介護職員初任者研修は、介護職の入門的な資格です。
この研修を修了することで、介護職として働く上で必要な基礎的な知識や技術を身につけることができます。
初任者研修の修了以上の資格を持っていないと行うことのできない業務内容もあり、これから介護職としてキャリアアップをしていく上ではとても重要なものです。
そんな介護職員初任者研修ですが、取得するためには講座を開いているスクールに通う必要があり、一般的に数万円の費用が必要です。
ただし、求職者に限りハローワークの職業訓練を用いて、無料で取得することができます。
この記事では、ハローワークの職業訓練を用いて初任者研修を取得する方法と、そのメリットとデメリットについて解説します。
この記事でわかること
- ハローワークの職業訓練について
- 職業訓練のメリットやデメリット
- ハローワーク以外の初任者研修を無料で取得できる方法
こんな人におすすめの記事です
- ハローワークの職業訓練について知りたい方
- 初任者研修を無料で取得する方法について知りたい方
ハローワークの職業訓練とは?
ハローワークで行われる職業訓練は、ハロートレーニングとも呼ばれる制度です。
ハローワークを利用している求職者を対象に、再就職に役立つ知識やスキルを無料で習得することができます。
介護系の職業訓練も豊富で、初任者研修や実務者研修、介護福祉士のコースもあり、介護職にとっても魅力的な制度です。
また、職業訓練は、対象者の雇用保険の有無によって「求職者支援訓練」と「公共職業訓練」の2種類に分けられます。
実際にハローワークを利用したことがない方にとってはどちらも聞き馴染みのない言葉かもしれません。
以下ではそれぞれの概要と、違いについて解説します。
求職者支援訓練
求職者支援訓練とは、雇用保険の受給資格のない方を対象に再就職や転職、スキルアップを目的とした訓練を受講できる制度です。
職業訓練の受講期間は2ヶ月〜6ヶ月の比較的短期的なものに限定されます。
支援内容は以下の4つです。
- 月10万円の職業訓練受講給付金
- 通所手当や寄宿手当
- 無料職業訓練
- 就職サポート
世帯収入の条件を満たした場合には月10万円の給付金を受け取りながら訓練を受けることができます。
また、仮に給付金の対象外であっても職業訓練は受けることができます。
ただし、注意点としてテキスト代は実費となるため費用は事前に確認が必要です。
2023年4月1日から求職者支援制度の各種条件の内容が緩和され、より幅広い方が利用しやすくなりました。
職業訓練は求職者のための制度ですが、雇用保険被保険者でなければ働きながら訓練を受講することができるようになりました。
公共職業訓練
公共職業訓練は、雇用保険を受給している求職者を対象に、スキルアップを通して早期再就職を目指すための制度です。
職業訓練の受講期間は3ヶ月から2年で、資格やスキルによっては長期のものを受講することもできます。
支援内容は以下の4つです。
- 失業手当の受給期間延長
- 基本手当や技能習得手当
- 無料職業訓練
- 就職サポート
各種条件に応じた額の失業手当を受け取りながら無料の職業訓練や就職サポートを受けることができます。
職業訓練で必要になるテキスト代は実費での負担になるため、不安のある方は事前に確認しましょう。
求職者支援訓練と公共職業訓練の違いは?
