サ高住への転職を考える際、仕事が「きつい」という意見を聞くと、実際の仕事内容について気になる方も多いでしょう。
特養や老健などの介護施設と違い、サ高住は仕事のイメージが掴みにくいかもしれません。
そこでこの記事では、サ高住の仕事内容や大変なところをわかりやすく解説します。
向いている人の特徴についてもお伝えしますので、サ高住への転職を検討している方は、この記事を参考にしていただき、自身に合った転職先を見つけてください。
この記事でわかること
- サ高住の仕事内容
- サ高住の仕事のきついところ
こんな人におすすめの記事です
- サ高住への転職を考えている方
- サ高住の実態を知りたい方
サ高住とは?
サ高住とは「サービス付き高齢者向け住宅」の略称です。
バリアフリー構造となっており、60歳以上の高齢者、または60歳未満の要介護認定を受けた方が入居できます。
サ高住は、「一般型」と「介護型」の2種類あります。
「一般型」とは、自立した方から要介護度が低い方が対象です。
介護が必要な場合は、外部から訪問介護や訪問看護などの介護サービスを利用します。
「介護型」は、介護度が高い方でも入居が可能で、施設に常駐しているスタッフから介護を受けることができます。
最近では、サ高住の数も増加していて、全国で282,400戸もの施設があります。
令和3年社会福祉施設等調査の概況によると、全国の特別養護老人ホームの数は5,192となっており、サ高住の方が5倍以上施設数が多いです。
近年では、医療依存度の高い要介護高齢者に特化したサ高住もあり、幅広い方を対象として受け入れが可能となりました。
サ高住の仕事内容
サ高住の仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
- 安否確認
- 生活相談
- その他の業務
サ高住の必須サービスは、安否確認と生活相談です。
安否確認は、定期的に居室を訪問し、入居者が安全に生活できるように体調変化や異常がないか確認します。
体調の変化に気づけるように、普段から入居者の様子を把握しておくことが大切です。
日頃から声のトーンや仕草などに注意を向けておくと些細な変化にも気づきやすくなるでしょう。
生活相談は、入居者が施設で生活するうえでの悩みや困り事を聞き、対応します。
相談内容としては、日常生活上の相談や介護や健康に関するものがあり、親身に対応することで入居者からの信頼を得ることができるでしょう。
その他の業務として、入居者への食事や入浴サービス等の提供があります。
これは施設によって違いはありますが、食事の提供だけ行い、入浴や排泄等の介護は外部の訪問介護に依頼する施設が多いです。
サ高住の1日のスケジュール
サ高住の仕事はシフト制となっていて、早番・日勤・遅番・夜勤等があります。
今回は、日勤業務について解説していきます。
1日の仕事のスケジュールについて以下の表にまとめました。
時間 | 業務内容 |
---|---|
9:00〜 | 出勤、申し送り |
9:30〜 |
デイの送り出し 清掃 |
11:30〜 | 昼食準備 |
14:00〜 | 定期巡回、安否確認 |
17:00〜 | 夕食準備 |
18:00〜 | 申し送り、退勤 |
午前は、デイサービスに行かれる方の送り出しや清掃、昼食の準備をします。
午後は、定期巡回で各入居者の居室を訪問し安否確認を行い、生活上の困りごとや心配ごとの相談に乗ります。
基本的には、介護業務は発生しません。
しかし、施設によって1日のスケジュールや仕事内容は違うことがあるので、サ高住への転職を考えている方は、事前に確認すると良いでしょう。
サ高住の平均給料
サ高住の平均給料と介護職全体の平均給料の比較を表にまとめました。
常勤 非常勤 サ高住 312,080円 136,370円 介護職全体 308,930円 112,760円
サ高住の平均給料は、介護職全体平均より上回っています。
平均給料が高い理由として、サ高住の運営に民間企業が多く参入していることが挙げられるでしょう。
その中には、大手の企業も数多くあり、社会福祉法人やNPO法人等が運営する施設より給料が高いと考えられます。
民間企業が運営する施設では、給料以外にも福利厚生が充実している施設も多いです。
転職の際は、福利厚生についても確認すると良いでしょう。
サ高住のきついところ3つ
サ高住の仕事が「きつい」と言われる理由として、主に以下の3つが挙げられます。
- 入居者の要介護度が重度化している
- 苦情を受けることがある
- 夜勤があり生活リズムが乱れやすい
入居者の要介護度が重度化している
基本的にはサ高住の入居者は、自立している方が対象ですが、最近では介護度が重い入居者を受け入れる施設も増えてきています。
施設の特徴を把握しないで転職すると、思っていた仕事内容と違うと後悔し、辞めたいと思ってしまうこともあるでしょう。
苦情を受けることがある
