重度訪問介護従業者は、重度の障害を抱えた利用者に日常生活の介護や医療的ケアを行う仕事です。
障害を抱えた利用者が安心して自宅で生活をしていくために、なくてはならない障害福祉サービスといえます。
この記事では、重度訪問介護従業者として働くために必要な資格や仕事内容、メリットについて解説していきます。
重度訪問介護従業者の理解を深め、転職に役立ててください。
この記事でわかること
- 重度訪問介護従業者養成研修の概要
- 重度訪問介護従業者養成研修取得のメリット
こんな人におすすめの記事です
- 重度訪問介護従業者養成研修の取得を検討している方
- 重度訪問介護の仕事を検討している方
重度訪問介護従業者とは
重度訪問介護従業者とは、障害支給区分4~6の重度障害者に、日常生活を送るために必要な介護サービスを提供する専門職です。
業務内容
主な業務内容は、以下の3つです。
- 入浴、排せつや食事などにおける介助介護
- 調理・洗濯・掃除などの家事支援
- 外出時における移動中の介護
重度訪問介護は、24時間を通して日常生活における介護を行い、利用者の生活を支えていく障害福祉サービスです。
勤務はシフト制となっていて、日勤だけでなく夜勤もあります。
1回の勤務で何か所も利用者宅を訪問するのではなく、基本的には1人の利用者宅に長時間滞在し、介護サービスを提供します。
勤務中は見守りや待機時間等もあり、じっくり利用者と関わることができるため、やりがいを感じるでしょう。
利用対象者
利用の対象となるのは、「重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する者であって、常時介護を要する障害者」の方です。
以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 障害支援区分が区分4以上の方
- 2肢以上に麻痺等がある方
- 「歩行」「移乗」「排尿」「排便」に介助が必要な方
重度訪問介護の利用者は、手足に麻痺があり寝たきりの方や車いす生活の方、話すことが難しい方など障害の程度もさまざまです。
中には人工呼吸器の使用や痰吸引が必要な方など医療的管理が必要な方もいます。
利用者ごとに障害の内容や度合いも違うため、個々に合った介護方法が求められます。
重度訪問介護従業者になるには?
重度訪問介護従業者になるために必要な資格や費用等について解説します。
必要な資格
重度訪問介護事業者になるためには、以下のような資格が必要です。
- 介護福祉士
- 介護職員基礎研修
- 居宅介護職員初任者研修
- 重度訪問介護従事者研修
無資格では、重度訪問介護事業者として仕事をすることはできません。
未経験、無資格から重度訪問介護従業者になるためには、重度訪問介護従事者研修がおすすめです。
最短2日で資格取得が可能で、重度訪問介護に必要な基礎的な知識やスキルを身につけることができます。
重度訪問介護従業者に必要な資格について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
重度訪問介護従業者養成研修とは
重度訪問介護従業者養成研修は、重度訪問介護従業者として働くために必要な基礎的な知識やスキルを身につけることができます。
重度訪問介護従業者の研修は、4つの課程に分かれています。
- 基礎課程
- 追加課程
- 統合課程
- 行動障害支援課程
基礎課程では、重度の肢体不自由者に対して食事や排泄、入浴等の介助、調理や洗濯、掃除等の家事支援、外出時の移動介助に関する基礎的な知識や技術を学習します。
受講するための資格要件もなく、未経験・無資格から受講することが可能です。
修了することで、障害支給区分4~5の方の介護に携わることができます。
追加課程は、基礎課程を修了している方が受講できる研修です。
基礎課程で学んだ知識や技術を深めることに加え、緊急時の対応についても学習します。
修了することで、障害支給区分4~6の方の介護に携わることができます。
統合課程は、基礎課程と追加過程を統合した内容の研修です。
行動障害支援課程は、重度の知的障害や精神障害による強度行動障害に関する知識や対応方法について学習します。
強度行動障害とは、障害により周りの環境に適応できないことが原因により、大声で叫ぶ、壁を叩くなど周りに影響を及ぼす行動や自傷行為、食べられないものを食べてしまうなど危険を伴う行為をすることです。
修了することで、強度行動障害の原因を理解し、危険行動の予防や回避する方法を習得することができます。
