介護職をしていると現場の人手不足や業務の難しさや大変さを感じることが多くあると思います。
知り合いの介護職と自分の仕事を比較して、自身の給与が仕事内容に見合っていないと感じる方もいるのではないでしょうか。
より良い条件や自らのスキルアップを求めて職場を変えることは、今の時代当然のようにありますし、悪いことではありません
ですが転職の回数が増えると、採用に影響するだろうかと不安に感じる人も多いことでしょう。
今よりも好条件の職場に転職するために、履歴書の書き方や面接のコツなどを確認していきましょう。
- 転職回数が多くても不安に思う必要はない
- 転職を複数回している場合の志望動機のポイント
- 転職回数が多いことで、次の転職を迷っている方
- 志望動機の書き方に悩んでいる方
転職が多いことのメリット・デメリット
結論から述べると、転職回数が多いことだけを理由に不採用になるということはありません。
ですから転職回数が多いからと言って、不安に思う必要はありません。
そればかりか大転職時代などとも言われており、多様な職場経験などがアピールになることもあります。
生涯における平均転職回数は平均3回程度に落ち着くようです。これには男女や年代別、また職種での差もありますが、全職種でみると30代~40代では2~3回。特に介護職、サービス業、輸送業でみると3~6回の転職が多くなっています。
転職回数が多いことのメリット・デメリットは主に次の通りです。
メリット
- コミュニケーション能力が身に着く
- 様々な職場を経験しているので視野が広がる
- 柔軟な思考力や臨機応変な対応ができるようになる
- 経験があり即戦力であることをアピールできる
- 自分に合った働き方や環境を知ることができる
- スキルアップ、キャリアアップにつながる
デメリット
- すぐに転職してしまうのではと判断される可能性がある
- これまでの経験と比較することで、現在の環境が気になってしまう
- 退職理由によってはマイナスのイメージを持たれる場合がある
志望動機の伝え方
自分の働き方を見直すうえで転職を選ぶことは自然なことです。
その際にどうして転職をするのかや、どうしてその職場に就業したいのかをしっかりと伝えることが大切です。
転職理由に一貫性を持つことが大切
前向きな転職理由は自己PRも含めながら積極的に伝えましょう。
また、人間関係や給与面などマイナスなイメージを持つ可能性がある転職理由では、自分がどのように考えて転職を決断したかをしっかりと伝えることが大切です。
いずれにしても面接の受け答えで矛盾が生じないように、面接前の事前準備は入念に行いましょう。
印象が良くなる転職理由
- スキルアップを目指している
- キャリアプランの説明ができる
- 応募施設で取り組みたい業務がある
- これまでの経験をどのように活かせるか説明できる
印象が悪くなる転職理由
- 同じ理由で転職を繰り返している
- 人間関係の不和に対して、解消のために自分から行動を起こさなかった
- 前職や業務への不満があり意欲が低い
納得感のある転職理由で転職回数の多さをカバー
履歴書や面接では次のポイントを意識しましょう。
- 転職理由を偽らない
- 転職に至る理由を簡潔にまとめる
- ネガティブな理由や表現は最小限にする
- 転職で培った経験や技術をアピールする
- 前向きな姿勢や成長意欲を伝える
以上を踏まえ、ケース別に志望動機の例文とNG例を確認していきましょう。
〇同じサービス形態への転職(特養から特養への転職)
利用者の日々の生活が少しでも充実したものになるような介護を目指しており、貴法人でその取り組みができると考えています。これまで特別養護老人ホームにて就業し介護技術や利用者との関わりを学びましたが、日々の介護業務のみに追われることが多く、利用者との時間を作ることができていないという葛藤がありました。
貴法人の行事を拝見した際、利用者の笑顔が印象的でした。介護職も一緒に楽しまれていると感じ、どのような関わりをされているのだろうと関心を持ちました。介護の質を高めるための機器の導入やノウハウの共有についても、私の希望する環境のため志望致します。
〇異なるサービス形態への転職(訪問介護から有料老人ホームへの転職)
貴社を志望した理由は、重度介護に携わることで介護スキルの向上を目指しているためです。これまで複数の訪問介護事業所で就業しましたが、要介護度の高い利用者への介護経験は乏しいと痛感しています。将来的に介護支援専門員資格取得を目指しているため、入居施設での介護職経験を積みたいと考えています。
また貴社ではチームアプローチの仕組みづくりに特に力を入れていると伺いました。訪問介護でも取り組んでいましたが、様々な職種と関わりながらサービス提供を行い、利用者の生活に関わることができるのではないかと考え貴社を志望致しました。
〇派遣社員から正社員への転職
貴社を志望した理由は、利用者との関係性をしっかり築いていきたいと考えたからです。これまでは家庭の事情により派遣として勤務することしかできませんでしたが、勤務時間にとらわれずに就業できる環境が整ったため、正社員としての就業を志望しています。
多くの施設への派遣にて、要支援から要介護5まで様々な状況の利用者の介護に携わってきたため介護技術について即戦力になると考えています。しかしながら担当利用者や担当ユニットなどの役割業務を持つ経験は難しく、歯がゆい思いもしていました。
