介護職へ転職する際に、志望動機でつまずく方は少なくないでしょう。
介護職には、さまざまな職種や施設・事業所があるため、それぞれの特徴を押さえた志望動機を書くことができれば、例え40歳以上の年齢でも採用担当者に好印象を与えられます。
この記事では、介護職の志望動機の例文をいくつかのパターンや40代、50代、60代と年代別に分けて紹介します。
志望動機を書く際のポイントや、面接を受けるときの注意点についても解説していますので、最後まで読んで転職を成功させましょう。
- 介護職の志望動機を書くときのポイント
- カテゴリ別の志望動機の例文
- 介護職の面接を受けるときの注意点
- 介護職の求人に応募する方
- 履歴書の書き方や面接に関する不安のある方
介護職の履歴書に志望動機を書くときのポイント3つ
志望動機は、求職者の介護への意欲と、施設に合った人材なのかを確認するために行われます。
したがって、以下の3つのポイントを重視しながら、結論から記載していくとよいです。
- ポジティブに書く
- 介護職として働きたい理由を具体的に書く
- 自身の強みをアピールする
それぞれ、確認していきましょう。
ポジティブに書く
転職の理由が、人間関係や処遇面への不満であっても「今後やりたいこと」に焦点を置き、ポジティブな内容にまとめることがポイントです。
また、これまで経験した大変だったことなどを記載する場合にも、それをどう乗り越えたのかをアピールすることで、ポジティブな印象になります。
介護職として働きたい理由を具体的に書く
介護職を目指した理由や、今後していきたいことを明確にしておきましょう。
未経験から介護職に転職する場合、上記は採用担当者がもっとも気になる部分です。
面接の際にもよく聞かれる部分ですので、しっかり答えられるようにしておきましょう。
介護職員として今後取り組んでいきたいことに関しては、未経験であれば、働き方の希望やどのようなポジションを目指すのかを記載するとよいです。
介護経験者の場合には、キャリアアップに関する内容にするとよいでしょう。
ほかにも、なぜ志望施設を希望したのかも、必ず記載しましょう。
自身の強みをアピールする
採用担当者から「採用したい」と思ってもらえる内容にすることが重要なため、自身の強みは必ずアピールしましょう。
未経験者の場合には、いままでの経験をどう活かすか、介護経験者であれば、経歴やスキルなどを記載します。
介護職は、人柄がもっとも重視される職業といっても過言ではありません。
したがって、強みをアピールする際には、人柄もアピールできるエピソードも盛り込むとよいでしょう。
40代以上の方が介護職に転職する強み
40代以上で介護職に就く場合、40代以上だからこその強みを活かせます。
例えば、40代以上は若い方に比べて社会人経験が豊富で、それまでに培ったキャリアがあります。前職までの経験を、介護の仕事で活かせる可能性があります。
一例として、前職で事務職をしていた方は、パソコンの操作に慣れている点や資料作成ができる点などをアピールできます。
また、これまでの豊富な人生経験で培ったコミュニケーション能力や家事スキルなども強みの一つです。利用者の方に接しやすいと感じていただくことは非常に大切です。
前職で接客業をしていた方は、その経験をアピールするとよいでしょう。
介護職はチームプレイです。
40代以上の方は、若手職員や新人職員の教育係を任せられたり、チームリーダーを任せられることもあるでしょう。
これまでの人生経験でマネジメントスキルを培っていれば、その経験も活かせます。
このように、40代以上だからこそ持つスキルやキャリアが、介護職に転職する際の強みといえます。
志望動機が思いつかないときの対処方法
志望動機が思いつかない原因として、自己分析や志望施設の理解が足りていない可能性が考えられます。
自己分析が足りていないと、介護職として働きたい理由や、介護職員としてなにがしたいのか、などが明確に思いつきません。
また、志望施設の分析が足りていなければ、施設がどのような人材の採用を希望しているのかが理解できません。
施設の分析をする際には、施設の経営理念やホームページの雰囲気などに目を通しておくとよいでしょう。実際に施設見学をするのもおすすめです。
複数の施設に履歴書を提出する際でも、志望動機は使いまわさず、必ずひとつずつ作成しましょう。
