これから介護業界にチャレンジする方やキャリアアップを目指す方の中には、資格取得を考えている方も多いでしょう。
また、ヘルパーの仕事にブランクがあり、改めて資格を取る必要性を考えている方も多いのではないでしょうか。
事実、ヘルパーや介護士として働く上で資格取得は、スキルの証明やキャリアアップのためにとても重要なことです。
しかし、介護の資格取得を考えた際に多くの方が気になるのが、取得や受講にかかる費用ではないでしょうか。
介護業界の待遇は改善してきているとはいえ、まだまだ良いとはいえない状況です。
できれば資格取得の費用は最小限に抑えたいのが本音だと思います。
そこでこの記事では、ヘルパーや介護士が取得を目指す資格の費用相場と、費用を抑える方法について解説します。
この記事でわかること
- ヘルパーの資格の種類と費用の相場
- ヘルパーの資格を無料で取得する方法
- ヘルパーの資格の取り方
こんな人におすすめの記事です
- ヘルパーの資格取得を検討している方
- ヘルパーの資格取得にかかる費用の相場を知りたい方
ヘルパーの資格の種類
まず前提として、「ヘルパー」や「介護士」という名称は、介護業界に従事する方の総称のようなものです。
つまり、「ヘルパー」という資格自体は存在せず、介護の仕事をした時点で、資格なしでもヘルパーを名乗れるということです。
少しややこしいところですが、この記事で解説する「ヘルパーの資格」とは、「介護業界で役立つ資格」という認識でお伝えします。
そんなヘルパーの資格の数は非常に多く、22種類以上あるとも言われます。
中でも一般的にヘルパーと呼ばれる方にとって、メジャーな資格は以下の4つです。
- 生活援助従事者研修
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
- 介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)
- 介護福祉士
上から下にかけて上位資格となり、携われる業務が増え、取得難度も高くなります。
そして、最も上位資格の介護福祉士のみが国家資格で、他の3つは公的資格です。
「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)は国家資格ですか?」という質問をよく見受けますが、介護資格のなかで国家資格に当たるのは介護福祉士のみです。
ヘルパーの資格については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
ヘルパーの資格を取るための費用
先述したように、ヘルパーが取得を目指す代表的な資格は以下の4つです。
- 生活援助従事者研修
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
- 介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)
- 介護福祉士
これら4つの資格の概要と、取得するための費用の相場を1つずつ解説します。
生活援助従事者研修
生活援助従事者研修は、介護業務の中の生活援助サービスを専門に行う人材の確保を目的に、2018年に新設された研修です。
この研修の修了では、利用者の体に直接触れる身体介助はできません。
身体介助の内容を含まない分、合計59時間、約2週間という短い期間で修了できる点が魅力的な研修です。
また、16歳以上でないと取得できない資格が多い中、こちらは年齢制限が無いため、幅広い方が修了しやすい特徴があります。
費用の相場は5千〜3万円と、幅はあるものの比較的安価に取得できます。
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護職として働く上で必要になる、基本的な知識や技術を習得できる研修です。
2013年に廃止されたヘルパー2級に置き換わる形で新設されました。
ヘルパー2級を持っている方はあえて取り直さなくとも、同等の介護技術を証明できます。
介護職員初任者研修については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
取得にかかる費用の相場は5〜10万円で、安いところでは3万円台のスクールもあるようです。
また、ハローワークでの職業訓練の対象でもあり、費用を抑えることも可能です。
介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)
介護福祉士実務者研修は、介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士を受験するために、修了が必要になる研修です。
また、この研修自体も介護スキルアップに繋がり、修了したことはスキルの証明になります。
無資格の方は、450時間(最短約6ヶ月)のカリキュラムの受講が必要で、費用の相場は、7〜20万円です。
