訪問介護への転職を考えている方の中には、「今の職場と比べて給料はどうなのか」「他のサービスと比べて給料は高いのか」と悩むこともあるのではないでしょうか。
転職先を検討する際に、給料が大きな要因となる方は多いです。
そこで本記事では、訪問介護の平均給料や手取り、年収などについて、雇用形態別に解説しています。
仕事内容や給料を上げる方法についても説明していますので、転職して給料を上げたい方の判断材料になるでしょう。
この記事でわかること
- 訪問介護員(ホームヘルパー)の給料
- 訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容
こんな人におすすめの記事です
- 訪問介護員(ホームヘルパー)の給料を知りたい方
- 今よりも給料を上げたい方
訪問介護員(ホームヘルパー)の平均給料
訪問介護員は、ホームヘルパーと呼ばれており、介護が必要な方の自宅へ訪問し、身体介護や生活援助など、その方に必要な支援を提供する仕事です。
令和3年度介護従事者処遇状況等調査の結果によると、常勤の場合のホームヘルパーの平均給与額は、月額31万4,590円です。
他のサービス種別との比較は以下の表を参照してください。
サービス種別 平均給与額(月給、常勤の場合) 訪問介護事業所 31万4,590円 介護老人福祉施設 34万5,590円 介護老人保健施設 33万8,390円 通所介護事業所 27万8,180円 特定施設入居者生活介護 31万9,760円 小規模多機能型居宅介護事業所 28万9,520円 認知症対応型共同生活介護 29万1,460円
上記のように、ホームヘルパーの給料は、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)といった身体介護の多いサービス種別に比べると低い傾向にあります。
そして、通所介護事業所(デイサービス)や認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などと比べると、2〜4万円ほど高い結果となっています。
介護士の給料については、2022年10月の国会答弁で、岸田首相が賃金引き上げについて言及しています。
介護職員処遇改善加算や介護職員等特定支援加算、介護職員等ベースアップ等支援加算など、介護士の賃上げの制度が徐々に整備されていますので、今後も給料が上がっていくことが見込まれています。
正社員の平均給料・手取り・年収
正社員で働くホームヘルパーの平均給料は、前述の通り31万4,590円です。
この金額には、基本給だけでなく各種手当や一時金(賞与)も含まれています。
年収に換算すると、31万4,590円を12倍した377万5,080円になります。
月々の手取りについては、一般的に額面給与の75〜85%と言われているので、23万5,942円〜26万7,401円です。
この金額はあくまで目安なので、参考程度に捉えておくように注意してください。
パートの給料・手取り・時給
パートで働くホームヘルパーの給料と手取り金額は「日給か時給か」「常勤か非常勤か」によって異なります。
平均給与額 手取り 日勤の常勤 26万2,650円 19万6,987円〜22万3,252円 日給の非常勤 11万1,820円 8万3,865円〜11万1,820円 時給の常勤 23万6,910円 17万7,682円〜20万1,373円 時給の非常勤 9万3,960円 7万470円〜7万9,866円
日給の場合の勤務日数は、常勤が21.8日で非常勤は10日で計算されています。
また、時給の場合の時間数は、常勤が160.9時間、非常勤は56.5時間です。
常勤と非常勤では、勤務している日数や時間が大きく異なるので、給与の額に差が生じています。
なお、この調査を元に時給を計算すると以下のようになります。
常勤 非常勤 平均給与額 23万6,910円 9万3,960円 時間数 160.9時間 56.5時間 時給 約1,470円 約1,660円
常勤の場合は平均給与が23万6,910円で、時間数が160.9時間のため、時給は約1470円です。
そして非常勤の場合は、平均給与が9万3,960円で、時間数が56.5時間なので、時給は約1,660円になります。
全国で最も高い東京都の最低賃金は、令和4年10月時点で1,072円ですので、ホームヘルパーの時給は高水準といえます。
訪問介護の時給が高い理由は?
