訪問介護の時給平均は高い?その理由とさらに時給を上げる方法について解説

訪問介護の時給平均は高い?その理由とさらに時給を上げる方法について解説

訪問介護は、要介護高齢者が住み慣れた地域での暮らしを継続するために日常生活の介護を提供する、需要が多い介護サービスの一つです。

訪問介護の時給は、他の業種の平均より高い傾向があります。

この記事では、訪問介護の時給が実際どれくらいなのか解説します。

さらに時給が高い理由や時給を上げる方法についてもお伝えします。

ぜひ、最後までご覧いただき、訪問介護への就職・転職の参考にしていただければ幸いです。

この記事でわかること

  • 訪問介護の時給平均
  • 給料を上げる方法

こんな人におすすめの記事です

  • 訪問介護の仕事を検討している方
  • 訪問介護の時給平均について知りたい方
目次

訪問介護の時給平均

訪問介護の勤務形態は、正社員・非常勤(パート)・登録の3種類があります。

正社員は月給、非常勤・登録は時給で給料が支給されます。

パートヘルパーは事業所のシフトに合わせて決まった時間に働き、登録ヘルパーは希望する曜日や時間帯を指定して都合のよいときに働く働き方です。

令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると訪問介護の時給平均は、1,663円となっています。

以下に産業別の時給平均をまとめました。

産業別 時給平均
建設業 1,409円
製造業  1,177円
卸売業,小売業 1,137円
金融業,保険業  1,547円
医療,福祉  1,886円
サービス業 1,244円

引用:令和4年賃金構造基本統計調査

産業別で比較しても訪問介護の時給平均は高いことがわかります。

夜勤の訪問介護の場合、時給3,000円という求人もあります。

訪問介護は時給が高い傾向にあるため、効率よく収入を得ることができるでしょう。

訪問介護の給料について以下の記事でも解説していますのでご覧ください。

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訪問介護の時給が高い3つの理由

訪問介護の時給平均が高い理由は、以下の3つが挙げられます。

  • 介護報酬が高く設定されているため
  • リスクが伴うため
  • 人手不足解消のため

以下で詳しく解説します。

介護報酬が高く設定されているため

訪問介護の料金は、介護報酬によって決められています。

サービス提供時間 単位数
(単位)
金額
(単位数×10.14)
身体介護 20分未満 167 1,693円
20分以上30分未満 250 2,535円
30分以上1時間未満 396 4,015円
1時間以上1時間30分未満 579 5,871円
生活援助 20分以上45分未満 183 1,855円
45分以上 225 2,281円

引用:介護給付費単位数等サービスコード表

サービス提供時間により金額は異なりますが、1回のサービス提供により上記の介護報酬が事業所の収入として入ります。

生活援助と身体介護を比較すると、身体介護の方が高く介護報酬が設定されています。

身体介護の報酬単価が高い理由は、利用者の体に直接触れて介護するため、仕事の負担や介護事故のリスクが大きいからです。

実際の求人でも、身体介護と生活援助では身体介護の方が時給が高く、身体介護は1,600〜1,900円くらい、生活援助は1,100〜1,400円くらいのところが多かったです。

介護報酬が高く設定されているため、訪問介護では高い時給の支給が可能になります。

リスクが伴うため

訪問介護は直接利用者宅へ訪問して介護サービスを提供します。

介護に適した環境ばかりではないため、介助中の事故により利用者に怪我を負わせてしまったり、持病を持っている利用者であれば急変したりするリスクもあります。

訪問介護は一人で利用者宅を訪問することが多く、事故や急変が起きた時も訪問したヘルパーが対応することになるでしょう。

このようにサービス提供においてリスクが伴うため、時給が高く設定されています。

人手不足解消のため

訪問介護は人手不足の問題があり、人材を多く集めるために高い時給設定となっています。

厚生労働省によると令和2年度の訪問介護の有効求人倍率は、14.92倍と高い数値となっています。

これは、一人の求職者に対して約15ヶ所の事業所が人材を求めている状況であり、深刻な人手不足な状況と言えるでしょう。

事業所としては、少しでも多くの人材を募集するために時給を高く設定しているのです。

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訪問介護の時給を上げる4つの方法

訪問介護の時給を上げる4つの方法

訪問介護の時給をさらに上げる方法としては、以下の4つがあります。

  • 資格を取得してスキルアップする
  • 正社員で働く
  • キャリアアップを目指す
  • 時給の高い職場へ転職する

以下で詳しく解説します。

資格を取得してスキルアップする

実務者研修や介護福祉士などの資格を取得することで、時給アップが期待できます。

令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果を参考に保有資格別の時給平均を算出したところ、介護職員初任者研修は1,635円、介護福祉士は1,715円でした。

