重度訪問介護従事者とは?資格要件・養成研修について解説

重度訪問介護従事者とは?資格要件・養成研修について解説

高齢者介護の職員として働いている方の中には、障がい者介護に興味のある方や、さらなるスキルアップのために、重度訪問介護従事者を目指している方もいるでしょう。

重度訪問介護従事者になるためには、資格を取得しなければなりません。

この記事では、重度訪問介護の資格要件や、資格を取得するメリットなどについて解説します。

この記事でわかること

  • 重度訪問介護従事者とはなにか
  • 重度訪問介護の資格取得要件
  • 重度訪問介護の資格を取得するメリット

こんな人におすすめの記事です

  • 重度訪問介護について詳しく知りたい方
  • 重度訪問介護の資格取得を検討している方
目次

重度訪問介護従事者とは?

重度訪問介護従事者とは、障がい支援区分4以上の「重度障がい者」に対し、介護・日常支援サービスを提供する専門職員のことです。

重度障がい者とは、身体障がいや知的障がい、精神障がいなどによって、日常生活サポートを要する方で、障がい者支援区分は、各自治体による認定になります。

主な仕事内容

重度訪問介護従事者の主な仕事内容は、利用者が自宅で生活を送るうえで、必要なサポートを提供することです。

具体的には、以下の3点です。

  • 食事や入浴、排せつなどの身体介助
  • 食事の準備や洗濯、掃除などの家事援助
  • 通院や入院、買い物などのサポート

必要に応じて、経管栄養や喀痰吸引などの医療行為を実施する場合もあります。

また、重度訪問介護従業者は24時間体制で利用者をサポートするため、夜勤業務も行います。

重度訪問介護従業者の夜勤の主な仕事内容は、以下の5点です。

  • 食事介助
  • 見守り
  • 排せつ介助
  • 就寝・起床介助
  • 事務作業

夜勤業務は身体的な負担が大きいですが、キャリアや給料アップなどのメリットもあるため、夜勤業務についても詳しく知っておくと良いでしょう。

重度訪問介護従事者ができないこと

重度訪問介護従事者は、利用者が日常生活をスムーズに送れるようにサポートすることが仕事です。

そのため、利用者本人に関わること以外の介護サービスは提供できません。

具体的には、利用者本人以外の食事準備や身体介助などです。

ほかにも、ペットの世話などの日常生活に支障のない援助や、服薬管理などもできません。

訪問介護の2時間ルールは適用されない

訪問介護は、「同じ利用者に対して、1日に2回以上訪問介護サービスを提供する場合、原則、次のサービス提供までに2時間以上の間隔を空けなければならない」という2時間ルールがあります。

しかし、重度訪問介護の場合は、訪問介護よりも臨機応変な介護サービスの提供が求められるため、2時間ルールは適応されません。

重度訪問介護の資格要件

重度訪問介護従事者になるためには、「重度訪問介護従事者養成研修」を修了しなければなりません。

重度訪問介護従事者養成研修は、年齢や学歴不問で誰でも受けることが可能で、以下の4つの課程があります。

  • 基礎課程
  • 追加課程
  • 統合過程
  • 行動障害支援課程

それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。

基礎課程

基礎課程では、重度訪問介護従事者として働くうえで必要な基礎介護技術や職業倫理について学びます。

基礎課程の科目と受講時間は、以下の通りです。

区分 科目 受講時間
講義 重度の肢体不自由の地域生活等に関する講義 2
基礎的な介護技術に関する講義 1
実技 基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーションの技術に関する実習 5
外出時の介護技術に関する実習 2
合計 10

引用:厚生労働省 重度訪問介護の現状等について

基礎課程を修了すると、障がい区分4~5の方に介護・日常支援サービスを提供できるようになります。

追加課程

追加課程では、重度障がい者のケア方法やリスク管理、緊急時対応について学びます。

追加課程の科目と受講時間は、以下の通りです。

区分 科目 受講時間
講義 医療的ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障害及び支援に関する講義 4
コミュニケーションの技術に関する講義 2
緊急時の対応及び危険防止に関する講義  1
実技 重度の肢体不自由の介護サービス提供現場での実習 3
合計 10

引用:厚生労働省 重度訪問介護の現状等について

追加課程は、基礎課程と比較してより詳しい内容となっています。

実際に、障がい者の居宅へ訪問して、介護サービスを提供する実習を行うため、実践的な知識・技術を習得できることが特徴です。

追加課程を修了すると、障がい区分6の方へ介護・日常支援サービスを提供できます。

統合過程

統合過程とは、基礎課程と追加課程の内容に、喀痰吸引や経管栄養の演習が追加された課程になります。

統合過程実施の有無に関しては、各自治体によって異なるため、希望する方は、自身の自治体に確認しておくと良いでしょう。

統合課程の科目と受講時間は、以下の通りです。

区分 科目 受講時間
講義 重度の肢体不自由者の地域生活等に関する講義 2
基礎的な介護技術に関する講義 1
コミュニケーションの技術に関する講義 2
喀痰吸引を必要とする重度障害者の障害と支援に関する講義・緊急時の対応及び危険防止に関する講義① 3
喀痰吸引を必要とする重度障害者の障害と支援に関する講義・緊急時の対応及び危険防止に関する講義② 3
演習 喀痰吸引等に関する演習 1
実技 基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーションの技術に関する実習 3
外出時の介護技術に関する実習 2
重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での実習 3.5
合計 20.5

