初任者研修を取得すると給与は増えるのか?資格取得によって給与が増えるかどうか気になっている方もいるでしょう。
取得するメリットが詳しくわかれば、資格を取得するかどうかの参考になると思います。
初任者研修を取得しようか迷ってる方の参考になる記事になっています。ぜひご一読ください。
- 初任者研修の給与
- 初任者研修を取得するメリット
- 給与をアップしたいと思っている方
- 初任者研修の取得を考えている方
介護職員初任者研修って何?
介護職員初任者研修とはホームヘルパー2級の後続資格で、介護の基礎から応用までを学ぶことができる資格です。
初任者研修を取得していれば介護職としてすぐに働き始めることができます。
介護職として働く方はもちろん、サービス業で働く方や、家族介護にも役立つ研修です。
取得するには研修の受講が必須となり、毎日受講することで短期間の取得を目指すコースや、週1回の受講で働きながらでも取得できるコースなどがあります。
ご自身の都合に合わせた期間での取得が可能です。
初任者研修について詳しく解説している記事もあるので、あわせてご覧ください。
介護職員初任者研修を取得すると給与はあがる?
初任者研修の取得は基本的に有料となります。せっかくお金をかけて資格を取得したのに、資格を持っていることのメリットが少ないと取得する必要性を感じませんよね。
特に給与があがるかどうかというのは、取得前に知りたいポイントです。
ここでは無資格者と初任者研修取得者の収入の違いを確認していきましょう。
無資格者と給与・年収を比較
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果では保有資格ごとの平均給与を確認することができます。
無資格者と初任者研修を取得している介護職の給与平均月給を比べてみると、31,560円の差があり、初任者研修を取得している方が給与額が高いことが分かります。
初任者研修を取得している人は無資格の人より月収が約3万、年収で約38万多い収入になっていることがわかります。
この結果は平均であり施設によって給与額の設定は異なるため、施設で就業してる方は資格手当や給与設定について確認することをおすすめします。
初任者研修の資格は相場が3万円~8万円と幅広くなっていますが、資格の取得後1年間勤務をすれば支払った研修代以上の収入となる可能性が高いと考えられます。
総支給と手取り
初任者研修を取得している場合の、種別ごとの平均給与額も確認していきましょう。
一般的な社会人の手取り金額は額面給与の約70〜80%になるため、手取り給与額も併せて記載します。
あくまでも目安にはなりますが、現在のご自身の給与と比較してみてはいかがでしょうか。
どの種別においても無資格者と初任者研修取得者では、資格取得をしているほうが給与が高くなっています。
ただし、訪問介護事業所では初任者研修以上の資格を取得してることが就業するための条件となっているため上記には含まれません。
介護従事者処遇状況等調査結果では、資格を複数取得している際は複数回答として集計を取っているようです。
ですので介護福祉士と実務者研修と初任者研修の3資格を取得していて、介護福祉士として就業中の方の月収が平均給与の算出に使用されている場合があります。
いずれにしても無資格者より有資格者のほうが給与が高くなることは確実であるため、初任者研修の取得をおすすめします。
介護職員初任者研修で給与アップしても足りない…そんなときは
夜勤のある施設で働く
就業先の勤務時間が日勤帯のみである介護施設の場合、夜勤がある施設で働くことで給与アップを望めます。
夜勤手当の相場は5,000円程度で、高い施設だと10,000円近い額が手当として支給されます。
夜勤は月5回程度でシフトが設定されている場合が多く、月額では25,000円程度の給与アップに繋がるでしょう。
夜間帯の勤務は少ない人数で行うことが多く、心身共に疲労感を強く感じる方もいると思いますが、すぐにでも給与アップをしたいという方で夜勤業務をしていない方は、検討してみてはいかがでしょうか?
