訪問介護の年収はいくら?給料アップの方法や転職時のポイントを解説
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訪問介護の年収はいくら?給料アップの方法や転職時のポイントを解説

訪問介護士として年収アップを目指す方がまず気になるのが、現在勤めている事業所の給料が平均と比較してどうなのか、ということではないでしょうか。

この記事では、常勤・パート別の訪問介護士の年収と手取り、他施設と比較した年収などについて紹介しています。

訪問介護士として年収を上げる方法や、条件のよい事業所を見つけるポイントについても解説していますので、最後まで読んで年収アップにつなげましょう。

この記事でわかること

  • 訪問介護の平均給料と年収
  • 年収アップの方法
  • 転職の際に年収が高い事業所を選ぶ方法

こんな人におすすめの記事です

  • 訪問介護の平均給料と年収が知りたい方
  • 年収アップを目指したい方
目次

訪問介護の年収はいくら?

訪問介護士の常勤とパート、それぞれの平均給料と月収から算出した年収を紹介します。

他施設の介護士の平均給料と年収についても紹介していきますので、訪問介護士の給料と比較しながら見ていきましょう。

常勤の平均給料と年収

常勤の訪問介護士の平均月収と、月収から算出した年収は以下の通りです。

手取りは、額面の7.5~8.5割で計算したものです。

平均月収 314,590円
月収から算出した年収 約377万5,080円
年収の手取り 約283万1,310~320万8,810円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇改善等調査結果(182P)」

常勤の場合、ボーナスが支給される事業所も多いため、ボーナスに関しても確認してみましょう。

勤続年数 ボーナス額
初年 63,500円
1~4年 326,800円
5~9年 482,400円
10~14年 553,000円
15年以上 487,200円

引用:「賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

ただし、訪問介護士の給料は、資格の有無や勤続年数、勤め先の地域などによって異なるため、参考程度に確認してください。

カテゴリ別の訪問介護士の給料に関しては、こちらの記事を参照してください。

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パートの平均給料と年収

パートの訪問介護士の平均月収と、月収から算出した年収は以下の通りです。

こちらも手取りは、額面の7.5~8.5割で計算しています。

平均月収 93,960円
月収から算出した年収 約112万7,520円
年収の手取り 約845,640~958,392円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇改善等調査結果(182P)」

ただし、パートの場合、時給として給料が支給されるため、詳細は以下の記事を参考にしてください。

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他施設との比較

常勤の訪問介護士の年収が、他施設と比較して高いのか低いのかを、月収と併せて確認してみましょう。

施設 月収 年収
訪問介護事業所 314,590円 約377万5,080円
特別養護老人ホーム 345,590円 約414万7,080円
介護老人保健施設 338,390円 約406万680円
通所介護事業所 278,180円 約333万8,160円

引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇改善等調査結果(182,183P)」

訪問介護の給料は、勤務時間が日中のみのデイサービスと比較すると高い傾向にあります。

一方で、利用者の要介護度が高く、夜勤のある特養や老健と比較すると、低めであることが分かります。

訪問介護の給料は今後上がる?

2022年10月から、介護施設や事業所を対象に介護職員1人あたりに対し、収入の3%(月額約9,000円)程度の報酬が加算がされる「介護報酬改定」が開始されました。

ほかにも、岸田総理が介護士の賃金アップについて言及しており、今後介護士の給料は上がっていくことが予想されます。

したがって、訪問介護士の給料アップの可能性もあるでしょう。

介護士の今後の給料予想については、こちらの記事を参照してください。

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訪問介護の年収を上げる7つの方法

訪問介護の年収を上げる7つの方法

ここからは、訪問介護士の年収を上げる以下の7つの方法について、詳しく解説していきます。

  • 常勤になる
  • 上位資格を取得する
  • 早朝・夜間の勤務を増やす
  • 身体介護メインで働く
  • サービス提供責任者を目指す
  • 今の施設での勤続年数を増やす
  • 転職する

将来的な年収アップを目指して、できるところから始めてみましょう。

常勤になる

訪問介護はライフプランに合わせて働くことができるため、パートとして働く方も多いですが、可能であれば常勤になった方が年収はアップします。

パートの場合、給料が発生するのは実際に介護サービスを提供している時間のみであったり、移動時間は給料が発生しなかったりすることがほとんどです。

そのため、常勤と比較して勤務時間に制限があるパートは、その時間に訪問予定が重ならなければ給料は発生しません。

また、ボーナスの支給がある事業所で常勤として勤務すれば、大幅な年収アップの可能性もあるでしょう。

上位資格を取得する

訪問介護に限った話ではありませんが、介護業界で年収アップを目指す場合には、上位資格の取得が基本です。

資格の有無と種類別の常勤の訪問介護士の年収は以下の通りです。

資格 月収 年収
無資格 286,390円 約343万6,680円
初任者研修 309,060円 約370万8,720円
実務者研修 315,360円 約378万4,320円
介護福祉士 321,350円 約385万6,200円