引用:厚生労働省 重度訪問介護の現状等について

統合過程を修了すると、医師や看護師の指導のもと、喀痰吸引や経管栄養などの医療行為が実施できるようになります。

基礎課程と追加課程修了者が統合過程を受講する場合、講義または演習の一部が免除となるので、確認しておきましょう。

行動障害支援課程

行動障害支援課程とは、重度知的障がい者や精神障がい者に、介護サービスを提供するための課程です。

知的障がいや精神障がいのある方に介護サービスを提供する際には、より専門的な知識・技術を要します。

そのため、以前は、重度訪問介護の対象者は、身体障がい者のみに限られていました。

しかし、2014年に「障害者総合支援法」が施行されたことにより、重度訪問介護の対象者に、知的・精神障がい者が追加されています。

それに伴い、重度訪問介護従事者は、知的障がいや精神障がいがある方に対して介護サービスを提供できるよう、知識と技術の習得が必要となりました。

行動障害支援課程の科目と受講時間は、以下の通りです。

区分 科目 受講時間
講義 強度行動障害がある者の基本的理解 2.5
強度行動障害に関する制度及び支援技術の基礎的な知識 3.5
演習 基本的な情報収集と記録等の共有 1
行動障害がある者の固有のコミュニケーションの理解 2.5
行動障害の背景にある特性の理解  2.5
合計 12

引用:厚生労働省 強度行動障害支援初任者養成研修プログラム及びテキストの開発について報告書

なお、行動障害支援課程修了者は「強度行動障害支援者養成研修」も修了したとみなされます。

強度行動障害支援者養成研修は、知的障がい者や精神障がい者などに多くみられる「行動障がい」を持つ方へのケアを学ぶ研修です。

研修の受講場所と費用

重度訪問介護従事者養成研修の受講場所は、各自治体によって異なります。

自治体によっては、社会福祉法人やNPO法人が研修を開催している場合もあります。

費用相場は、基礎課程と追加課程を合わせて10,000~20,000円、統合過程が30,000円になりますが、こちらも各自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

東京都の費用は以下の通りです。

自治体 課程 費用
葛飾区 基礎課程と追加課程 14,000円
新宿区 統合過程 25,000円
中野区 統合過程 30,000円
町田市 行動障害支援課程 48,000円

引用:2障害者居宅介護従業者基礎研修等 開講日程の御案内

訪問介護事業所の中には、お礼奉公を条件に、研修費の免除または一部負担を行っている事業所もあります。

また、介護福祉士保有者や居宅介護従業者養成研修修了者の場合は、講義科目の一部が免除になるため、その分費用も安くなる場合があります。

費用に関する不安がある方は、事前に確認しておきましょう。

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重度訪問介護の資格を取得する3つのメリット

重度訪問介護の資格を取得する3つのメリット

重度訪問介護の資格を取得するメリットは、以下の3つです。

  • スキルアップができる
  • キャリアアップにつながる可能性がある
  • 転職の際に有利になる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

スキルアップができる

重度訪問介護の資格を取得することで、高齢者の介護だけではなく、障がい者介護に関する知識・技術も身につきます。

そのため、より難しい業務に就けるようになり、スキルアップにつながるでしょう。

また、重度訪問介護は、基本的には1人で利用者の居宅へ訪問し、介護サービスを提供します。

重度訪問介護の資格を取得し、訪問介護の仕事ができるようになることで、自身のペースで業務をこなせるようになるのもメリットのひとつです。

キャリアアップにつながる可能性がある

重度訪問介護の資格を取得し、障がい者介護の経験を積むことで、キャリアアップにつながる可能性があります。

特に、将来的に事業所のサービス管理責任者などに就きたい場合には、重度訪問介護の資格は必須です。

また、キャリアアップできれば、役職手当が付き、給料アップにつながる可能性もあるでしょう。

転職の際に有利になる

重度訪問介護の資格は、重度訪問介護に関する専門的知識・技術を習得していることを証明するものです。

重度訪問介護利用者は増加傾向にあり、今後、重度訪問介護事業所も増えると考えられます。

それに伴い、重度訪問介護従事者の需要も高まっていくことが予想されるため、重度訪問介護の資格者は転職の際に有利になるでしょう。

重度訪問介護の資格を取得して障がい者介護の理解を深めよう

重度訪問介護の資格は、研修を受講すれば取得できるため、難易度は決して高くありません。

重度訪問介護の資格取得は、障がい者介護の理解を深め、介護士としてのスキルアップやキャリアアップにつながるため、非常におすすめです。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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