介護士として働いている方は「介護職員初任者研修」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
特に無資格で介護の仕事をしている場合は、勤務先から取得を勧められる場合もあるかも知れません。
というのも、介護士として技術を習得しキャリアを築いていくためには、初任者研修は必須と言っても過言ではない資格です。
この記事では、介護職員初任者研修の概要や取得する方法・メリットについて解説していきます。
この記事でわかること
- 初任者研修の概要
- 初任者研修を取得するメリット
こんな人におすすめの記事です
- 初任者研修について詳しく知りたい方
- 介護に関する資格を保有していない方
介護職員初任者研修とはどんな資格?
介護職員初任者研修は略称で「初任者研修」とも呼ばれ、介護士の基本的な知識と技術を習得していることを証明する資格です。
この初任者研修を取得することで、介護業務の中でも利用者の体に直接触れる「身体介護」を含む業務を行うことが可能になります。
また、介護職のキャリアパスにおける最も入門的な位置付けにあり、キャリアアップの第一歩になる資格です。
介護職員初任者研修については、以下の記事でも詳しく解説しています。
初任者研修は2013年から開始されましたが、それ以前は「ヘルパー2級」という名前で同等の資格がありました。
介護職として長く働く方などがヘルパー2級と言った場合は、基本的に現在の初任者研修を指していると思って大丈夫です。
初任者研修のカリキュラムと試験内容
初任者研修を取得するには、厚生労働省が定める130時間のカリキュラムを修了して、筆記試験に合格する必要があります。
カリキュラム内容は以下の表のとおりです。
カリキュラム内容 受講時間 職務の理解 6時間 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間 介護の基本 6時間 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間 介護におけるコミュニケーション技術 6時間 老化の理解 6時間 認知症の理解 6時間 障害の理解 3時間 こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間 振り返り 4時間 合計 130時間
上記のカリキュラム修了後に受ける試験内容も、厚生労働省によって定められており、スクールによって大きな差はありません。
ただし出題形式は、スクールによってマーク形式のみの場合と、記述式を含める場合があります。
難易度は高くなく、合格率はほぼ100%ですのでそこまで心配する必要はないでしょう。
初任者研修の取得方法
初任者研修には、実際に通学するスクーリングのみで修了する方法と、通信講座とスクーリングを組み合わせて修了する方法があります。
通信のみでは取得できない
初任者研修は一部通信講座で受講することができますが、通信のみでの修了はできません。
介護技術を身につけるためには実技学習が必須なため、実際にスクールに通っての受講が不可欠です。
具体的に通信で受講できる割合は、130時間のカリキュラムのうちの40.5時間になります。
ハローワークでの取得も可能
初任者研修の取得は、有料で開講しているスクールに通う方法が一般的ですが、ハローワークの職業訓練を利用することでも取得可能です。
職業訓練は「ハロートレーニング」とも言われ、無料で初任者研修を修了できるメリットがあります。
ただし、職業訓練の中でも人気の講座なので、倍率の高い選考がある点には注意が必要です。
初任者研修をハローワークで取得する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
初任者研修の取得にかかる期間
民間のスクールで通学のみの受講をする場合は、最短1ヶ月程度でカリキュラムを修了することができます。
また、通信講座を使った場合は自分のペースで進めることができるので、さらに短い3週間程度で修了が可能です。
ただし、最短期間はスクールによって異なり、ハローワークのように3ヶ月以上を要する場合もあるため注意が必要です。
初任者研修の取得にかかる費用
初任者研修の取得にかかる費用は、5〜10万円と開きがあります。
これは民間のスクールのそれぞれの立地や、サポート内容などによって生じる差であり、受講内容が大きく変わることはありません。
初任者研修を取得するための費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、ハローワークや支援制度を使うことで、費用を抑えたり無料で取得することも可能です。
無料で取得する方法や条件について、以下の記事で詳しく解説しています。
初任者研修を取得する4つのメリット
初任者研修を取得するメリットはたくさんあります。
この記事では以下の4つについて詳しく解説します。
- できることが増える
- 介護士としてのキャリアをスタートできる
- 給料アップを目指せる
- 転職のときに有利になる
できることが増える
初任者研修を取得することで、直接利用者の体に触れる「身体介護」を含む業務ができるようになります。
身体介護ができる介護士はどの介護施設でも重宝され、特に訪問介護事業所でのホームヘルパーに身体介護技術は必須です。
ホームヘルパーを目指すために必要な資格については、以下の記事で詳しく解説しています。
介護士としてのキャリアをスタートできる
初任者研修は、介護士のキャリアパスにおける入門的資格として位置付けられています。
キャリアパスとはキャリアアップの道筋のことで、初任者研修から始まり、どんどん上位の資格を取得することが推奨されています。
給料アップが目指せる
初任者研修を取得することで資格手当がつく場合があり、給料アップが期待できます。
また、資格と実務経験を積みキャリアアップしていくことで、リーダーや管理職につくことも可能です。
初任者研修自体による大幅な給料アップは難しい場合が多いですが、キャリアアップの先の将来的な給料は大きく上がる可能性があります。
転職のときに有利になる
初任者研修を取得していることは、介護士として働くための基本的な技術と知識を持っている証明になります。
有資格者であれば、施設側も安心して採用することができるので、転職の際に有利に働きます。
また、好条件の求人では、初任者研修以上の資格を持っていることを採用条件としている場合も少なくありません。
もし今後介護業界での就職や転職を考えているのであれば、初任者研修をとっておくのがおすすめです。
初任者研修に関するよくある質問
初任者研修に関してよく聞かれる質問に以下で回答します。
働きながら取得はできる?
初任者研修は働きながらでも十分に取得可能です。
むしろ、講座でインプットしながら現場でアウトプットができるため、より確実な技術の定着ができるでしょう。
働きながら取得する場合は、夜間コースや土日コースを行っており、振替受講などのサポートが充実したスクールがおすすめです。
柔軟な対応を受けられるスクールを選ぶことで、仕事との両立の負担を軽減することができます。
試験に落ちたときの追試はある?
初任者研修終了時の試験に落ちてしまった場合には、追試を実施する場合がほとんどです。
追試は何度でも受けられるスクールが多く、試験の難易度も難しくないため、最終的にはほぼ100%の方が合格できます。
資格証はいつ届く?
初任者研修の資格証は、2週間〜1ヶ月で発行され、自宅に郵送で届きます。
賞状のようなものと、カードサイズの携帯用のものの2種類が届きます。
履歴書への書き方は?
初任者研修は様々な呼び方をされる場合がありますが、正式名称は「介護職員初任者研修」です。
履歴書に書く場合は「介護職員初任者研修課程 修了」と記載します。
初任者研修の資格を取得して介護職員として働こう
介護職員初任者研修は、介護職の基本の資格です。
入門的な資格ではありますが、初任者研修を修了していないと行うことができない業務などがあり、介護職のキャリアアップにとって重要な資格でもあります。
今後介護士として活躍したい方は、今回紹介した初任者研修の概要や関連記事を参考に、ぜひ初任者研修を取得してください。
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