【パターン別】介護職の志望動機の例文7選
介護業界にはいくつかの職種があるため、ここではパターン別に例文を紹介していきます。
未経験で介護士に応募するときの志望動機
未経験で介護士に応募するときの志望動機には、介護士を目指したきっかけや、自身の長所、経験をどう活かしていくのかを具体的に記載することで、個別性のある文章にできます。
また、資格取得の意思をアピールすることで、介護士への熱意を伝えられるでしょう。
未経験の場合、新卒よりも中途採用のほうが、志望動機に関して具体的に聞かれる傾向にあります。
未経験で介護士に応募するときの志望動機の例文
私が介護士を目指すきっかけとなったのは、祖母が利用していた訪問介護の介護士が、祖母に寄り添ってくれる姿を間近で見ていたことです。
資格取得支援や施設内研修に力を入れている点に惹かれ、貴社を志望しました。入社後は、前職の接客業で培った接遇マナーを活かし、介護士としてのキャリアを積んでいきたいと思っています。
40代がキャリアアップのために転職するときの志望動機
40代以上の介護経験者が転職するときには、キャリアアップを目指したい熱意や、介護経験から得たスキルをどう活かすかを盛り込むとよいです。
40代がキャリアアップのために転職するときの志望動機の例文
前職では10年間、グループホームで介護福祉士として勤務し、身体介護や医療的ケア、認知症介護に関する理解を深めてきました。
今後は、認定介護福祉士の取得や役職を目指し、若手の育成に励みたいと思っております。
貴社を志望した理由は、働きながらキャリアアップを目指せる環境が整っている点に魅力を感じたからです。介護士としての知識をさらに身につけ、貴社に貢献していきます。
訪問介護から介護施設へ転職するときの志望動機
訪問介護からの転職のときは、訪問介護での経験を介護施設でどう活かすかをアピールしましょう。また、介護施設の理念や特徴をしっかりと捉えることも重要です。
訪問介護から介護施設へ転職するときの志望動機の例文
前職では5年間、訪問介護士として勤務し、高齢者の自宅での生活をサポートしてきました。今後は、訪問介護で得た経験や知識を活かし、施設から在宅復帰をする利用者様のサポートをしていきたいと考えるようになりました。貴社の施設理念にあるように、利用者やその家族に寄り添った介護をしたいと思っております。
派遣から正社員を目指すときの志望動機
派遣から正社員を目指すときには、正社員としてキャリアアップを目指したい旨や、派遣先で得たスキル、志望施設だからこそ働きたいといった熱意をアピールしましょう。
派遣から正社員を目指すときの志望動機の例文
前職では5年間、派遣社員として、身体介護を中心に入所型施設で勤務しておりました。
派遣社員にはさまざまな方と出会えるやりがいがありましたが、関われる業務の範囲が限られていることにもどかしさを感じていました。貴社は、夜勤業務や施設内勉強会などを実施しており、介護士としてのキャリアアップを目指せると思い応募いたしました。前職で培った経験とコミュニケーションスキルを活かして、貴社に貢献していきます。
介護業界での転職回数が多いときの志望動機
転職回数が多いときには、転職の中で得られた経験をポジティブに記載していきましょう。
介護業界での転職回数が多いときの志望動機の例文
私はこれまで介護士として4か所の入所施設や訪問介護を経験し、さまざまな視点から介護士の役割を学んできました。
今後は、これまで学んだことを活かし、貴社の施設理念にある「利用者様の立場に立った介護」をしていきたいと思い、貴社を応募いたしました。
ブランクがあるときの志望動機
ブランクがあるときには、ブランクの理由や、その期間になにをしていたのかを記載しましょう。
ブランクがあるときの志望動機の例文
私は以前、介護福祉士として3年間特別養護老人ホームに勤務していました。妊娠を機に前職を辞めましたが、育児が落ち着いたため、もう一度介護士として働きたいと思い、復職を決めました。
介護の仕事にはやりがいを感じておりましたので、育児で得た観察力を活かし、できる限り長く仕事を続けて行きたいと思っております。
ケアマネ未経験の志望動機
ケアマネや生活相談員未経験者が志望動機を書くときには、ケアマネや生活相談員を目指したきっかけや、仕事に対する熱意をアピールできる内容を盛り込みましょう。
ケアマネ未経験の志望動機の例文