実務者研修を取得する
初任者研修の上位資格である介護福祉士実務者研修を取得することで、更に給与アップを目指すこともおすすめです。
施設によっては初任者研修と実務者研修で基本給の設定や資格手当の設定が異なります。
また、実務経験が3年以上ある場合は介護福祉士の受験資格が得られるため、更なる上位資格の取得に挑戦することができます。
現在、初任者研修も取得をしておらず実務経験がある方は、実務者研修の受講からスタートしてもいいかもしれません。
なるべく時間と費用をかけずに給与をアップしたい方は、初任者研修の受講をスキップするというのも方法の一つです。
資格手当が手厚い求人を探す
資格を取得していることで手当がつく求人があると、資格取得のモチベーションもあがりますよね。
求人には総支給額と給与詳細が記載されていますが、資格手当は給与詳細に書かれているため応募の前に確認をしましょう。
今持っている資格に手当てがつくのか、これから取得する資格に手当がつくのかを事前に知っておいて損はありません。
求人ページにどの資格に手当がつくのかや金額が書かれていない場合もありますよね。
応募をすれば面接で確認ができると思いますが、応募の前に条件を知りたいという方も多いのではないでしょうか?
そんなときは気になる求人に匿名で質問のできるカイゴLINKを活用しましょう。
応募前に気になるポイントを解消することで、希望の求人へ効率よく応募ができます。
役職に就く
今働いている施設で給与をアップしたい場合、管理職などの役職に就くことも方法の一つです。
仕事の責任が大きくなりますが、通常の介護職よりも高い給与が支給されます。
管理職の平均月給は356,570円、管理職ではない職員平均月給は308,070円と、5万円近く差があります。
管理職の仕事内容は、通常の介護業務に加えて、介護職員の教育・指導、利用者の相談対応、シフト管理、収支管理などがあります。
利用者とそのご家族から話を伺って問題を解決したり、人間関係で悩む職員のフォローを行ったりと、コミュニケーション能力を求められる場面は多いでしょう。
しかし、管理職は自分がなりたいと思ったからといってすぐに就ける仕事ではありません。
介護に関する知識や技術が身に付いていることが当然求められ、上司や同僚からの評価も高い職員が管理職になる場合が多いです。
管理職になるには日々の仕事ぶりが大きく影響するため、管理職を目指したい方は自分の上司の仕事内容やコミュニケーションの方法などを見て学んでいきましょう。
副業をする
介護職で収入アップをすることが難しいと思う方は、副業をすることも一つの手段です。
その際は、就業規則を予め確認しておきましょう。
副業が許可されている就業先であれば、他の介護施設でダブルワークをすることや、自分の趣味や特技を活かして収入源とすることができるでしょう。
就業先で副業が禁止されていても「バレないように働きたい」と希望される方がいますが、バレる可能性が高いのでおすすめはしません。
副業を行う場合は就業先の施設に許可を取って行いましょう。
介護職員初任者研修はお金をかけて取る必要がないって本当?
「資格は持ってても意味ないよ」「初任者研修はあってもなくても変わらない」なんてことを言われた経験があるから、資格取得をしようか悩んでいるという人もいるかもしれません。
こればかりは個人の価値観が強くでてしまうところにも感じます。
私も実際、資格をもっているかどうかよりも仕事ができるかどうかの方が重要だと言われた経験があります。
しかし、持っていないことにはデメリットが多いですが、持っていることでデメリットは発生しないと考えています。
未経験なら「勉強してきた証明」になる
同じ未経験者であるなら、資格を持っていることが介護の基本的な知識を勉強してきたことの証明になります。
まったく知識が無い状態で現場の仕事を行うのと、知識がある状態で現場の仕事を行うのとでは気づきの視点が変わります。
介護の現場は、対人の仕事ということもあって全てが勉強した通りにいかないことが多いです。
しかし基礎知識があることで応用に結びつきやすくなりますし、先輩の指導も理解しやすくなります。
介護業務には専門用語も多いため、初任者研修での勉強がないまま現場の仕事を行うと、用語を覚えるところから始めなくてはいけなくなる可能性も高いです。
経験者なら「信頼の証明」になる
介護の経験があるなら、資格を持っていることが介護職としての信頼の証明になります。
ご自身が介護を受ける立場であったり、ご家族が介護サービスを利用する場合、無資格の方よりも資格を持っている方にお願いしたいという心理はあるのではないでしょうか?