重度訪問介護の利用者は、8割以上が障害区分6以上です。
基礎課程は、支援可能な対象が障害支給区分5までのため、統合過程、または追加過程まで受講した方が、対象者の制限なく活躍することができるでしょう。
重度訪問介護従業者養成研修と介護職員初任者研修の違い
重度訪問介護従業者養成研修は、重度訪問介護従業者として働くために必要な資格です。
介護職員初任者研修は、高齢者や障害者に関わらず介護業務全般をこなすことができる資格です。
介護職員初任者研修で習得できるスキルは、要介護高齢者に対しての身体介護・家事支援が中心になります。
それに対し、重度訪問介護従業者養成研修では、重度の障害者に特化したスキルを習得することができます。
また、資格取得に必要な期間にも大きな違いがあります。
介護職員初任者研修は取得までに最短約1か月かかるのに対して、重度訪問介護従業者養成研修は最短2日で取得することができます。
重度訪問介護従業者として働く場合、まずは重度訪問介護従業者養成研の受講を考えると良いでしょう。
重度訪問介護従業者養成研修の費用
研修費用の相場は以下の通りです。
- 基礎課程、追加課:約15,000円〜20,000円
- 総合課程:約30,000円
- 行動障害支援課程:約30,000円~40,000円
通常、重度訪問介護従業者養成研を受講する場合、上記のような費用がかかります。
しかし、就職を条件に無料で資格取得をサポートしてくれる事業所もあります。
サポートを受ければ、実質0円で研修を受講することが可能です。
働きながら資格取得ができるので、経済的な心配もなくなるでしょう。
重度訪問介護従業者養成研修の受講場所
各都道府県ごとに指定している事業所にて、重度訪問介護従業者研修の受講が可能です。
詳しくは、お住まいの各都道府県や研修実施事業所のホームページで確認してください。
例えば、東京都の場合は以下で受講が可能です。
障害者居宅介護従業者基礎研修等 開講日程の御案内 東京都福祉保健局
重度訪問介護従業者を取得する3つのメリット
重度訪問介護従業者の資格を取得するメリットは大きく分けて3つあります。
スキルアップになる
重度訪問介護従業者養成研修を取得することで、重度障害者に対する介護の知識やスキルを習得することができます。
カリキュラムは、重度障害者に特化した内容であり、障害に関する知識以外にもコミュニケーション技法や医療的ケアについて学ぶことができます。
重度訪問介護の利用者は、寝たきりの方や対応が難しい強度行動障害のある方などさまざまです。
そのような方の対応について学ぶことで、介護士としてのスキルアップにつながります。
キャリアアップを目指せる
重度訪問介護従業者養成研修の資格取得をきっかけにキャリアアップが可能です。
例えば、居宅介護職員初任者研修を取得することで、居宅介護の業務に就くことができます。
さらに居宅介護職員初任者研修取得後、3年以上経験を積むことでサービス管理責任者にキャリアアップすることができます。
その後の活躍次第では、管理者へのキャリアアップを目指すことも可能です。
就職や転職に役立つ
重度訪問介護従業者養成研修を修了すると、就職や転職に役立てることができます。
都道府県が指定する資格として、履歴書に記載することができ、重度訪問介護に関する知識やスキルを持っていることの証明にもなります。
また、重度訪問介護従業者養成研修は全国どこでも通用する資格のため、他県に転職する場合にも資格を活かすことができるでしょう。
重度訪問介護従業者を目指そう!
重度訪問介護従業者とは、障害区分4~6の重度の障害者に対して日常生活の介護をする専門職です。
重度訪問介護従業者になるためには、介護福祉士や介護職員初任者研修、重度訪問介護従業者養成研修等の資格を取得する必要があります。
未経験の場合、最短2日で取得することができる重度訪問介護従業者養成研修がおすすめです。短期間で重度障害者の介護に関する知識やスキルを習得することができます。
重度訪問介護従業者養成研修を取得することで、自身のスキルアップやキャリアアップにつなげることができるでしょう。
資格取得は、スキルの証明にもなるため、就職や転職にも活かすことができます。
しかし、就職や転職となると、どのような職場が自分に合っているのか、働きやすいのか悩む方も少なくありません。
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まずは、重度訪問介護従業者として活躍するために、資格取得を目指しましょう!