資格を取得することでスキルが評価され、時給を上げることができるでしょう。

正社員で働く

収入を上げる意味では、正社員として働くことも選択肢の一つとして有効でしょう。

正社員の平均給料は314,590円、手取りにすると約267,000円、非正社員の平均給料は93,960円、手取りにすると約80,000円です。

労働時間が違うため、金額に大きな差がありますが、正社員の方が資格手当やボーナスなどが支給され収入アップが期待できるでしょう。

キャリアアップを目指す

サービス提供責任者や管理者へキャリアアップすることで、給料アップが期待できます。

サービス提供責任者は「訪問介護計画書の作成や訪問介護員の教育等をする役職」であり、管理者は「事業所の運営や管理をする責任者」です。

令和3年度介護従事者処遇状況等調査によると、非常勤のサービス提供責任者の平均給料は158,490円であり、それ以外の訪問介護員の平均給料は91,690円となっています。

キャリアアップすることで、高い給料を得ることができると言えるでしょう。

サービス提供責任者になるためには、実務者研修の修了、または介護福祉士の資格取得が条件になります。

さらに経験や実績を積むことで、訪問介護事業所の管理者を目指すことも可能です。

キャリアアップすることで人材育成や運営管理など業務の幅も広がることから、給料アップ以外にも仕事を通して自己成長できるメリットもあります。

時給の高い職場へ転職する

より高い時給で働くためには、時給の高い職場に転職することも有効な方法です。

しかし、転職先を選ぶ上で職場の雰囲気や教育体制なども気になるのではないでしょうか。

時給が高いところに転職できたとしても、訪問スケジュールが過密であったり、教育環境が全く整っていなかったりするなど、実際に働くと「イメージと違っていた」ということにもなりかねません。

そうならないためにも、転職サイトを活用すると良いでしょう。

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訪問介護のやりがいと大変なこと

訪問介護は、利用者とじっくり関われたり、好きな時間に効率よく稼げたり、やりがいの多い仕事です。

しかし、やりがいを感じる一方で大変なこともあります。

以下では、訪問介護のやりがいと大変なことについて解説していきます。

訪問介護のやりがい

訪問介護のやりがいを3つご紹介します。

  • 効率よく稼ぐことができる
  • 好きな時間に働いて稼ぐことができる
  • 利用者と一対一で関わりが持て、やりがいを感じる

訪問介護は、他の業種に比べて時給平均が高い傾向にあります。

そのため、短い時間で効率よく稼げます。

また、登録ヘルパーであれば希望の時間で働くことができ、自由度も高いのが特徴です。

利用者との関わりにおいても一対一でじっくり関われるため、作業的に感じることが少なく、やりがいを感じて働けるでしょう。

訪問介護の大変なこと

訪問介護の大変なことを3つご紹介します。

  • 仕事がないとシフトに入ることができない
  • 1人でケアを行うことが多く、施設介護に比べて責任を大きく感じる
  • 雨や雪など悪天候でも訪問しなければいけないこともある

職場に仕事の希望を伝えても、訪問介護の依頼がないとシフトに入れません。

利用者が多い事業所であれば問題ありませんが、そうでなければ2ヶ所の事業所に登録してダブルワークとして働く方もいます。

実際の援助に入ると、基本的に一人でケアを行います。

利用者の自宅でサービス提供するため、施設介護に比べると無理な要求や不満を言われるケースも少なくありません。

また、介護事故や急変が発生した時は、訪問したヘルパーが対応するため、仕事に慣れるまでプレッシャーを感じるかもしれません。

万が一、そのようなことが起きても慌てずに対応できるように、事前に急変時の対応や訪問介護でできること・できないことを確認しておきましょう。

訪問介護は余程の悪天候でない限り、利用者が希望すれば訪問する必要があります。

車や自転車などで移動する場合は、事故に合わないよう十分注意しましょう。

訪問介護で働き効率よく収入を得よう!

訪問介護は、他の業種に比べ時給平均が高く効率よく稼ぐことができます。

しかも、登録ヘルパーであれば隙間時間や希望の時間に働けるのも魅力的です。

訪問介護の時給が高い理由は、介護報酬が高いことだけでなく、介護事故や急変などのリスクが伴うことや、人手不足の解消のためです。

より時給を上げる方法として、資格を取得してスキルアップしたり、時給の高い職場に転職したりすることが挙げられます。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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