重度訪問介護は何ができる?できること・できないことの具体例まとめ

重度訪問介護は何ができる?できること・できないことの具体例まとめ

重度訪問介護は障害者福祉サービスの1つで、重度の障害を持っている方に提供するサービスです。

これから重度訪問介護事業所で働こうとしている方の中には「何ができて何ができないのかがはっきりわからない」という方もいるのではないでしょうか?

そこで、本記事では重度訪問介護の概要、できることとできないことを具体的に解説しています。

制度を理解することで、安心して働けるようになるでしょう。

この記事でわかること

  • 重度訪問介護の概要
  • 重度訪問介護でできること・できないこと

こんな人におすすめの記事です

  • 重度訪問介護で働いている方
  • 重度訪問介護でできること・できないことを知りたい方
目次

重度訪問介護とは?

重度訪問介護とは、肢体・知的・精神などの重度の障害によって、常に介護が必要な方に対して、ホームヘルパーが自宅を訪問し、日常的に身体介護や家事援助、外出や見守りなどの支援を提供するサービスです。

居宅介護と違い長時間のサービス提供が可能で、必要であれば24時間連続でサービス提供できます。

介護サービスを総合的かつ継続的に提供することで、常に介護が必要な重い障害のある方でも、在宅での生活が続けられます。

対象になるのは、以下の項目に該当する方です。

  • 障害支援区分が4以上の方
  • 二肢以上に麻痺がある方
  • 歩行、移乗、排尿、排便に支援が必要な方

原則として在宅での生活をサポートする制度のため、病院に入院するとサービスを受けられませんでした。

しかし、2018年4月に行われた障害者総合支援法の改正によって、要件を満たせば入院先でのサービス提供が可能になりました。

対象者は障害支援区分6の方で、日常的に重度訪問介護を利用している方です。

その方にあった特殊な介護方法や、入院による混乱を防ぐための環境や生活習慣について、入院先の医療従事者に伝えることで、利用者が入院先に適応できるようにすることが目的です。

重度訪問介護でできること

重度訪問介護で提供するサービスは、前提として、本人に関係する支援に限られ、本人には関係のない家族に対して行う支援はできません。

ここでは重度訪問介護でできることを、居宅で提供するサービスと外出時におけるサービスに分けて説明します。

居宅におけるサービス

居宅におけるサービスには主に以下のものがあります。

  • 入浴、排せつ及び食事などの身体介護
  • 調理、洗濯及び掃除などの家事
  • その他生活全般にわたる援助

入浴の介助や更衣介助、トイレやポータブルトイレへの乗り移りやおむつ交換などの排せつ介助、食事の介助や見守りなどの、いわゆる「3大介護」は、利用者にとって日常生活上欠かせない行為なので、その方にあった介護方法でサービスを提供します。

調理や洗濯、掃除などの家事も、利用者本人に対するものは提供可能です。

調理に関しては、一般的な調理や配下膳、嚥下状態や疾患に合わせたとろみ食やきざみ食などの特別職の調理が該当します。

また、本人が使用する衣類の洗濯や、居室やトイレ、浴室などの掃除やゴミ出しは提供できるサービスです。

その他、買い物やベッドメイキング、利用者が行う育児の支援も提供できます。

外出時におけるサービス

外出時におけるサービスは、主に移動に関する支援になり、日常生活上の介護時に発生する見守りも含まれます。

行政手続きや、銀行や郵便局などの金融機関への外出、通院やお見舞いなどの社会生活上外出が不可欠な外出の支援が該当します。

また、自治体や子どもの学校行事、散歩や宿泊を伴う外出など、社会参加促進のための外出も提供できるサービスです。

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重度訪問介護でできないこと

次に、重度訪問介護でできないことを解説します。

大別すると以下の行為は行うことができません。

  • 利用者以外の介助
  • 日常生活を送るために必要ではない介助
  • 医療行為
  • 通勤・社会通念上適当でない外出
  • その他

利用者以外の介助

重度訪問介護は、利用者本人に対するサービスなので、本人以外の家族やその他の関係者へのサービス提供はできません。

たとえば、以下のようなサービスが該当します。

  • 利用者の家族の食事、入浴、排泄などの身体介護
  • 家族が使用するベッドのベッドメイキング
  • 家族の衣類の洗濯やアイロンがけ
  • 利用者が使用していない部屋の掃除
  • 来訪者の対応
  • 洗車

