重度訪問介護は儲かる?給料・仕事内容と向いている人を解説

重度訪問介護は儲かる?給料・仕事内容と向いている人を解説

高齢者介護や障害福祉の仕事をしている方の中には、より高い給料を目指して重度訪問介護へ転職を考えている方もいるでしょう。

この記事では、重度訪問介護の給料や仕事内容について解説します。

どのような方が重度訪問介護の仕事に向いているのかもお伝えしていきますので、転職の参考にしていただけると幸いです。

この記事でわかること

  • 重度訪問介護の給料
  • 重度訪問介護の仕事内容

こんな人におすすめの記事です

  • 重度訪問介護の給料について知りたい方
  • 重度訪問介護の仕事内容について知りたい方
目次

重度訪問介護とは?

重度訪問介護は、障害を抱えた方の中でも重度の障害者を対象に介護を提供する障害福祉サービスです。

対象者

重度訪問介護の対象者は、「重度の肢体不自由、又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する者であり、常時介護を要する障害者」です。

以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 障害支援区分が区分4以上の方
  • 2肢以上に麻痺等がある方
  • 「歩行」「移乗」「排尿」「排便」に介助が必要な方

重度訪問介護の利用者は、脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの難病を患った方や交通事故により体が不自由になってしまった方が多いです。

その中には、寝たきりの方や痰吸引・経管栄養等の医療的管理が必要な方などの利用者もいます。

働くために必要な資格

重度訪問介護で働くためには、以下の資格が必要になります。

  • 介護福祉士
  • 介護職員初任者研修
  • 介護職員基礎研修
  • 居宅介護職員初任者研修
  • 重度訪問介護従業者養成研修

これから資格取得を考えている方は、重度訪問介護従業者養成研修の資格取得がおすすめです。

資格取得に関する条件もなく、最短2日で取得可能です。

重度障害者への介護に関する知識や技術に特化した内容となっています。

重度訪問介護は儲かる?平均給料を訪問介護と比較

重度訪問介護は儲かるのか気になる方も多いでしょう。

わかりやすいように重度訪問介護と介護保険の訪問介護の平均給料を比較して解説します。

また、給料を上げる方法についてもお伝えします。

重度訪問介護の平均給料

重度訪問介護の平均給料は、以下の通りです。

種別 勤務形態 平均給料
重度訪問介護 常勤 310,470円
非常勤 103,660円
(57.2時間:時給1,812円)
訪問介護 常勤 314,590円
非常勤 93,960円
(56.5時間:時給1,663円)

引用:令和3年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果

令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

重度訪問介護は夜勤があるにも関わらず、夜勤がない訪問介護と比べても平均給料は高くありません。

その理由は、以下の2つが考えられます。

  • 単価が低い
  • 費用は公費で賄われている

重度訪問介護は長時間のサービス提供を前提としているため、障害福祉サービス報酬の単価が低く設定されています。

種別 報酬 事業所の収入
重度訪問介護 1時間未満:184単位 約1,840円
訪問介護 30分以上1時間未満:394単位 約3,940円

※1単位=10円

同じ1時間のサービス提供で比較しても、重度訪問介護事業所の収入は2,090円少ないです。

重度訪問介護の費用のほとんどは公費により賄われていて、事業所の収入は障害福祉サービス等報酬により金額が決まっています。

国の財政状況も厳しいため、報酬アップが難しい状況です。

少ない報酬の中で、事務所の家賃や事務諸経費などを捻出するため、従業員に高い給料を当てることが難しい現状があります。

これらの理由から重度訪問介護の平均給料は、高いとは言えないでしょう。

重度訪問介護で給料を上げる方法

重度訪問介護において、給料を上げるための方法は、夜勤の回数を増やすことです。

夜勤手当の金額は施設により違いますが、1回の夜勤で5,000円程度支給されます。

効率よく稼ぎたい場合は、「夜勤専従」という働き方もあります。

夜勤専従の場合、年収500万円以上という給料の求人もあり、高収入を狙うことも可能です。

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重度訪問介護の仕事内容

重度訪問介護の仕事内容や1日のスケジュールについて解説します。

重度訪問介護にできること・できないこと

【できること】

  • 食事や排泄、入浴などの身体介護
  • 食事の準備や掃除、洗濯などの家事援助
  • 日用品の買い物
  • 外出時の移動介助
  • 医療的ケア

【できないこと】

  • 本人以外に関する身体介護、生活援助
  • 日常生活の範囲を超える行為
  • ATMや銀行窓口にて現金の引き出し
  • 医療行為
  • 散髪、カミソリによる髭剃り
  • 見守りのみの支援

