介護の夜勤専従とは、日勤はせずに夜勤のみ行う働き方です。
効率良く稼ぎたい方や朝が苦手な方にとっては、働きやすいしょう。
しかし、夜勤専従の働き方は「きつい」というイメージを持っている方も少なくありません。
この記事では、夜勤専従のきついところ、メリット・デメリットについて解説します。
夜勤専従の働き方について理解を深め、仕事選びの参考にしていただけると幸いです。
この記事でわかること
- 夜勤専従のきついところ
- 夜勤専従の給料
- 夜勤専従のメリット、デメリット
こんな人におすすめの記事です
- 夜勤専従の働き方に興味がある方
- 夜勤専従で働くことを検討している方
夜勤専従の働き方とは【きつい?楽?】
夜勤専従の仕事自体は大変ですが、少ない勤務日数で効率良く稼ぐことができるため、転職の際はメリット・デメリットを理解して決めることが大切です。
以下では、夜勤の仕事内容やスケジュールなど、夜勤専従の働き方について解説していきます。
仕事内容
夜勤の仕事内容は、主に以下の5つです。
- 就寝介助
- 排泄介助
- 定期巡回
- 起床介助
- 食事介助
夜間は利用者も休まれていることが多いため、おむつ交換や定期巡回が主な仕事です。
その他、就寝介助や起床介助なども行います。
日中トイレで排泄している方でも、夜間はおむつを使用する方が多いです。
何名もの入居者のおむつ交換をするため、腰に負担がかかり身体的にきつく感じることもあるでしょう。
介護夜勤の仕事内容について詳しくは以下の記事をご覧ください。
夜勤のスケジュール
夜勤は、2交替制と3交替制があります。
違いは、以下の表の通りです。
種類 | 勤務時間 |
---|---|
2交替制 |
16:00〜翌日10:00 (18時間勤務) |
3交替制 |
22:00〜翌日7:00 (9時間勤務) |
2022年介護施設夜勤実態調査結果概要によると、約9割近い施設で2交替夜勤が導入されています。
今回は、2交替制夜勤のスケジュールについて解説します。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
16:00 | 出勤、申し送り |
17:30〜 | 食事介助 |
19:00〜 | 就寝介助 |
22:00〜 | 定期巡回 |
0:00〜 | 定期巡回、排泄介助 |
3:00〜 | 定期巡回、排泄介助 |
5:00〜 | 定期巡回、排泄介助 |
6:00〜 | 起床介助 |
7:30〜 | 朝食介助 |
9:00〜 | 排泄介助 |
10:00〜 | 申し送り、退勤 |
夜間は、約2〜3時間おきに定期巡回と排泄介助を行います。
2交替制夜勤では、2時間の仮眠が設けられている施設が多く、スタッフ間で交代して仮眠を取ります。
夜勤回数
夜勤の回数は、労働基準法でも決められていません。
しかし、労働基準法では、1週間で働くことができる勤務時間は44時間以内と定められています。
このことから、2交替夜勤で月に10回程度、3交替夜勤で20回程度の夜勤回数になるでしょう。
夜勤専従の平均年収
夜勤専従は、日勤中心の働き方に比べると効率的に稼ぐことができます。
以下の表をご覧ください。
夜勤専従(2交替制) | 通常勤務(2交替制) | |
---|---|---|
基本給 | 187,180円 | |
夜勤手当 |
60,110円 (平均 6,011円×10回) |
24,044円 (平均6,011円×4回) |
その他手当 | 深夜手当、資格手当、処遇改善手当など | |
月給 | 247,290円+その他手当 | 211,224円+その他手当 |
年収 | 約300万円+その他手当 | 約250万円+その他手当 |
夜勤専従と通常勤務では、月給にして約3万5千円の差があり、年収にすると約50万円もの差があります。
その理由は、夜勤手当や深夜手当が多く支給されるからです。
2022年介護施設夜勤実態調査結果によると夜勤手当の平均は、6,011円(2交替制)です。
10回夜勤をすると夜勤手当だけで、60,110円も支給されます。
さらに深夜手当として、22時〜5時の賃金が25%増しになるのです。
これらのことから、夜勤専従の方が効率的にかつ、高い給料を稼ぐことができるといえます。
夜勤専従のデメリット3つ
夜勤専従のデメリットは、以下の3つです。
- 夜型の生活になる
- 身体への負担が大きい
- 急変時の対応が大変
転職した後に後悔しないようにチェックしておきましょう。
夜型の生活になる
夜勤専従になると、生活が昼夜逆転し、夜型の生活になります。
そのため、周りの人と予定を合わせにくくなります。
例えば、友人から仕事終わりに食事に誘われても、夕方や夜から仕事のため行くことができないこともあるでしょう。
3交替制夜勤の場合は夜勤回数が多いため、プライベートを充実させたい場合は、2交替制夜勤のほうが良いかもしれません。