前職では介護福祉士として10年間、特別養護老人ホームに勤務しておりましたが、利用者様によりよい介護サービスを提供するために、自身でケアプランを作成したいと思い、ケアマネージャーの資格を取得いたしました。
ケアマネージャーは未経験ですが、これまでの経験を活かしながら、利用者様やそのご家族に信頼してもらえるケアマネージャーになれるよう、貴社で頑張っていきたいと思います。
生活相談員の志望動機
生活相談員の資格要件は各自治体によって異なるため、未経験であっても求人を募集している施設もあります。
生活相談員が未経験の場合には、生活相談員を目指すきっかけや今後の志について、より具体的に記載すると、好印象につながるでしょう。
生活相談員の志望動機の例文
私は、介護福祉士として10年間、特別養護老人ホームに勤めておりましたが、利用者様やご家族の悩みにより寄り添いたいと思い、生活相談員を目指しました。
昨年、社会福祉士の資格を取得したばかりですが、介護福祉士として培った現場での経験を活かし、利用者様やご家族から信頼される生活相談員を目指したいと思っています。
【各年代別】志望動機の例文
年代ごとに、志望動機のアピールポイントや書き方は違います。そこでここからは、40代・50代・60代それぞれの志望動機の例文をご紹介します。
40代の志望動機の例
私は前職で高齢者向けの配食サービスをしていました。
仕事を通して「より高齢者の方の近くで、寄り添った支援がしたい」と考えるようになり、介護職を志望しました。
貴社では食事に力を入れていることを知り、食事を通して高齢者を元気にするスタッフの一員になりたいと思いました。
前職での経験を活かしつつ、質の高いケアを提供できるように努めてまいります。
50代の志望動機の例
私の母は数年前から介護が必要になりました。
母を親身に介護してくださる職員の方の姿を見て、私も同じように誰かの役に立ちたいと感じ、転職を決意しました。
私はこれまで、接客業に数十年間従事しておりました。
前職で培ったコミュニケーションスキルを活かしつつ、介護職のスキルを学ぶことで多くの利用者様をサポートできるように努めてまいります。
60代の志望動機の例
私は昨年、数十年勤めた会社を定年退職しましたが、健康状態は良好でまだまだ働ける体力があります。
貴社では、同年代の方が活躍されている点に魅力を感じました。
そのため、これからの人生のセカンドキャリアとして、貴社での介護職を希望いたしました。
過去に介護職の経験はありませんが、1日でも早く戦力になれればと介護職員初任者研修に取り組んでいます。
これまでのキャリアで培ったコミュニケーションスキルと、マネジメントスキルを活かし、利用者様と職員の方々の力になれるように努めてまいります。
介護職の面接を受けるときの注意点
介護職の面接を受けるときには、以下の3点を意識しましょう。
- 履歴書に書いた志望動機の内容と一致させる
- 言葉遣いに注意する
- 面接官との対話を意識する
面接の際に、履歴書に書いた志望動機の内容と異なった志望動機を答えてしまうと、印象が悪くなってしまいます。
面接になると、緊張して志望動機の内容を忘れてしまうこともあるため、繰り返し読んで、しっかりと覚えておきましょう。
また、介護職は接遇やコミュニケーションスキルが非常に重視されます。
「言葉遣いが悪い」「対話を意識せず一方的に話してしまう」などは、悪い印象を与えてしまうため、注意しなければなりません。
志望動機のポイントを押さえて40歳からでも介護職へ転職しよう！
介護職の志望動機は、自身の強みや人柄をアピールできるかどうかが重要です。
ポイントさえ押さえれば、採用担当者の印象に残る志望動機を書くこともできます。
志望動機の内容を一人で考えるのが難しい場合には、専門のアドバイザーが転職までの道のりをサポートしてくれるカイゴLINKのエージェントがおすすめです。
40代からの転職！役立つ記事をご紹介します
40代で新たな職場にチャレンジする場合、その業界の将来性など今後を見据えて就職活動を行いたいでしょう。
そんな方には介護業界の今後の見通しに関する以下の記事もオススメです。
40代になってくるとどうしても転職回収が多くなっておられる方も多いでしょう。そんな方には以下のコラムもおススメです。
また志望動機に関するコラムは以下からもご確認頂けます。