ただし、下位資格に当たる生活援助従事者研修や、初任者研修、ヘルパー2級などを持っている方は、カリキュラムの一部が免除されます。
カリキュラムの免除に伴い、最短2ヶ月程度で修了ができ、費用も割り引かれるスクールが多いようです。
介護福祉士実務者研修についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事からご確認ください。
介護福祉士
介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。
こちらは研修ではなく資格になるため、取得するためには受験要件を満たす必要があります。
介護福祉士の受験要件については以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士の取得方法は幅広く、各取得ルートで費用も大きく変わります。
代表的な取得方法と、費用相場を以下の表にまとめました。
取得ルート | 費用相場 |
---|---|
実務経験ルート |
下記2つを足した金額
初任者研修代:5〜10万円 |
福祉系高校ルート |
公立:年間50万円×3年=150万円 私立:年間100万円×3年=300万円 |
養成学校ルート | 2年制:100〜200万円 |
※全ての受験ルートにおいて、受験手数料と資格登録手数料が別途かかります。
資格取得の費用が一律ではない理由
各資格の取得にかかる費用相場にはかなりの開きがありますが、その費用の差は主に立地やサポート内容によって生じています。
スクールも家賃を払って教室を構える必要があるため、都内や駅近などは講座費用も高く設定しています。
実際に同じ企業における初任者研修のスクールでも、東京では4万円代、大阪では3万円代という差がありました。
立地以外の原因として、サポート内容の違いが挙げられます。
研修内容が変わることはありませんが、振替受講の無料サポートや、就職のサポートなどの有無で受講費用に差が生まれます。
ヘルパーの資格は無料で取得できる?
ヘルパーの資格の中には、各種制度を利用することで無料で取得できるものもあります。
無料で資格を取得する代表的な方法として以下の4つが挙げられます。
- 介護資格スクールの無料キャンペーン
- 施設や事業所の資格支援制度
- 各自治体の助成金制度
- ハローワークの職業訓練
特に、介護の入門的資格に当たる介護職員初任者研修は、無料で受けられる制度がたくさんあります。
状況によって使える制度が変わるため、詳しく調べてみましょう。
介護職員初任者研修を無料で取得する方法は以下の記事で詳しく解説しています。
ただし、介護福祉士に関しては、受験手数料や資格登録手数料などがかかるため、原則無料での取得はできません。
ヘルパーの資格の取り方
ヘルパーの資格の取り方は、資格の種類によって様々です。
受講のみのものもあれば、受験が必要なものもあります。
また、通信教育でカリキュラムを受講できる場合もありますので、取得したい資格と自分の状況を考え、適切な取得方法を選びましょう。
ヘルパーの資格の取り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
ヘルパーの資格に関するよくある質問
ヘルパーの資格に関するよくある2つの質問に対して、以下で答えます。
ヘルパーの資格は働きながら取得できる?
ヘルパーの資格は、いずれも働きながらの取得が可能です。
各種講座を開いているスクールでは、夜間の受講や土日の受講、振替での受講が可能な場合が多いです。
ただし、こういったサポートが手厚いスクールは比較的高額になる傾向にあります。
また、日々の業務での疲労もある中で、少なからず自学の時間を確保する必要があります。
時間や費用に余裕のある方は、無理に短期での取得を目指さずに、自分のペースで受講することが、働きながら資格を取得するポイントです。
やや難易度の高い、介護福祉士を働きながら取得する方法については、以下の記事で解説しています。
ヘルパー1級や2級は持っていても意味がない?
ヘルパー1級や2級は2013年に廃止された資格ですが、現在も履歴書に記載でき、介護の技術や知識を証明することができます。
ヘルパー2級は初任者研修と同等、ヘルパー1級は実務者研修と同等の介護スキルを持っているとされます。
ただし、介護福祉士の受験要件にはならないため、改めて実務者研修の修了が必要になる点には注意が必要です。
資格を取得してヘルパーとして働こう!
介護業界で活躍するためには、資格の取得は非常に重要です。
働きながらの取得も可能なので、どんどん上位資格を取得してキャリアアップを目指しましょう。
また、職場によっては資格取得の費用を負担してくれる、資格支援制度を導入している場合があります。
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