。
そのため、身体介護の負担は大きいですし、急変や事故が起きてしまった場合でも、1人で対応しなければなりません。
上記のような理由から、訪問介護の介護報酬は高めに設定されており、その分ホームヘルパーへ還元できるため、時給を高めに設定している事業所が多い傾向にあります。
また、訪問介護は深刻な人手不足に悩まされており、より多くの人材を募集するために時給を高めに設定している傾向にあります。
異業種と比較したホームヘルパーの時給や、時給が高い詳しい理由に関しては、以下の記事をご覧ください。
ホームヘルパーの時給を上げる5つの方法
ホームヘルパーの時給を上げるためには、以下の5つの方法があります。
- 掛け持ちをする
- 身体介護をメインにして働く
- 早朝や夜間勤務に就く
- 上位資格を取得する
- 転職する
ホームヘルパーとして給料アップを目指すのであれば、常勤として働く方法が最短ルートですが、育児や介護などさまざまな理由でパートでしか働けない方もいるでしょう。
ここで紹介する方法は、パートとして働きながら給料アップを目指す方法ですので、ぜひ参考にしてください。
掛け持ちをする
ホームヘルパーが時給を上げるもっとも効率のよい方法は、事業所の掛け持ちです。
例えば、事業所Aでは9時に1件しか仕事がなかったとしても、事業所Bでは12時以降3件仕事があるかもしれません。
このように空き時間を有効に活用できれば、1日に複数件仕事をすることができます。
特に、登録ヘルパーの場合は希望の日時に仕事が入るとは限らないため、掛け持ちすることで空き時間ができにくくなるでしょう。
ただし、掛け持ちを禁止している事業所もあるため、事前に確認しておく必要があります。
身体介護をメインにして働く
ホームヘルパーの主な仕事内容は「身体介護」「生活援助」「通院介助」の3つにカテゴライズされますが、この中でもっとも介護報酬が高いのが身体介護です。
身体介護は、生活援助や通院介助と比較すると、介護に関する専門的な知識や技術が必要となるため介護報酬が高く、その分時給も高い傾向にあります。
実際に、生活援助の時給の相場は1,100～1,400円程度ですが、身体介護の時給の相場は1,600～1,900円程度になります。
体力に余裕があれば、身体介護をメインにして働くと給料アップにつながるでしょう。
身体介護の主な仕事内容に関しては、以下の記事をご確認ください。
早朝や夜間勤務に就く
早朝や夜間の勤務には夜勤手当や時間外手当が支給されるため、日勤のみの働き方と同じ勤務日数でも給料アップが目指せます。
ただし、すべての事業所で早朝・夜間勤務ができるわけではありません。事業所への事前の確認を忘れないようにしましょう。
上位資格を取得する
介護業界では、保有資格に対して資格手当が支給されるのが一般的です。
資格別ホームヘルパーの時給は以下の通りです。
資格の種類 常勤の時給 パートの時給 介護職員初任者研修 1,837円 1,621円 介護福祉士実務者研修 1,884円 1,591円 介護福祉士 1,936円 1,645円 無資格 データなし 1,415円 引用：厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
上記の時給は、平均月収と労働時間から算出したものですのであくまで目安にはなりますが、資格保有者のほうが無資格者よりも時給が高いことがわかります。
転職する
ホームヘルパーとして時給アップを目指すのであれば、より好条件な事業所への転職もひとつの方法です。
転職する際には時給のみではなく、手当の種類や昇給・賞与の実績などといった待遇面の確認も必要です。
特に、将来的に常勤として働きたいと思っている方は必ず確認しておきましょう。
移動時間の時給に関しては要確認
ホームヘルパーの時給で必ず確認しておかなくてはならないのが「移動時間の時給」についてです。
移動時間に対する時給に関しては事業所によってさまざまなため、移動時間や次の訪問までの待ち時間には時給が発生しない場合もあります。
また、移動時間にも時給が発生することを謳っている事業所であっても、時給が発生するのは「移動時間のみ」の場合もあるため注意が必要です。
つまり、次の訪問までの待ち時間があり拘束時間が長くても、待ち時間に対しては時給が発生しない場合があるということです。
時給が高く設定されていても移動時間や待ち時間に時給が発生しなければ、実質的に他事業所よりも時給が安くなる可能性もあるため注意しましょう。
時給相場を理解したうえでヘルパーとして働こう
ホームヘルパーの時給は、働き方や地域によって差があります。また、事業所によって時給の換算方法も異なります。
就職希望の事業所の時給が地域相場よりも高い場合には、時給の換算方法はどのようになっているのかしっかり確認しましょう。
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一口にホームヘルパーといっても働き方は複数あります。比較検討して自身に合った働き方を見つけましょう。