身体への負担が大きい
夜勤専従は普段寝ている時間帯に仕事をするため、身体の負担が大きいです。
また、日勤に比べて、おむつ交換や体位交換などの身体介護も多く、腰を痛めてしまうかもれません。
長期的に夜勤専従をする場合、体内リズムの乱れから体調を崩す心配もあります。
睡眠や食事に気をつけたり、腰のストレッチをしたり、日頃から身体のケアを意識しましょう。
急変時の対応が大変
夜間、看護師が不在の施設もあるため、緊急時の対応が大変です。
急変や転倒事故が発生すると、状況に応じて適切な処置や救急搬送の対応を取る必要があります。
オンコール体制がある施設では、有事のときすぐ看護師に相談できますが、オンコール体制がない施設の場合、介護士が状況を判断して対応するしかありません。
ある程度のスキルが求められるため、無資格や経験が浅い場合、採用してもらえない可能性もあります。
夜勤専従で働く施設の看護師の勤務体制について確認するようにしましょう。
夜勤専従のメリット3つ
夜勤専従のメリットは、以下の3つです。
- 効率良く稼ぐことができる
- 人間関係のストレスが少ない
- 時間にゆとりができる
これらに魅力を感じる方は、夜勤専従が向いているといえるでしょう。
効率よく稼ぐことができる
夜勤専従は日勤の勤務に比べて出勤日数が少なく、効率的に稼ぐことができます。
2交替制夜勤の場合、勤務時間は長いですが、夜勤回数が10日ほどで済みます。
3交替制夜勤の場合、勤務時間は短いですが、夜勤回数が多いため、効率性では劣るかもしれません。
効率良く稼ぎたいと考えている場合、2交替制の夜勤がおすすめです。
人間関係のストレスが少ない
夜勤は、日勤に比べ一緒に働くスタッフの人数も少ないため、人間関係のストレスが少ないです。
夜勤は1〜3人で行い、業務内容も基本的には決まっています。
日勤の仕事に比べ、ケア方法について検討したり、連携を図ったりすることも少なく、人間関係のストレスは少ないといえるでしょう。
時間にゆとりができる
夜勤専従の働き方は、時間に余裕を持つことができます。
介護施設の勤務では、早番や遅番、夜勤などシフト制になっているところが多いです。
早番のときは朝早く起きて仕事に行くため、早起きが苦手な人にとってはきついです。
夜勤専従であれば、出勤前の朝の忙しさから解放され、時間にゆとりを持つことができるでしょう。
夜勤のきつさを軽くする3つの方法
ここまで夜勤専従のメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、慣れていても夜勤は「きつい」と感じてしまうこともあるものです。
そこでここでは、夜勤のきつさを軽くする方法をお伝えします。
- 夜勤前はしっかり仮眠を取る
- 業務をルーティン化させる
- 運動や食事に気をつける
上記のポイントを押さえて、夜勤に臨みましょう。
夜勤前はしっかり仮眠を取る
夜勤専従で働くにあたって、睡眠はとても重要になります。
睡眠不足は、注意力を低下させ、仕事でのミスや介護事故を招く危険性があります。
夜勤の前後や休憩中はしっかり睡眠を取るようにしてください。
また、生活リズムの乱れは疲労の蓄積に影響します。
夜勤のない日も、できるだけ睡眠のリズムを崩さないような生活ができると良いでしょう。
業務をルーティン化させる
業務をルーティン化させることで負担を減らすことができます。
夜勤業務は、業務内容が決まっていることが多く、ルーティン化させることが可能です。
例えば「申し送りが終わったらおむつ交換に必要な備品の確認をする」「おむつ交換を回る順番を決める」などあらかじめ決めておくことで、考える手間や時間を省けます。
人は頭を使って考えると「疲れ」を感じます。
業務をルーティン化することで考える機会が減り、疲労を軽減できるでしょう。
運動や食事に気をつける
体力をつけることで、疲れにくくなったり、体調を崩しにくくなったりします。
体力を向上させるためには、適度な運動だけでなく、食生活にも配慮すると良いでしょう。
栄養をしっかり摂ることは、疲労の回復、丈夫な体づくりに必要です。
健康的な体をつくるために、適度な運動やバランスの良い食事を心がけましょう。
夜勤専従のメリット・デメリットを理解して転職を検討しよう!
夜勤専従は、身体介護も多く、普段寝ている時間に仕事をするということもあり、大変だと感じることも多いです。
しかし、「夜勤手当がつくため収入が増える」「人間関係のストレスが少ない」といったメリットもあります。
そのため、夜勤専従の仕事をする場合は、メリット・デメリットを理解した上で転職を決めると良いでしょう。
夜勤専従として転職するなら、カイゴLINKがおすすめです。
専門の資格を持ったエージェントが、約15万件からぴったりな求人をご提案します。
ぜひこの記事を参考に、あなたに合った理想の働き方を見つけてください。