ヘルパーの仕事はワークライフバランスを重視しながら働けるため、介護未経験から目指す方も少なくないのではないでしょうか。
介護未経験からヘルパーを目指す際には、必要な資格の種類や取り方など、気になることも多いでしょう。
そこでこの記事では、ヘルパーに必要な資格の種類や取り方、資格を取得するメリットなどに関して解説していきます。
無料で資格を取得する方法に関しても触れていますので、最後までご覧いただき、ぜひヘルパーとしての第一歩を踏み出してください。
この記事でわかること
- ヘルパーに必要な資格の種類
- ヘルパーに必要な資格の取り方と費用
- 資格を取得するメリット
こんな人におすすめの記事です
- ヘルパーに必要な資格について知りたい方
- ヘルパーへ転職したい方
ヘルパーに必要な資格の種類
ヘルパーとして働くためには、以下の資格のうちのいずれかを有している必要があります。
- 生活援助従事者研修
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
ヘルパーの主な仕事内容は「身体介護」「生活援助」「通院介助」の3つで、基本的には1人で業務にあたります。
ただし、このうち「身体介護」と「通院介助」に関しては、初任者研修以上の有資格者でなければ行うことができないため、無資格ではヘルパーとして働くことができません。
ヘルパーは、生活援助のみの仕事の場合でも、有資格者であることが必須なため、注意しましょう。
無資格・未経験からヘルパーを目指す場合には、「生活援助従事者研修・初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」の順での取得がおすすめです。
それぞれに関する詳しい内容や、資格の取り方に関しては、次項で解説していきます。
ヘルパーの詳しい仕事内容が知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ヘルパーに必要な資格の取り方と費用
ここからは、ヘルパーに必要な資格の概要と取り方、費用について紹介していきます。
一口に資格といっても、定められたカリキュラムを修了すれば取得できるものから、試験に合格しなければ取得できないものなど、さまざまです。
それぞれについて詳しく確認していきましょう。
生活援助従事者研修
生活援助従事者研修とは、ヘルパーが提供している介護サービスのうちの、掃除や洗濯といった生活援助サービスについて学ぶ公的資格です。
基本的には、身体介護と生活援助の両方が行える介護職員初任者研修の資格を有していなければ、ヘルパーとして働くことはできません。
しかし、介護士の人材不足は深刻な問題となっており、有資格者の人材確保は困難な状況です。
そこで、身体介護と生活援助を別個として、生活援助サービスを専門に行う人材育成を目的に、2018年に新設されました。
生活援助従事者研修のカリキュラムは以下の通りです。
カリキュラム内容 通信での受講が可能な時間 講義での講座が必須な時間 職務の理解 0時間 2時間 介護における尊厳の保持・自立支援 3時間 3時間 介護の基本 2.5時間 1.5時間 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 2時間 1時間 介護におけるコミュニケーション技術 3時間 3時間 老化と認知症の理解 5時間 4時間 障害の理解 1時間 2時間 こころとからだのしくみと生活支援技術 12.5時間 11.5時間 振り返り 0時間 2時間 合計 59時間
上記のカリキュラム修了後、筆記試験に合格することで、生活援助従事者研修の資格が取得できます。
基本的なカリキュラム内容は初任者研修と同じですが、初任者研修の半分の時間で取得が可能です。
また、認知症介護基礎研修または入門的研修を終了している方に関しては、カリキュラムの一部が免除となります。
費用の相場は、5,000〜30,000円ほどになります。
生活援助従事者研修はどなたでも受講が可能ですので、ヘルパーへの第一歩として取得を目指すとよいでしょう。
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
介護職員初任者研修とは、介護士としての基本的な技術と知識を習得するためのもので、2013年に廃止となった「ホームヘルパー2級」に位置づけられる公的資格です。
ヘルパー2級から初任者研修に移行したことによって、以下の点が変更となりました。
- 受講科目の追加
- スクーリング時間の増加
- 実習の廃止
- 修了試験の実施
しかし、ヘルパー2級と初任者研修は同等の資格となるため、ヘルパー2級はこれまで通り履歴書に記載することができます。
初任者研修は、130時間のカリキュラムを受講後、筆記試験に合格することで取得可能です。期間にすると、1~4か月ほどになります。
受講方法には、スクーリングのみの方法またはスクーリングと通信講座を組み合わせた方法の2種類があり、費用の相場は5~10万円ほどです。
受講要件は特になくどなたでも受講ができますが、「16歳以上受講可能」としているスクールが多いです。
