スマート介護士と聞いてどんな資格か説明ができる方は、どのくらいいるでしょうか?
「スマート」と聞くと「スマートフォン」「スマート家電」などが思い浮かぶかもしれません。
このスマート(Smart)とは「賢い」「高性能」といった意味を持ち、IoT(Internet of Thing/モノのインターネット)が広まる中で普及した言葉です。
「スマート〇〇」の普及は、私たちの生活を便利にしてくれていますよね。
ではスマート介護士とは、どのような資格なのでしょうか。
資格の内容や、資格を取得することでどのようなメリットがあるのかなどを詳しく説明していきましょう。
- スマート介護士について
- スマート介護士の試験について
- スマート介護士の資格の取得を考えている人
- 資格を取得でキャリアアップを目指している人
スマート介護士とは
スマート介護士とは、介護現場でのテクノロジー(ケアテック)や介護のデジタル化(デジタルトランスフォーメーション/介護DX)に関する正しい知識を身につけ、介護の質の向上と業務の効率化を成し遂げる実現力を備えた介護職員のことを言います。
介護業界においても、データ、AI、IoTなどのテクノロジーを活用し、介護業務の質を向上させたり、効率化を目指す動きが見られ始めています。
しかし、ケアテックやDXについて知識が不十分であったり、実際に使用したことがないとなると、どのようにテクノロジーを使用することで介護や介護にかかわる仕事が便利で快適になるのかがわかりませんよね?
スマート介護士資格を取得すれば、介護ロボットや介護センサー等を活用しながら介護現場の質の向上・効率化が図れる介護士であると証明することができます。
またケアテックや介護DXについて全く知らない方であっても、スマート介護士の勉強を行うことで、最先端の技術や介護現場で実際に使用されているテクノロジーについて学ぶことが可能です。
2024年の試験はいつ?受験方法は?
2024年のスマート介護士試験は8月25日(日)に実施されます。
試験はオンライン受験かつ自宅で受験が可能です。
申込締め切りも8月21日までと、直前まで受け付けています。
実施の等級は2つあります。
- スマート介護士Basic
- スマート介護士Expert
また Basic / Expert を併願受験することも可能です。
試験は大きく2部構成に分けられています。
- スマート介護士Basic
- 前半試験は選択式問題が40問。
試験時間中はテキスト・Web検索・ChatGPT等のAI活用が禁止となっています。 - スマート介護士Expert
- 後半試験は記述式問題が2問。
試験時間中はテキスト・Web検索・ChatGPT等のAI活用が可能となっています。
AIやテクノロジーをどのように活用できているかを確認する試験でもあるようですね。
試験内容と難易度
入門編として、24時間365日受験可能な、スマート介護士資格Starterの試験が費用無料で受験できます。
スマート介護士資格試験のためのスターターガイドと試験準備|スマート介護士資格試験_Starter
全部で14問の試験で所要時間は20分。
好きな時に受験ができるため気軽さがありますね。
私も実際に行ってみたところ、14問中12問正解で合格でした。
介護業界について勉強をしていたり、働いたりしている方であれば難易度は低めのように感じました。
しかし、ケアテックに関する問題や、仕事を効率化させるために必要な考え方や技術を問う問題もあるため、普段からインターネットやパソコンに対して苦手を感じていたり、新しい機械の導入に抵抗感があったりする方は苦戦する問題もあるかもしれません。
しっかりと勉強をしていれば合格できる試験という印象を受けました。
スマート介護士Basicやスマート介護士 Expertも模擬試験の問題が公開されています。
スマート介護士Basicの模擬試験を受けてみたところ、前半試験は30問中27問、後半試験は3問中正解なしとなりました。
後半試験は自由記述であるため、解説を確認する限り、実際の試験では正答となりえそうな解答だったものもありました。
やはり実際のケアテックの問題や、介護ロボットの名前などは、テキストを用いて勉強をする必要があるという印象を受けました。
受験を検討している方は、一度模擬試験にトライし、その後どちらの試験を受験するのか、自分にはどの程度の勉強が必要か等を判断してみてもいいでしょう。
合格率
合格率については現状公式ホームページから発表はされていません。