サ高住では、基本的に自立した方が入居する施設なので、ご自身の考えや意向を主張される方も少なくありません。
他の入居者とのトラブルや施設職員の対応などに関して苦情を受けることもあります。
苦情対応は、精神的に負担が大きく、「きつい」と感じるでしょう。
日頃から誠意のある対応を心がけ、苦情が発生しないよう予防に務めることが大切です。
夜勤があり生活リズムが乱れやすい
サ高住の勤務はシフト制のため、勤務形態によっては夜勤もあります。
自立した入居者が多い施設の場合、安否確認が主な業務となり、重度の要介護者を多く受け入れている施設は、おむつ交換や体位交換などの身体介護が多くなります。
重度の方を受け入れている施設の方が、夜勤の負担も大きくなるでしょう。
また、夜勤をすることで生活リズムが乱れることもあり、サ高住の仕事が「きつい」と言われる理由の1つと考えられます。
サ高住のメリット・やりがい3つ
サ高住ではきついことばかりでなく、以下のようなメリットややりがいもあります。
- 身体的な負担が軽くなる
- スキルアップできる
- 入居者に感謝される
以下で詳しく解説します。
身体的な負担が軽くなる
サ高住の場合、身体的な仕事の負担は軽くなります。
入居者の多くが日常生活において自立されているからです。
特養や老健などの介護施設と違い、介護業務がないため負担は少ないでしょう。
しかし、同じサ高住でも施設によって受け入れ対象の幅は幅広いです。
イメージとの相違をなくすためにも、必ず入居者の様子について確認する必要があります。
スキルアップできる
サ高住では、入居者の状態に応じたスキルを身につけることができます。
介護度が高い入居者が多い施設では介護技術を中心に身につけることができ、介護度が低く自立した入居者が多い場合は、接遇スキルやコミュニケーションスキルを身につけることができるでしょう。
自分がどのようなスキルを活かしたり、習得したりしたいかを考えて転職先を考えると良いです。
入居者に感謝される
サ高住での仕事は、入居者から感謝の言葉をいただくことが多くあります。
生活相談に乗ったり、介護することで、入居者の安心した生活につながるからです。
例えば、日常生活上の困りごとや健康に関する心配ごとなどの相談や支援をすることで、入居者から「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることがあります。
感謝の言葉をいただくことで、やりがいにもつながるでしょう。
サ高住に向いている人の特徴4つ
サ高住に転職を考えている人は、自分が向いているのか迷うこともあるでしょう。
以下の4つに該当する方は、サ高住の仕事に向いています。
- 人と接することが好き
- 接遇のスキルが高い
- 介護技術に自信がある
- 施設の周辺情報に詳しい
以下で詳しく解説します。
人と接することが好き
人と接することが好きな人は、楽しく仕事ができるでしょう。
サ高住では、話ができる入居者も多いため、普段から入居者とコミュニケーションを図る機会も多いです。
世間話をして笑い合ったり、困りごとや心配ごとに対して親身に話を聞いたりする場面があります。
話をしたり、聴いたりするなど人と接することが好きな方に向いているでしょう。
接遇のスキルが高い
サ高住では、相手に合わせた丁寧な接遇スキルが求められます。
入居者の中にはさまざまな性格や考えの方がいます。
例えば、畏まった対応を好む方や気を使わない対応を好む方などさまざまです。
相手に合わせた対応ができることで、入居者との信頼関係の構築にもつながります。
接遇に自信があれば、その強みを活かせるでしょう。
介護技術に自信がある
施設によっては、重度の方を受け入れているところもあり、そのような施設の場合、介護技術が求められます。
サ高住の受け入れ対象の範囲は幅広く、自立した人から寝たきりの方まで入居可能なところも増えています。
排泄や入浴等の介護技術に自信がある方は、これまでの経験を活かせるでしょう。
施設の周辺情報に詳しい
施設の周辺情報に詳しいと入居者から頼られる存在になります。
サ高住は、比較的自由に外出することができる施設が多く、入居者から周辺情報について質問されることもあります。
そのときにすぐに答えることができると入居者からの信頼も得られるため、周辺の情報を知っておくと良いでしょう。
サ高住のきついところ・やりがいを理解したうえで転職しよう!
サ高住の主な仕事は、「安否確認」と「生活相談」です。
基本的に自立した方が入居することが多い施設のため、身体介護をする機会は少なく、体の負担は少ないといえるでしょう。
しかし、施設によっては、重度の要介護者を受け入れ、手厚い介護サービスを提供するところもあります。
事前に施設の様子や運営体制等を確認せずに転職すると、「仕事がきつい」「思っていた仕事と違う」と感じてしまうこともあります。
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