引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(182P)」

介護施設では、資格を保有している介護士に対して、資格手当が支給される場合がほとんどです。

また、資格の保有は介護に関する専門的な知識があることの証となるため、役職に就けたり、より待遇のよい施設へ転職しやすくなったりします。

役職に就けば役職手当が支給されるため、年収アップを目指せるでしょう。

早朝・夜間の勤務を増やす

事業所によっては、早朝や夜間に介護サービスを提供しているところもあります。

早朝や夜間の勤務には、時間外手当や夜勤手当が支給されるため、勤務日数を増やすことなく、年収アップを目指すこともできるでしょう。

ただし、すべての事業所で早朝・夜間の勤務ができるわけではないため、確認が必要です。

身体介護メインで働く

訪問介護の仕事内容は、主に以下の3つにカテゴライズされます。

  • 身体介護:食事・入浴・排せつ介助など、直接身体に触れる介護
  • 生活援助:掃除や洗濯、料理、買い物など、日常生活支援
  • 通院介助:利用者の通院の付き添い

上記のうち、介護報酬が最も高いのが、身体介護です。

身体介護は、生活援助や通院介助と比較して、介護に関する専門的な知識と技術がないと行えないため、初任者研修以上の資格がなければできません。

身体的に余裕があれば、身体介護メインで働くと年収アップにつながるでしょう。

訪問介護の詳しい仕事内容については、以下でご確認ください。

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サービス提供責任者を目指す

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所の責任者のことで、「サ責」とも呼ばれています。

サ責の主な仕事内容は、訪問介護士の育成や訪問介護計画書の作成などです。

訪問介護士よりも責任は増しますが、その分給料がアップするため、年収アップも目指せます。

サ責の役割や詳しい仕事内容に関しては、以下で解説しています。

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今の施設での勤続年数を増やす

多くの介護施設では、施設が決めたタイミングで、定期的に賃金がアップする「定期昇給」が採用されています。

定期昇給は、訪問介護事業所でも採用されている場合が多いです。

そのため、現在の職場に不満がない方は、転職せずに勤続年数を増やすことで、年収アップを目指せるでしょう。

転職する

訪問介護士として年収アップを目指すのであれば、給料のよい事業所への転職も視野に入れるとよいでしょう。

条件のよい事業を見つけるポイントは、次項で詳しく解説していますので、参考にしてください。

条件のよい事業所を見つけるポイント

ここからは、条件のよい事業所を見つけるための以下の4つのポイントについて、解説していきます。

  • 事業所の規模が大きい
  • キャリアアップ制度が整っている
  • 介護保険外のサービスを提供している
  • 移動時間の時給に関しては要確認

年収アップのために転職を検討している方は、確認しておきましょう。

事業所の規模が大きい

訪問介護の月収をアップさせるためには、1日の訪問件数を増やす方法が一般的です。

訪問介護士の常勤の1日の平均訪問件数は約5件、フルタイムで働いているパートの平均訪問件数も同様です。

しかし、時短で働いているパートであれば、1日の訪問件数は1~2件となりますし、勤務時間と訪問予定が重ならなければ、仕事ができない場合もあります。

したがって、転職の際には、効率的に訪問できる規模の大きい事業所を選ぶようにしましょう。

キャリアアップ制度が整っている

入職後もコンスタントに給料をアップさせたい場合には、キャリアアップ制度の有無も確認しておきましょう。

資格取得支援や社内資格への手当の有無、どの程度の経験や年数でキャリアアップできるのかなどを確認しておくとよいです。

上記は、事業所のホームページの求人ページに記載されていることも多いため、一度確認してみましょう。

介護保険外のサービスを提供している

介護士の給料は、介護報酬から支給されるのが基本ですが、介護報酬には上限があります。

そのため、介護保険内の介護サービスのみを提供している事業所では、給料アップは望めません。

介護保険外のサービスも提供している事業所であれば、その分をスタッフへ還元してくれる可能性もあります。

移動時間の時給に関しては要確認

パートとして転職先を探す際に必ず確認しなければならないのが、移動時間の時給の有無です。

多くの事業所は、介護サービスを提供している時間のみに給料が発生し、移動時間に関しては給料が発生しません。

たとえば、Aさん宅からBさん宅に移動するまでに、1時間かかったとします。

その場合、移動時間の1時間も仕事の拘束時間となりますが、その分の時給は発生せず、労働時間のみに時給が発生する事業所がほとんどということです。

これは、介護施設にはない訪問介護のみの特徴です。

他と比較して時給が高い求人の多くが、時給が発生するのは労働時間のみのため、注意しましょう。

条件のよい事業所へ転職して年収アップを目指そう

訪問介護士として年収アップを目指す方法は、さまざまあります。

訪問介護事業所の多くは定期昇給を採用しているため、まずは、条件のよい事業所へ転職し、その施設での勤続年数を増やすことで将来的に年収アップを目指すのもよいでしょう。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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