重度訪問介護のできることは、利用者が生活に必要な身体介護や家事援助などがあります。

利用者以外のことや日常生活の範囲を超える家事支援などはできないことになっています。

重度訪問介護の仕事内容について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

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1日のスケジュール

重度訪問介護では、24時間を通して利用者の生活をサポートしているため、夜勤勤務もあります。

事業所により、勤務時間は異なりますが、以下のような勤務時間になっています。

  • 日勤は、8:00~22:00の間で9時間勤務(うち1時間休憩)
  • 夜勤は、22:00~8:00の間で10時間勤務(うち1時間休憩)
日勤(9:00〜18:00)
9:00〜 ・利用者宅に訪問
・朝食介助
・口腔ケア
・食器の片付け
・排泄介助
・掃除、洗濯
・昼食の準備
12:00〜 ・昼食介助
・口腔ケア
・食器の片付け
・排泄介助
・買い物
・夕食の準備
・夕食介助
16:00〜 ・夕食の準備
・夕食介助
・口腔ケア
・排泄介助
18:00 ・帰宅

日勤では、食事や排泄等の介助を中心に、その他必要な家事援助や外出支援等を行います。

利用者によって状態や生活リズムも違うため、支援内容や時間もその利用者ごとに合わせます。

夜勤(22:00〜8:00)
22:00〜 ・利用者宅訪問
・排泄介助
・就寝介助
00:00〜 ・排泄介助
・体位交換
・見守り
・記録
・仮眠
6:00〜 ・整容介助
・排泄介助
・起床介助
・朝食準備
7:00〜 ・朝食介助
・口腔ケア
8:00 ・帰宅

夜間は、利用者が安心して休めるように排泄介助や見守りを中心に行います。

それ以外の時間では、記録したり、仮眠を取ったりすることが可能です。

仮眠中でも利用者から呼ばれたときは、その都度対応します。

重度訪問介護にも2時間ルールは適用する?

訪問介護では、同一の利用者に対して同様のサービス提供をする場合、2時間の間隔をあけなければいけない「2時間ルール」という決まりがあります。

重度訪問介護では、「2時間ルール」は適用されません。

適用されない理由は、在宅で暮らす重度障害者に継ぎ目のない柔軟なサービスを提供するためです。

重度訪問介護の2時間ルールについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。

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重度訪問介護のきついところ・やりがい

重度訪問介護のきついところ・やりがい

重度訪問介護は、きついイメージがありますが、やりがいも大きい仕事です。

以下で両面をお伝えしていきます。

きついところ

重度訪問介護のきついところとして、以下のようなことがあります。

  • コミュニケーションが難しい
  • 高度な介護スキルを求められる
  • 細かい要求を求められる

対象利用者が重度の障害者のため、高い介護スキルが求められます。

障害の状態は、人によってさまざまです。

介助方法や力加減も人によって違い、細かい要求もあります。

また、話すことができなかったり、上手に意思を伝えられない方も多いため、コミュニケーションに苦戦することもあります。

はじめのうちは苦戦することも多いかもしれませんが、慣れるまでは先輩のスタッフと同行訪問するので、わからないことや不安なことは積極的に確認するようにしましょう。

やりがい

重度訪問介護では、以下のような点でやりがいを感じることができます。

  • 利用者のニーズに合わせた介護ができる
  • 感謝の言葉をいただける
  • 難しいケースをこなすことで成長できる

重度訪問介護は難しいケースが多いため、うまくできないこともあります。

その中でも、努力してうまくできるようになったときや利用者やその家族から感謝の言葉をいただいたときに大きなやりがいを感じます。

仕事に慣れてくると、利用者個々のニーズに答えることができるようになり、さらにやりがいを感じることでしょう。

重度訪問介護は、大変な仕事ですが、その分、自身の成長ややりがいを感じることができます。

重度訪問介護に向いている人

重度訪問介護に向いているのは、以下のような方です。

  • 利用者とじっくり関わりたい方
  • 相手の思いを汲み取り、相手のペースに合わせられる方
  • 高度な介護技術、医療的ケアを身につけたい方

重度訪問介護は、利用者の自宅を訪問して長時間滞在します。

利用者一人ひとりとじっくり関わり、関係性を深めたい方に向いています。

障害により話すことができない方もいるため、表情やしぐさなど些細なことにも注意を向けられると良いでしょう。

障害の程度もさまざまであり、寝たきりの方の排泄介助や移乗介助では高い介護技術を求められます。

また、痰吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な方もいるため、スキルアップを図り介護士として成長したいと考えている方にもおすすめです。

重度訪問介護の給料について理解を深め、転職に活かそう!

重度訪問介護の平均給料は、310,470円であり、夜勤があるにも関わらず、そこまで高い印象ではありません。

高い給料を目指すためには、夜勤回数を増やすと良いでしょう。

効率良く働きたい場合、「夜勤専従」という働き方もおすすめです。

重度訪問介護は、大変なことも多いですが、感謝の言葉をいただいたり、介護士としてスキルアップすることができるため、やりがいが大きい仕事です。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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