有料老人ホームは、民間企業が運営している施設が多くあります。
給料や福利厚生が充実していると耳にすることもありますが、転職や就職を考えたときに、実際の給料がどの程度なのか気になる方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、有料老人ホームの平均給料をまとめました。
他の介護職の平均給料と比較できるようになっているので、転職を検討する際にお役立ていただけると幸いです。
この記事でわかること
- 有料老人ホームの平均給料
- 有料老人ホームで給料を上げる方法
こんな人におすすめの記事です
- 有料老人ホームの給料が知りたい方
- 今よりも給料を上げたい方
有料老人ホームとは?
有料老人ホームとは、高齢者を対象とした生活の場を提供する入居施設です。
「住宅型」「介護付」「健康型」の3種類があり、それぞれ提供されるサービスや仕事内容に違いがあります。
住宅型や健康型は、食事の提供や緊急時の対応、生活相談が主な業務になり、介護付であれば、入居者の食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介助も提供します。
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詳しくは下記の記事で説明していますので、参考にしてください。
「有料 老人 ホーム 仕事 内容」の記事へ内部リンク
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有料老人ホームの平均給料
有料老人ホームで働く介護職の給料について、厚生労働省が公表しているデータをもとに説明します。
正社員の平均月給は約32万円
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p183)」によると、介護付き有料老人ホームで働く介護職の平均月給は31万9,760円です。
令和2年度は31万890円でしたので、約9,000円上昇しています。
年収に換算すると、平均給料×12か月の単純計算で383万7,120円になります。
また、時給で働く非常勤の方の平均月給は13万6,370円です。
時給で働く方の場合は、実際の勤務時間や日数によって大きく左右されます。
正規職員でも、時給で働く職員でも、実際の給料は施設ごとに異なりますし、地域によっても違いがあるため、入職前によく確認しましょう。
記事執筆時点での平均月給は上記の通りですが、介護職の給料については、今後も賃上げすることが国の方針になっています。
2022年10月、岸田総理が介護士の賃金引き上げについて言及しました。
臨時国会の中で「看護、介護、保育をはじめ、現場で働く方々の処遇改善や業務の効率化、負担軽減を進める」と述べています。
実際に2022年2月から「介護職員処遇改善支援補助金」が給付され、介護職員1人あたり、収入の3%相当の月額9,000円を引き上げる制度が始まりました。
この制度は8か月間限定の制度でしたが、10月からは「介護職員等ベースアップ等支援加算」と形を変え、現在でも支給が続いています。
そのため、介護職の給料は今後も上がっていくと予想されます。
地域別の平均給料
老人ホームで働く介護職の給料は、地域によって差があり、首都圏や関西地方は比較的高く、九州や東北、北海道は低めになっています。
主要7都市の平均給料は以下の表の通りです。
都道府県 | 平均年収 |
---|---|
北海道 | 297万円 |
宮城県 | 308万円 |
東京都 | 364万円 |
愛知県 | 335万円 |
大阪府 | 336万円 |
広島県 | 295万円 |
福岡県 | 295万円 |
参考:求人ボックス 給料ナビ
上記のように、平均年収が364万円の東京都に対し、福岡県は295万円と69万円もの差があります。
介護職の給料は地域によって大きく異なることがよくわかります。
地域ごとの給料に差がある理由の1つは、介護報酬に地域区分が上乗せされているからです。
地域区分とは、地域ごとの人件費の差を調整するために設けられたものであり、施設が算定する合計単位数に上乗せされます。
上乗せ分の設定は、市区町村ごとに0%〜20%までの8段階です。
各施設が得る介護報酬は、基本的に1単位=10円ですが、この地域区分が高い地域であれば得られる報酬も高くなり、その分人件費にも反映されています。
地域区分は都市部の方がより高い区分に設定されているため、首都圏や関西地方は平均年収が高くなっています。
他の介護職と比べて給料は高い?安い?