ホームヘルパーの時給が高い理由には以下の3つが挙げられます。
- 身体介護の時給が高い
- 人手不足が関係している
- 移動時間も含めた時給である
身体介護を行う場合は、利用者の身体に直接触れて介助するので、責任が重くなります。
専門的な知識や技術が求められ、その分生活支援よりもサービス利用料が高く設定されているため、時給にも反映されていると考えられるでしょう。
また、ホームヘルパーは慢性的な人手不足なので、採用を促進するために時給を高く設定している事業所もあります。
そして注意が必要なのは、移動時間も含めた時給である場合が多いことです。
ホームヘルパーは、1日に複数の自宅や施設を訪問します。
2件の利用者宅でそれぞれ1時間働き、移動が30分かかった場合、拘束時間は2時間30分ですが、実働は2時間です。
また、実際に30分で移動できる距離でも、スケジュールによっては次の訪問先での予定が2時間後ということもあります。
そうすると拘束時間は長くなるので、相対的に時給は低くなってしまう場合もあります。
訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容
ホームヘルパーは、主に利用者の自宅へ訪問し、その方に必要な介護を提供します。
また、住宅型有料老人ホームや、軽費老人ホームなどに訪問する際は、利用者の居室に訪問してサービスを提供する場合もあります。
主な仕事内容は、食事や排泄、入浴など、利用者の身体に直接接触して行う「身体介助」と、掃除や洗濯、調理や買い物など、利用者には直接触れずに身の回りのお世話をする「生活援助」などです。
原則本人に対してのみ提供するサービスなので、配偶者や子供などの利用者本人以外へのサービス提供はできません。
ホームヘルパーは、1対1のサービスなので、1人ひとりの利用者にしっかり寄り添ってケアをしたい方におすすめです。
訪問介護員(ホームヘルパー)が給料を上げる5つの方法
ホームヘルパーとして働きながら給料を上げる方法は以下の通りです。
- 資格を取得する
- 夜勤回数を増やす
- 管理職になる
- 勤続年数を増やす
- 転職する
1つずつ解説します。
資格を取得する
介護の仕事は、資格を取得することで「資格手当」が支給されるため、給料が上がります。
経験に応じた資格が段階的に設定されているので、無資格・未経験で仕事を始めても、介護職員初任者研修や、介護福祉士実務者研修などの資格を取得することでステップアップできます。
ホームヘルパーの正社員の平均給与をみると、介護福祉士取得者と無資格者では、下記の表のように月額約4万円の違いがあります。
資格 平均給与額 介護福祉士 32万1,350円 実務者研修 31万5,360円 介護職員初任者研修 30万9,060円 保有資格なし 28万6,390円
キャリアだけでなく給料もステップアップできるので、取れる資格は取得しましょう。
夜勤回数を増やす
24時間対応している事業所であれば、夜間のシフトに入る回数を増やすと、夜勤手当や時間外手当が支給されます。
主な仕事内容は、定時に巡回し排泄介助や安否確認をする「定期巡回サービス」や、転倒や体調不良時に依頼を受けて対応する「随時対応サービス」などです。
今の勤務日数や時間数を維持しながら給料アップを目指すなら、夜勤の回数を増やすのも1つの方法です。
管理職になる
ホームヘルパーとして経験を積み、より管理的な仕事をするサービス提供責任者になると、役職手当が支給されます。
前述の調査でも、ホームヘルパーの平均給与額が31万4,590円だったのに対し、サービス提供責任者の平均給与額は32万7,020円と上がっています。
役職に就くには、業務の経験だけでなく、他のスタッフからの信頼を得ることも必要です。
日頃の業務の中で、将来を見据えながら誠実に業務に取り組む姿勢をもちましょう。
勤続年数を増やす
多くの事業所では、定期昇給の制度があります。
同じ事業所で長く勤めることにより、基本給が上がり、給料アップにつながります。
昇給額は事業所によって異なり、人事考課制度の評価によって決まることもあるでしょう。
勤続年数を増やすと、リーダー職や管理職になる可能性もでてくるので、さらなる給料アップを目指せます。
転職する
今の職場で業務内容と給料やその他の待遇が見合わないと感じているのであれば、よりよい職場へ転職するのも、給料アップのための1つの方法です。
今の職場で経験を積んでいて、必要な資格を取得していれば、より高待遇の求人を見つけやすくなるでしょう。
また、事業所によって給与体系や手当、福利厚生などの待遇は異なります。
処遇改善関係の加算を算定している施設なら、今後の給料アップも見込めます。
転職先を探す際は、算定している加算もチェックしてみてください。
訪問介護員(ホームヘルパー)への転職ならカイゴLINK まとめ+訴求
ホームヘルパーとして働く介護士の平均給与額は、月額31万4,590円です。
資格を取得したり、夜勤を増やしたり、役職に就いたりすることでさらに給料をアップさせられるでしょう。
そして、転職することも給料アップするための有効な方法です。
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