また現場の経験が長い方で介護技術を持ち合わせていても、介護・福祉サービスの理解と医療の連携や介護における尊厳の保持の視点は欠けているというケースも稀に見られます。
資格の取得は他者に対する証明になるうえに、自分の技術や知識がどの程度あるのかを振り返るきっかけにもなるでしょう。
では初任者研修を取得するメリットをより具体的に説明していきましょう。
介護職員初任者研修を取得するメリット
給与を上げる以外にも初任者研修を取得するメリットはあります。
初任者研修は介護職のキャリアパスにおける入門的な位置づけにある資格のため、介護職として長く勤めたいと考えている方は取得しておいて困ることはありません。
給与が上がることの他にメリットになる内容を説明していきましょう。
仕事の幅が広がる
無資格の場合と初任者研修を取得している場合では、働くことのできる種別に差がうまれます。
訪問介護事業所で就業する場合、必ず初任者研修以上の資格を取得している必要があるからです。
訪問介護事業者は、利用者のご自宅に訪問をして介護を行う場合が想定されていますが、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で訪問介護を利用して介護サービスを提供している場合、無資格者の採用を行っていません。
自分が働きたいと思った施設が無資格者の募集を行っていない場合、希望しない求人へ応募するしかなくなってしまいますよね。
選択肢の幅を狭めないためにも、初任者研修の取得は介護職を続けるうえで、なるべく早めに取得するべき資格です。
転職で有利になる
資格を持っていれば転職時に有利になります。初任者研修は介護職の入口となる資格でもあるため、保有している職員は多いです。
令和4年度介護実態調査では保有資格は介護福祉士が52.6%で最も多く、初任者研修が35.5%と次いで多くなっています。
資格を持っていることは介護の基礎的な知識があるという証明となり、介護職としてキャリアパスの1段階目にいることも分かります。
採用側としては、今後実務者研修や介護福祉士を取得する見込みがあり、実務経験もあるとなれば即戦力として欲しい人材です。
私がキャリアアドバイザーをしていたときは、採用側は実務経験はあるが資格を保有していない場合の理由を気にされる場合が多かったように感じます。
資格を取れない・取らない理由は人それぞれだとは思いますが、採用側の目線としては「介護に興味が無いのか」「長く働いてくつもりは無いのか」「資格をとることの優先順位が低い人」という印象を受けるようです。
また2024年4月以降、無資格で介護職に就業する場合は認知症介護基礎研修の受講が義務付けられています。この研修は初任者研修を修了していれば受講不要です。
採用先でも研修に掛かる費用は調整が不要になるため、初任者研修を修了していることは採用側にはメリットしかありません。
令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書(P.104)|公益財団法人 介護労働安定センター
実務者研修の受講時間が短くなる
初任者研修を修了していると、実務者研修の受講時間が短くなります。国家資格である介護福祉士の取得を考えている方で、専門学校や大学で必修課程を履修していない場合は、約3年の実務経験と実務者研修の修了が介護福祉士の受験資格となります。
その場合、初任者研修を修了していると130時間分の受講時間が免除となります。トータルの受講時間は320時間で、受講期間の目安は4か月程度になります。
講座によっては初任者研修を修了していると、受講費用が割引になる講座もあるためお得です。
未経験の方であれば今のうちに初任者研修を取得し、実務経験を積むとともに介護福祉士の受験タイミングにあわせて実務者研修の受講をするルートがおすすめです。
介護福祉士の受験には介護施設で所定日数の実務経験が必要となるため、実務者研修は働きながら取得するという方が多いです。
受講時間が短くなることで職場のシフトの調整がしやすくなる、プライベートの時間も取りやすくなるため、負担を少なく資格を取得したい方は計画を立てて初任者研修から資格取得をすることをおすすめします。
まとめ
介護職員初任者研修は介護の基礎的な知識と技術が身に付く入門資格です。
介護の資格は持っていても意味がないと言う人もいますが、全くそのようなことはありません。
介護は専門的な仕事であり、そのため資格を持っていることで資格手当がつく、給与がアップするという施設も多いです。
転職の際にも、応募できる求人の幅が広がり、採用選考ではこれまでの経験+資格保有者ということ加味さるため有利に働きます。
介護職員初任者研修を取得して働きたい、給与アップのために転職をしたいと考えている方はカイゴLINKを利用して求人検索をしてみてはいかがでしょうか?
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