有料老人ホームの給料は、他の介護施設の中で高い傾向にあります。
介護施設の月給を表にまとめていますので比較してみてください。
介護施設 | 平均月収 |
---|---|
特別養護老人ホーム | 34万5,590円 |
介護老人保健施設 | 33万8,390円 |
介護療養型医療施設 | 28万7,070円 |
介護医療院 | 30万7,550円 |
訪問介護事業所 | 31万4,760円 |
通所介護事業所 | 27万8,180円 |
通所リハビリテーション事業所 | 29万7,890円 |
特定施設入居者生活介護 | 31万9,760円 |
小規模多機能型居宅介護 | 28万9,520円 |
認知症対応型共同生活介護 | 29万1,460円 |
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p182・183)」
有料老人ホームは、介護付の場合、特定施設入居者生活介護にあたり、特別養護老人ホームと介護老人保健施設に次いで3番目に給料が高くなっています。
有料老人ホームは民間企業が運営していることが多いため、企業によって基本給や手当、福利厚生などに差があります。
転職活動や就職活動をする際には、面接時などによく確認しましょう。
有料老人ホームで給料を上げる5つの方法
次に、有料老人ホームで働きながら給料を上げていく方法について紹介します。
資格を取得する
介護の仕事は、資格を取得すると「資格手当」が支給されるため、収入が上がります。
無資格・未経験で仕事を始めても、自身の経験に合わせて、初任者研修や実務者研修を受講すれば仕事の幅も広がるでしょう。
実務者研修を修了すれば介護福祉士の受験資格を得られます。
将来的にケアマネジャーの受験資格も得られるようになるので、キャリアアップにもつながるでしょう。
有料老人ホームの平均月給を見ると、介護福祉士取得者と無資格の方では、下記の表のように約8万円の違いがあります。
資格 | 平均月収 |
---|---|
介護福祉士 | 33万5,920円 |
実務者研修 | 29万8,050円 |
介護職員初任者研修 | 30万5,590円 |
保有資格なし | 25万8,040円 |
介護の仕事は、資格を取得することでステップアップできる仕組みがあるので、取れる資格はを取得しましょう。
夜勤を増やす
有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの入所施設では、夜勤の回数に応じて夜勤手当が支給されます。
身体的な負担は大きくなりますが、回数をこなせばその分収入は増えていきます。
1回の夜勤手当は3,000円から6,000円程度の施設が多いです。
仮に夜勤手当が5,000円の場合、1か月に5回夜勤をすれば、手当は2万5,000円です。
また、最近では、夜勤専従の求人も増えています。
勤務する人数が少ないため人間関係に悩まずに済み、報酬も高いことから「夜勤の方が好き」という介護職は多くいます。
自身の体力やライフスタイルと相談し、可能であれば1度検討してみるのも良いでしょう。
勤続年数を重ねる
多くの施設では、勤続年数による基本給の昇給制度が設けられているため、長く勤めることで基本給が上がり、収入を増やすことができます。
施設によって、給与規定で勤続年数に応じた基本給が決められていたり、人事効果制度の評価によって昇給額が決まったりします。
勤続年数を重ねると、リーダー職になる可能性もあり、さらなる収入アップにつながるでしょう。
役職につく
リーダー職や管理者に就けば役職手当がもらえます。
企業によっては若いうちに管理者を任せ、施設の活性化を図っている施設もあります。
役職に就くには、経験や他のスタッフからの信頼を得ている必要があります。
日頃の業務の中で、将来を見据えながら誠実に業務に取り組む姿勢が大切です。
また、役職には介護福祉士やケアマネジャーなどの資格が必要な場合もあるため、早めに資格取得するのが良いでしょう。
転職する
施設によって給料や手当、福利厚生やその他の待遇が異なるため、より良い条件の施設へ転職するのも、収入を増やす1つの方法です。
今の施設で経験を積み、必要な資格を取得していれば、高待遇の求人を見つけやすくなります。
また、処遇改善関係の加算をしっかり算定している施設なら、今後の給料アップも見込めます。
転職や就職を考える際には、算定している加算もチェックしてみると良いでしょう。
待遇の良い有料老人ホームへ転職して給料アップを目指そう
有料老人ホームで働く介護職の平均給料は、月額31万9,760円です。
他の介護施設と比べて高い方ですが、資格を取得したり、夜勤や役職に就いたりすることでさらに給料をアップさせることができます。
そして、転職することも給料アップするための有効な方法です。
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