求職者支援訓練と公共職業訓練の大きな違いは、雇用保険の受給資格の有無です。
以前はどちらも求職者が主な受講対象でしたが、2023年4月から求職者支援訓練は、働きながらでも受けることができるようになりました。
支援制度の内容にも違いがあるため、ご自身がどちらの対象にあたり、どの支援を受けることができるのか確認しましょう。
初任者研修をハローワークで取得するメリット
介護職員初任者研修は、講座を開いているスクールであればどこでも取得することができます。
その中でもハローワークで取得することには、以下3つの大きなメリットがあります。
- 無料で取得できる
- 人材斡旋が受けられる
- 手当や給付金をもらえる場合がある
これらについて1つずつ詳しく解説します。
無料で取得できる
初任者研修は全国のスクールで受講することができますが、数万円の費用が必要になります。
スクールの立地や価格設定はさまざまですが、費用の相場は5〜10万円程度、安くても3万円程度です。
一方ハローワークで職業訓練を受けることで、無料で初任者研修を取得することができます。
ただし、受講料以外のテキスト代や健康診断代は実費になるため、注意が必要です。
人材斡旋が受けられる
ハローワークでの職業訓練は、基本的に就職を促進させることが目的です。
そのため、資格やスキルを獲得するだけでなく、就職先の斡旋までサポートしてくれます。
手当や給付金をもらえる場合がある
ハローワークでの職業訓練には「求職者支援訓練」と「公共職業訓練」があります。
これらはいずれも、一定の要件を満たすことで手当や給付金を受け取ることができます。
働くことができない期間にも、生活費の負担を抱えずに資格取得できることが大きなメリットです。
初任者研修をハローワークで取得するデメリット
ハローワークの職業訓練で介護職員初任者研修を取得するメリットは大きいですが、デメリットや注意すべき点もあります。
ここでは以下の4つのデメリットについて詳しく解説します。
- スケジュールが決まっている
- 取得するまでに期間を要する
- 一定以上の収入があると対象外になる
- 選考倍率が高い
誰でも受講できるとは限らないため、事前にチェックしておきましょう。
スケジュールが決まっている
ハローワークでの職業訓練は基本的に平日の日中にスケジュールが組まれており、振替受講も設けていない場合が多いです。
多くの有料スクールでは、働きながら取得を目指す方向けの土日の受講コースや夜間コース、振替受講も対応しています。
働きながら受講する場合はもちろん、家庭の事情などによってはハローワークでは融通がきかず、修了が難しいことがあります。
取得するまでに期間を要する
ハローワークでの職業訓練には期間が定められており、初任者研修の取得には3ヶ月以上を要します。
民間のスクールであれば、最短で1ヶ月かからずに取得可能な場合もあります。
なるべく早く資格を取得して働きたい方にはハローワークでの初任者研修の取得は向いていないかもしれません。
一定以上の収入があると対象外となる
ハローワークでの支援は基本的に失業中の方が対象です。
職業訓練に関する支援の中には給付金がありますが、一定以上の収入がある方は受け取ることができない場合があります。
ただし、そのほかの条件を満たしていれば、収入に限らず無料の職業訓練を受講することができます。
選考倍率が高い
職業訓練には定員が設けてあり、希望者のなかで面接と筆記の試験を通過した方だけが受講することができます。
資格ごとに倍率は異なりますが、初任者研修は3〜5倍と倍率が高くなることが多く、試験を通過することが難しい場合があります。
試験ではその資格を使って働きたい理由や意欲が重視されるため、強くアピールすることが通過のポイントになるでしょう。
ハローワークで初任者研修を取得するときの申請方法
ハローワークで初任者研修を取得するためには各種申請を含む、以下のステップを踏む必要があります。
- ハローワークで求職者登録
- 受講するコースへの申し込み
- 面接と筆記テストによる選考
- 選抜試験合格後、ハローワークで支援計画書を受け取る
- 職業訓練を受講する
詳細な流れや具体的な申請方法については、各自治体のハローワークで確認しましょう。
ハローワーク以外に初任者研修を無料で取得する方法
ハローワークでの職業訓練以外にも、初任者研修を無料で取得する方法があります。
代表的なものは、スクールの無料キャンペーンや施設の資格支援制度、各自治体の助成金制度です。
ハローワークとは違い、働きながらの資格取得や土日での受講が可能な場合もあります。
初任者研修を無料で取得する方法は、以下の記事で詳細に解説しています。
また、無料ではありませんが特定一般教育訓練給付金制度では、要件を満たすことで費用の40%を受け取ることが可能です。
こちらの詳しい条件は「教育訓練給付制度のご案内」で確認できます。
ハローワークを利用して無料で初任者研修を取得しよう
介護職員初任者研修は、介護職の基本の資格です。
入門的な資格ではありますが、初任者研修を修了していないと行うことができない業務などがあり、介護職のキャリアアップにとって重要な資格でもあります。
初任者研修は一般的には数万円の費用がかかる講座ですが、ハローワークの職業訓練制度を利用することで無料で取得できます。
他にも給付金などのメリットや、対象となる条件といった注意点を確認して、ハローワークでの受講を検討しましょう。
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