ホームヘルパー2級の時給平均は?できることや勤務先を紹介

ホームヘルパー2級の時給平均は?できることや勤務先を紹介

ホームヘルパー2級の資格は正式名称を「訪問介護員2級養成研修課程」といい、2013年の3月末まで介護職員基礎研修の1つに位置づけられていた資格です。

現在は「介護職員初任者研修」という新たな名称に変わりましたが、資格は有効です。

過去にホームヘルパー2級の資格を取得した方の中には、現在の時給や求人について気になっている方も多いでしょう。

この記事では、ホームヘルパー2級の資格の時給平均について解説します。

できる仕事内容や勤務先についても理解することで、資格を活かした求人を見つけられます。

この記事でわかること

  • ホームヘルパー2級の時給平均
  • ホームヘルパー2級の資格で働ける勤務先

こんな人におすすめの記事です

  • ホームヘルパーの時給を知りたい方
  • ホームヘルパー2級の資格を活かして働きたい方
目次

ホームヘルパー2級の時給平均

ホームヘルパー2級の資格では、正社員とパート・アルバイトの2通りの働き方があります。

以下では、それぞれの給与を時給換算して、無資格の場合との比較をご紹介します。

正社員の時給

厚生労働省が公表した調査結果を参考に、訪問介護事業所で働く、常勤の正社員の給与を以下の表にまとめました。

平均月収 実労働時間 時給
事業所全体
(1,789人)
314,590円 164.7時間 1,910円
ヘルパー2級
(658人)
309,060円 165.0時間 1,873円
保有資格なし
(12人)
286,390円 160.5時間 1,784円

参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

この結果から、ホームヘルパー2級の資格は有資格者の中では特別高待遇ではないものの、資格のない職員と比較すると時給が高くなる傾向にあることがわかります。

上位の介護資格にキャリアアップすることで、さらに給与面での待遇は向上することが期待できます。

パート・アルバイトの時給

同様のデータを参考に、訪問介護事業所でパート・アルバイトとして働く介護士の給与を以下の表にまとめました。

平均月収 実労働時間 時給
事業所全体
(1,462人)
93,960円 56.5時間 1,663円
ヘルパー2級
(952人)
86,330円 52.8時間 1,635円
保有資格なし
(24人)
93,550円 48.3時間 1,936円

参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

このデータでは保有資格のない介護職員が高待遇になるように見えますが、これは統計をとった人数が極端に少ないためと考えられます。

この人数から、そもそも保有資格がない人の訪問介護施設での就職が困難である可能性も考えられるでしょう。

ホームヘルパー2級の資格は、訪問介護施設への就職がしやすくなるメリットがあると言えます。

ホームヘルパー2級の給料の決定基準

ホームヘルパー2級の資格を活かしてヘルパーとして働く場合、給料の決定基準を理解しておく必要があります。

自由度の高さが魅力的な反面、稼ぎにくいシステムの職場もあるので、就職を考えている方は以下の2点に注意して、就職活動の際には必ず確認しましょう。

  • 労働時間のみ給与換算の場合がある
  • 手取りは額面の8割ほど

それぞれ詳しく解説します。

労働時間のみ給与換算の場合がある

ヘルパーとしての働き方には常勤で出勤する以外に、登録ヘルパーという働き方があります。

登録ヘルパーとは、事業所に登録をして依頼が発生したときにのみ出勤する働き方です。

依頼を受けるまでは自宅待機になるので基本的に給与は発生しません。

自由な時間が作りやすいメリットがある一方で、まとまった時間働くことが難しく、金額は稼ぎにくいという特徴もあります。

また、移動時間が給料外になる場合もあります。

ヘルパーとして時給で働く場合には、移動時間の扱いや、移動に対する手当の有無を確認するようにしましょう。

手取りは額面の8割ほど

ヘルパーに限らず介護業界全般の給料システムにおいて、手取りの額は総支給額の8割程度になることが多いです。

これは保険料や年金、税金が差し引かれるためです。

また、総支給額の内訳についても、課税対象額に関わるため、可能であれば確認することをおすすめします。

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ホームヘルパー2級と初任者研修の違い

「ホームヘルパー2級」の資格は2013年3月末で廃止された資格で、現在は「介護職員初任者研修」という名前に変わっています。

研修のカリキュラムや研修時間から、同等の資格として扱われていますが、その内容や研修の実施方法には若干の違いがあります。

「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」の違いを以下の表にまとめました。

ホームヘルパー2級 介護職員初任者研修
資格概要 正式名称は「訪問介護員2級養成研修課程」。
ホームヘルパー(訪問介護員)として必要な知識や技術を習得したことを証明する公的な認定資格。
​​「在宅・施設を問わず、介護職員として働くうえで必要な知識・技術を身につける」ことを目的としている、公的な認定資格。
研修内容 講座のほかに、介護施設での約5日間(30時間)の実習が必須。 実習は廃止され、代わりにスクールでの実技講習の時間が増えている。
「認知症の理解」が追加。
修了基準 全カリキュラムの修了のみ。 カリキュラム終了後に1時間の筆記試験を受けて合格する必要がある。