ただし、試験内容に即したテキストでの勉強が可能であること、前半は選択式の問題、後半は記述式ではありますが、Web検索・ChatGPT等のAI活用が可能であるため、事前学習をしっかりと行えば合格できる試験内容だと思います。
スマート介護士Expertの次のステップとして、スマート介護士Professionalの試験の第一回も実施されています。
第2回目は開催未定となっていますが、実習も含む試験でありより専門的な知識を学べる試験内容になっているようです。
スマート介護士のメリット
メリット
スマート介護士を受験することで、ケアテックや介護DXに関する正しい知識を身に付けることができます。
例えば、介護ロボットや見守りセンサーの活用といった直接的に介護に関わるテクノロジーを、利用者の生活のために正しく導入することができるでしょう。
また、職員のシフト管理や、利用者の情報共有など、これまでアナログで行っていた煩雑化した業務をデジタル化することで、介護に費やす時間を確保できるようになるでしょう。
これらのテクノロジー技術を効果的に使用するには、介護に役立つ情報技術やテクノロジーがあり、それらをどうやって使用すると効果的であるのかを、介護士が理解している必要があります。
スマート介護士の資格を取得していれば、新しい機器や設備を導入したり、ケアテックによるデータを利用・活用したりする場面で、学んだ内容を活かせる機会があることでしょう。
デメリット
この資格を取得する大きなデメリットはありません。
ただし、人によってはスマート介護士の試験で取り扱う内容を既に理解し、現場で活用している場合もあるでしょう。
その場合、新しい知識を得る機会にはならないため、時間の無駄・受験費用の無駄と思う方も居るかもしれません。
現状ではスマート介護士の資格を所有していたとしても、処遇改善加算や資格手当が別途支給される求人はないといえるため、給与アップのために資格取得を検討している場合は、スマート介護士の資格ではなく、初任者研修や実務者研修、介護福祉士といった資格がおすすめです。
スマート介護士の評判は?
スマート介護士の資格を保有し、スマート介護士であることが直接の評判に繋がることは少ないでしょう。
しかし、介護現場では現場オペレーションの改善や、介護職員の負担軽減のため、介護ロボットが導入されたり、介護記録をタブレット端末で随時記入してリアルタイムで共有ができるようにするなど、介護DXがどんどん進んでいる印象を受けます。
そのような現場では、新しい機器の導入や操作方法に抵抗を示す方がいたり、導入をしてみたが上手く活用できていない・活用の仕方がわからないという場面でもスマート介護士を取得していれば、介護職員へのアドバイスや、新しいケアテックの導入について提案することができるようになるでしょう。
スマート介護士を取得していれば、介護職員へのアドバイスや、新しいケアテックの導入について提案することができるようになるでしょう。
超高齢化社会や、介護従事者が不足していることから、介護現場には積極的にケアテックを組み込んだサービスが提供されるようになってきています。
将来的に考えても、スマート介護士は価値の高い資格になるといえるでしょう。
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スマート介護士を生かせる仕事
介護現場のテクノロジー化は日々進んでいます。
スマート介護士を取得する上で学ぶ内容は、どのような事業所であっても必ず役に立つことは間違いありません。
ケアテックといっても、利用者の生活改善のために情報を蓄積・収集し、そこから得られた情報を元に新しい支援を考えることであったり、介護士の業務負担を減らすために導入されるシステムであったり、その内容は多岐にわたります。
またこれからも、介護と関わりのあるテクノロジーは増えていくことが予想されます。
どの職場や職種で勤務するとしても、スマート介護士の知識や視点は、これからの介護に重要になってくることでしょう。
まとめ
最先端の技術を駆使して、介護の質と生産性を向上させられる介護士として、スマート介護士の内容と資格についてご案内してきました。
今働いている職場には、ケアテックが導入されていますか?
また導入されているとして、上手に活用はできているでしょうか?
少しでも疑問に思う方は、一度スマート介護士の受講をしてみてはいかがでしょう。
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