貴社は研修が充実しており、介護職での事例検討も積極的に行っていると伺いました。様々な意見や考えに触れることで更に広い視野を持った介護職を目指しており、貴社を志望致しました。
良くない印象を持たれてしまう転職理由・志望動機
- 人間関係について不満を述べる
- 理念に共感したことのみ記載する
- 家から近い、給与が髙い(安い)
- 学ばせてもらう(受け身の姿勢)
- 人手不足を強調する
これらが挙げられます。詳しく見ていきましょう。
✕人間関係について不満を述べる
人間関係がうまくいかず転職を考える人も多いでしょう。
気を付けるべきなのは、その人間関係を良くしようと「自分なりにどのような働きをしたか」です。
苦手な上司や同僚とうまくいかず転職を考えた、話をしても分かってもらえなかった、などの理由ではコミュニケーションが取れない人材だと思われる可能性が高いです。
例えば「上司に掛け合って、話し合いの場を作ってもらった」「一緒に協力して業務を行うことができたが、それでもなお自分の目指す介護と乖離があった」など、自身がどのように人間関係の改善に向けて働きかけたのかを伝える必要があるでしょう。
✕理念に共感したことだけを記載する
志望動機として理念に共感したことを記載するのは、絶対にNGではありません。
しかし安易に書いてしまうと、面接官から具体的に問われたとき本心からの受け答えが難しいでしょう。理念のどのような点に共感したのかや、具体的にどのような取り組みに関心を持ったのかなどを記載できると好印象となるでしょう。併せて、面接時にはしっかりと受け答えができるように準備しておきましょう。
実体験を交えるとより納得感のある志望動機となるでしょう。
✕家から近い、給与が高い(安い)
転職動機や転職先を選ぶ際に重要になる点ではあります。
しかしながら、そのまま伝えてしまうと家から近く、給与が高ければ応募先の法人以外でもいいのではないかと思われてしまいます。同じような条件の求人があるなかで、その法人や企業に応募した理由は必ずあるはずです。その点をアピールしていきましょう。
通勤がしやすいことを理由として上げるのであれば、将来的に管理職を目指しており緊急時対応が必要な際に駆けつけることのできる範囲で転職を検討してるという言い換えや、資格取得の勉強時間を捻出するため、できるだけ通勤時間を減らしたいといった言い換えもできるでしょう。
給与については、介護職への福利厚生や手当が行き届いており安心して勤務のできる環境だと判断したと伝えてもいいでしょう。
✕学ばせてもらう(受け身の姿勢)
新しい職場に求める内容を伝える際は、受け身になりすぎていないかの確認が必要です。
漠然と「学ばせて頂ける貴社を志望します」といった表現では、受け身の姿勢が強く、積極性に欠けると判断される懸念があります。
「新しい環境では、自分の経験にとらわれるのではなく、よいものを積極的に吸収していきたい」「研修や会議の場では他者の意見から学びを得るともに、自分の意見も積極的に発言していきたい」というような表現にすると、謙虚さとともに自主性や積極性が伝わるでしょう。
✕人手不足を強調する
介護業界は常に人手不足の業界です。
前職でどれほど大変だったとしても、それを理由に不平不満を伝えてしまうと、応募先で同じような状況が発生したときに、不満を抱かれるのではないかと思われてしまいます。人手不足にも様々な理由がありますので、しっかりと説明を行った上で、人員不足の状況で自身がどのように協力したのかを伝えるといいでしょう。
また自分の行動の結果、人員不足が解消しなかった場合において次同じようなことが起きたらどのように対策をするかや、同じ状況が起こらないようにするにはどう対策をしていくべきかについて答えることができれば、考えて行動のできる人材と評価されることでしょう。
志望動機が思いつかないときはエキスパートを頼ろう
複数回の転職によって転職理由をうまく説明できない、次に就業したい施設への応募理由を具体的に説明することが難しいなど、お困りの方もいることでしょう。
そんなときは「キャリアアドバイザー」に相談してみましょう。
キャリアアドバイザーは求人応募後の職務経歴書の書き方、面接アドバイス、入職日や給与条件交渉など、転職成功に向けて手取り足取りお手伝いをしてくれます。
履歴書についての相談や、面接前の練習を行うこともできますよ。転職先の希望を伝えることで、自身では探すことができなかった非公開求人を紹介してくれることもあります。
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企業は転職者に対して転職理由や勤続年数、勤務態度を気にして面接を行っています。
転職活動の際にはネガティブな発言や嘘偽りは控え、将来自分が目指すものや、自分の能力を伝えていきましょう。
転職回数が多いのであれば、なぜ今回も転職しようと思ったのか整理することが大切です。転職理由をあいまいにせず、紙などに書いて言語化してみるのも良いでしょう。
前回の転職理由と何が違うのか、転職を通して成長したい部分や叶えたい条件など、転職をするにあたって何を重視しているのかを明確にして活動を行っていくと良いでしょう。
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