初任者研修は働きながらの取得も可能ですので、生活援助従事者研修取得後、ヘルパーとして働きながら取得を目指してもよいでしょう。
また、生活援助従事者研修取得者は、初任者研修のカリキュラムの一部が免除となります。
初任者研修に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)
介護福祉士実務者研修とは、「ホームヘルパー1~3級」と「介護職員基礎研修」を1本化したものとして位置づけられた公的資格です。
介護士としての基本的な介護提供能力の修得を目的としています。
実務者研修は、450時間のカリキュラムを受講することで取得可能な資格です。
修了試験に関しては義務化されていませんが、スクールによっては実施している場合もあるため、気になる方は確認しておくとよいでしょう。
期間にすると最短6か月、費用の相場は7~20万円ほどです。
ただし、上記の受講時・期間・費用は、無資格者の場合になります。
実務者研修は、初任者研修やヘルパーなどの有資格者の場合、カリキュラムの一部が免除となるため、免除となった分だけ費用は安価になりますし、受講時間や期間も短縮されます。
実務者研修も初任者研修同様、受講要件は特にありませんが「16歳以上受講可能」としているスクールが多いです。
実務者研修に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
介護福祉士
介護福祉士とは、介護業界の資格の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士の国家試験を受けるためには、以下の4つのルートのいずれかを選択し、受験資格を得なければなりません。
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高校ルート
- EPAルート
働きながら介護福祉士を取得するためには「実務経験ルート」がおすすめです。
実務経験ルートの場合、実務者研修を修了後、介護事業所で3年以上かつ従事日数540日以上の実務経験で受験資格を得ることができます。
介護福祉士国家試験の受験資格に関しては、以下の記事でご確認ください。
介護福祉士を取得するための費用や期間に関しては、取得ルートによって異なります。
実務経験ルートの場合には、「初任者研修代」+「実務者研修代」+「受験手数料18,380円」+「資格登録手数料12,320円」がかかります。
受験手数料や資格登録手数料に関しては、値上がりする可能性もあるため、受験前には確認しておきましょう。
ヘルパーとして資格を取得するメリット
資格を取得してからヘルパーとして働くメリットには、主に以下の2つがあります。
- 給料アップが目指せる
- 転職の際に優遇されやすい
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
給料アップが目指せる
介護業界では、保有している資格に対して資格手当がつくのが一般的とされています。
厚生労働省が公表している厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ヘルパーの給料は以下の通りです。
資格 常勤の月収 無資格 286,390円 初任者研修 309,060円 実務者研修 315,360円 介護福祉士 321,350円 引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(182P)」
無資格者と介護福祉士の有資格者の月収には、約35,000円の差があり、年収にすると約42万円にもなります。
無資格者の場合は、「初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」の順で資格を取得し、年収アップを目指しましょう。
転職の際に優遇されやすい
介護に関する有資格者であるということは、介護に関する知識と技術があるということの客観的証明となるため、転職の際に優遇してもらえる場合が多くなります。
したがって、資格を保有していれば就職先や業務の幅も広がり、キャリアアップにもつながるでしょう。
ヘルパーの資格を無料で取れる方法はある?
ヘルパーの資格を無料で取得するには、以下の制度を利用するとよいでしょう。
- ハローワークの職業訓練
- 各自治体の制度
- 介護施設や事業所の資格取得支援
- 介護資格スクールの無料キャンペーン
無料で取得できる方法の概要とメリット・デメリットに関しては、以下の記事で解説しています。
ハローワークを利用してヘルパーの資格を取得する方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
ただし、介護福祉士に関しては、受験手数料などがかかるため無料での取得は原則不可能です。
資格を取得してヘルパーとして働こう!
ヘルパーとして働くためには、原則有資格者でなければなりません。
ヘルパーの資格は働きながら取得が可能です。
まずは生活援助従事者研修または初任者研修を取得して、ヘルパーとして働きながら上位資格の取得を目指しましょう。
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