本人へのサービス提供中に「ついでに」と依頼されることもあるので注意が必要です。

日常生活を送るために必要ではない介助

ヘルパーが行わなくても、利用者本人の日常生活に支障がないものはサービス提供できません。

例えば、庭の草むしり、家庭で育てている植物の管理、ペットの世話などが該当します。

同居の家族やその他の関係者などから、「どうしても」とお願いされた時には、公的な障害福祉サービスではなく、自費サービスを利用してもらいましょう。

医療行為

重度訪問介護では、ヘルパーが医療行為を行うことはできません。

爪切りや耳掃除など、利用者の介護をしている最中に、ちょっとした手間でできてしまうものもあります。

ですが、場合によっては医師法違反に問われてしまう場合もあるので注意が必要です。

ここでは、介護現場で生じやすい医療行為について紹介します。

  • 服薬管理
  • インスリン注射
  • 爪切り、爪やすり(化膿や炎症があるもの、糖尿病やその他の疾患により専門的な管理が必要な場合)
  • 耳掃除(耳垢で耳の穴を塞いでしまっている場合)
  • 重度の歯周病がある場合の口腔ケア
  • 水銀血圧計での血圧測定
  • 褥瘡の処置
  • 肌に密着しているパウチの交換
  • 自己導尿
  • 敵ベン
  • 血糖値測定

「喀痰吸引」「経管栄養」などの医療的ケアについては、都道府県から事業所登録を受けることで、介護福祉士や重度訪問介護従業者羊正養成研修統合課程、喀痰吸引等第3号研修などの修了者に限り対応が可能です。

通勤・社会通念上適当でない外出

重度訪問介護では、経済活動にかかる外出の支援はできないので、通勤や通所の際の移動の支援はサービス提供の対象外です。

また、競馬や競輪、競艇、パチンコなどのギャンブルや、スナックや居酒屋などの飲酒を目的とした外出の支援は、社会通念上適当でない外出としてサービス提供はできません。

そして、政治や宗教を目的とした外出も対象外になります。

例えば以下のようなものの外出の支援は行えません。

  • 選挙運動
  • 政治色の強い大衆的示威行動(デモ活動)
  • 布教活動や勧誘

個人の思想としての宗教活動や墓参り、初詣、選挙などのための外出支援は提供できるので、外出の目的をしっかり確認してから支援する必要があります。

その他

その他の項目として以下のものが提供できないサービスに該当します。

  • 生業を援助する行為
  • 日常的に行われる家事の範囲を超える行為
  • 散髪やカミソリによる髭剃り
  • 見守りのみの支援
  • 銀行への預貯金の引き出し代行

1つずつ解説します。

生業を援助する行為

重度訪問介護では、生業を支援することはできないので、利用者が持ち帰った仕事や内職、在宅勤務の仕事をヘルパーが手伝うことはできません。

日常的に行われる家事の範囲を超える行為

日常的に行われる家事の範囲を超える行為も提供できないサービスです。

家具や家電の修繕、エアコンや照明器具の清掃、大掃除、植木の剪定、季節に合わせた手の込んだ料理などが該当します。

調理や掃除などは提供できますが、通常の家事の範囲を超えると提供できないサービスと判断されます。

散髪やカミソリによる髭剃り

利用者の髪を切ったり、T字カミソリで髭を剃ったりすることは理容師法に抵触する場合があります。

利用者自身が行うことはできますが、ヘルパーが行うことはできません。

見守りのみの支援

重度訪問介護では、長時間ケアを行わずに見守りのみを行うことはできません。

重度訪問介護における見守りとは「比較的長時間にわたり、日常生活に生じるさまざまな介護の事態に対応する」ために行います。

そのため、ただ待機するだけという状況は、見守りとして認められないケースもあります。

銀行への預貯金の引き出し代行

重度訪問介護のヘルパーが利用者の預金を引き出したり預け入れたりすることはできません。

ヘルパーはあくまで支援者であって、代理人ではありません。

そして、利用者との金銭的なトラブルを招く可能性が生じます。

利用者への外出支援として一緒に銀行へ行ったり、社会福祉協議会のような公的な機関で金銭管理のサービスを受けるよう提案したりするのが良いでしょう。

重度訪問介護でできないことは地域によって異なるので注意

重度訪問介護でできること・できないことは市町村によって異なる場合があります。

地域ごとに提供できる介護サービスの種類や範囲が異なるためです。

重度訪問介護を利用する方の障害の状況やニーズは幅広く、すべての方のニーズにこたえられない場合もあります。

また、同じ地域であっても、利用者個々の障害特性や生活実態によって個別に認められるケースもあります。

できることとできないことを把握するには、実際に各市町村に確認することが大切です。

できること・できないことを理解して重度訪問介護を行おう

できること・できないことを理解して重度訪問介護を行おう

重度訪問介護は、居宅介護に比べてより障害の重い方が利用します。

長時間のサービス提供が可能で、その方の状態に合わせた対応が可能なサービスです。

ですが、ルールを知らずに仕事をしてしまうと、良かれと思ってしたことが法律違反になってしまう場合もあります。

重度訪問介護のできることとできないことを理解して仕事をすることで、自分自身を守り、さらに利用者にも安心してサービスを利用してもらえます。

まずは制度を理解して、重度訪問介護の従事者としての一歩を踏み出しましょう。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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