新制度によって「キャリアパスの一本化」がされました。

これにより、介護職員としてのキャリアアップの道筋が明確化されたのです。

ホームヘルパー2級の資格でできること

介護施設内では介護業務以外にも医療行為や機能訓練(リハビリ)などが行われます。

その中でホームヘルパー2級の資格でできる業務は、大きく分けて以下の2つになります。

  • 生活援助
  • 身体介護

それぞれの詳しい内容を解説します。

生活援助

生活援助とは、高齢者や利用者家族における調理や洗濯など日常生活をサポートする業務です。

これらの業務は資格制限は設けておらず、無資格者であっても実施可能な業務となります。(※)

身体介護

身体介護とは、入浴や排泄、更衣介助など、利用者の身体に直接触れて行う介助のことを指します。

訪問介護における身体介助は、初任者研修以上の有資格者でなければ行うことができません。

また、上記の業務内容に限らず、ホームヘルパー2級の資格は介護士としての知識や技術を証明するものなので、事業所内で任される仕事の幅は広がるでしょう。

※2024年4月より介護に直接携わる介護士で無資格の方は、入職から1年以内の認知症介護基礎研修受講が義務付けられています。
※身体介護に携わるか否かは関係なく、全サービスで働く介護士が対象です。

ホームヘルパー2級の資格で働ける場所

ホームヘルパー2級の資格で働ける場所

ホームヘルパー2級(初任者研修)の資格があれば、幅広い種類の施設や事業所で働くことができます。

企業や法人によって募集要項は変わりますが、有資格者のみの募集も多数あります。

無資格者歓迎の募集においても、有資格者は就職活動を有利に進めることができるでしょう。

以下では各種施設・事業所の概要と、介護職員の業務内容を紹介します。

業務内容はあくまで一例ですので、応募時に先方に確認しましょう。

老人保健施設

介護を必要とする利用者の自立を支援し、在宅復帰を目指す施設です。

医師やリハビリの専門家が配置されており、医学的な管理のもとリハビリが行える、リハビリに特化した介護施設です。

ホームヘルパー2級の介護士は主に以下の業務を行います。

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 移動介助
  • リハビリ業務

特徴的な業務として、理学療法士や作業療法士といった専門家の指示を受けて行う、リハビリ業務があります。自立支援に直接的に携わる良い経験になるでしょう。

特別養護老人ホーム

「要介護3」以上の高齢者が入所対象になる施設です。

「要介護3」以上の方は、身体状況が比較的重度の場合が多く、常に介護が必要な状態の利用者を介助する業務を行います。

ホームヘルパー2級の介護士は主に以下の業務を行います。

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 移動介助
  • 体位変換
  • シーツ交換

24時間体制で介助が必要なため交代勤務になり、夜勤をする必要もあるでしょう。

デイサービス

デイサービスは通所介護施設のことで、現状、在宅生活を送れている利用者に対してサービスを提供する施設です。

そのため自立度が比較的高い利用者が多く、介助量は比較的小さいという特徴があります。

ホームヘルパー2級の介護士は主に以下の業務を行います。

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • レクリエーション・集団体操
  • 送迎業務
  • 様子を連絡帳に記載

送迎業務や家族への様子の報告などが通所介護施設での特徴的な業務になります。

資格を有する介護士としての視点を活かして報告ができる強みがあります。

在宅介護事業所

在宅介護事業所では、在籍しているケアマネージャーが作成したケアプランをもとに、ホームヘルパーが在宅での介護を行います。

ホームヘルパー2級の介護士は主に以下の業務を行います。

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 掃除
  • 調理
  • 洗濯
  • 買い物代行

生活援助と身体介助をどちらも行う場合があります。必要に応じて利用者と幅広い関わり方ができるのが特徴です。

登録ヘルパー

事業所にヘルパーとして登録を済ましておき、依頼が入った際に自宅から直接利用者の自宅に向かう働き方です。

ホームヘルパー2級の介護士の業務内容は、在宅介護事業所と同様になります。

自宅待機時間があるため、自由に時間を使えるメリットがあります。

ただし、まとまった収入が得にくい点や、移動時間が勤務扱いにならない場合がある点については注意が必要です。

ホームヘルパー2級の資格を活かして働こう!

「ホームヘルパー2級」は、現在は「介護職員初任者研修」に変わっていますが、給与面や就職面、可能な業務の幅において、有効な資格です。

また、さらなる高待遇や介護業界での活躍のためのキャリアアップに活かすこともできます。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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