デイサービスは、夜勤がなく生活リズムを整えやすいことから、ワークライフバランスを考えて働きたい方に特におすすめの職場です。
しかし、夜勤手当が支給されないことによる給料面での不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、デイサービスの平均年収や年収を上げる方法について紹介していきます。
デイサービスの管理者の平均年収についても記載していますので、デイサービスでの勤務を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- デイサービスの年収
- デイサービスで給料を上げる方法
- デイサービスの管理職について
こんな人におすすめの記事です
- デイサービスの年収を知りたい方
- デイサービスの給料を上げたい方
デイサービスの平均年収はいくら?
ここでは、デイサービスの平均年収についてみていきます。
ただし、デイサービスの年収は、資格の有無や、保有している資格などによっても大きく変わるため、あくまで参考程度に確認しましょう。
平均年収は約334万円
厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、デイサービス(通所介護事業所)の常勤の平均月収は、278,180円でした。
つまり、月収から年収を算出すると、デイサービスの平均年収は約338万8,160円となります。
非常勤の平均月収は、93,360円のため、平均年収は約112万320円となります。
手取りは額面の7.5~8.5割といわれています。
そのため、常勤の平均年収は手取りにすると約254万1,120~287万9,936円、非常勤は約840,240~952,272円になります。
デイサービスの詳しい給料に関しては、こちらの記事で解説しています。パートの時給などについても記載しているためご参考ください。
介護施設のなかでは低めの年収
施設 常勤の年収 通所介護事業所(デイサービス) 約333万8,160円 訪問介護事業所 約377万5,080円 通所リハビリテーション事業所 約357万5,760円 認知対応型共同生活事業所 約349万7,520円 介護老人福祉施設 約414万7,080円 引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(182〜183P)」
上記の表からもわかるように、デイサービスの年収は、他施設と比較して特別安いというわけではありません。
しかし、年収のもっとも高い介護老人福祉施設と比較すると、約81万円もの差があります。
介護老人福祉施設は、要介護度の高い方が利用しますが、デイサービスの利用者は比較的要介護度が低いため身体介護が少ないです。
また、デイサービスは、日中のみ運営している場合がほとんどで夜勤がないため、夜勤手当もありません。
以上のことから、デイサービスの給料は、他施設と比較して安いと考えられます。
デイサービスで年収を上げる5つの方法
ここからは、デイサービスの年収を上げる以下の5つの方法について解説していきます。
- 常勤になる
- 資格を取得する
- 勤続年数を増やす
- 管理職になる
- 転職をする
それぞれについて、みていきましょう。
常勤になる
デイサービスで働く場合には、やむを得ない事情がない限り、常勤で働くことをおすすめします。
厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、常勤と非常勤の平均月収には18万円以上の差があり、年収にすると220万円以上の差になります。
あくまで、平均月収から算出した差になるため、必ずしも220万円以上の差があるとは言い切れません。
しかし、常勤と非常勤の年収に差があることは明確なので、状況が許すのであれば、常勤として働くと良いでしょう。
資格を取得する
同じデイサービスの常勤であっても、資格の有無や、保有している資格の種類によって、年収に大きな差が出てきます。
資格 常勤の月収 常勤の年収 無資格者 268,860円 約322万6,320円 初任者研修 261,900円 約314万2,800円 実務者研修 266,790円 約320万1,480円 介護福祉士 289,000円 約346万8,000円 引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(182P)」
無資格者と、介護福祉士保有者では、年収に約240,000円の差があります。
デイサービスに限らず、介護業界では、有資格者に対して相応の「資格手当」が支給されるのが一般的です。
資格の取得は給料アップだけではなく、スキルアップにもなり、場合によっては、役職を任される可能性もあります。
役職に就けば、「役職手当」が支給され、さらに給料アップを目指せる可能性もあるでしょう。
勤続年数を増やす
介護業界では、勤続年数とともに、基本給が上がっていくのが一般的です。
つまり、働く年数が増えれば、比例して給料も上がっていく傾向にあります。
勤続年数 常勤の年収 1年 約297万7,560円 5年 約331万2,960円 10年 約352万6,080円 15年 約341万6,280円 20年以上 約415円1,880円 引用︰厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(167P)」
ただし、上記の表は、役職につき役職手当を支給される方も含んでいるため、一概に勤続年数とともに給料が上がるわけではない点に注意が必要です。
管理職になる
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(161P)」によると、管理職ではない常勤の月収は、271,940円であるのに対し、管理職の月収は、325,020円でした。
つまり、年収に換算すると、管理職ではない方は約326万3,280円、管理職の方は約390万240円で、約63万円の差があることがわかります。
デイサービスの管理職になるために、必ず取得しなければいけない資格はありません。
しかし、管理職になるには、介護士としての経験やスキルが求められるため、介護福祉士の資格を取得しておくと良いでしょう。
転職をする
デイサービスは、基本的に日中のみの運営ですが、中には、夜間運営している事業所もあります。
夜勤者は「夜勤手当」が支給されるため、週に1回夜勤に入るだけでも、給料アップの実感を得られるでしょう。
また、昇給やボーナス、退職金などが支給されるデイサービスへ転職をするのもひとつの方法です。
これらは、必ずしも支給されるものではないため、事前に確認しておくと良いでしょう。
デイサービスの管理者とは?
デイサービスで年収を上げるには、管理者になるのも1つの方法です。
デイサービスの管理職とは、事業所全体の業務を管理する責任者のことです。
管理者の主な仕事は、利用者の管理や人材育成、行政管理、介護サービスの品質管理などで、事業所内に1名以上の常勤の配置が義務付けられています。
勤務時間は、デイサービスの運営時間である9時~17時ごろまでの場合が多いです。
デイサービスの管理者の年収
厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、デイサービスの管理者の月収は325,020円でした。
つまり、月収×12か月で年収を算出すると、約390万240円になります。
ただし、上記の年収はあくまで平均になります。
そのため、待遇の良い事業所や、勤続年数などにより基本給がアップすれば、年収が400万円以上になることもあるでしょう。
管理者の給料が高いデイサービスの特徴
管理者の給料が高いデイサービスの特徴として、以下をチェックしましょう。
- 事業所の運営状況
- 事業所の規模
- 事業所のある地域
事業所の運営状況は、管理者の給料に影響を与えます。
管理者が、人事管理や会計処理などを兼務している事業所であれば、人件費がかからないため、管理者の給料が高くなる可能性があるでしょう。
また、デイサービスは、「大規模型(Ⅰ)」「大規模型(Ⅱ)」「通常規模型」「地域密着型」の4種類に分類されます。
事業所の規模が小さいほど、基本報酬は高くなりますが、事業所の規模が大きいほど、管理者の業務が増えるため、給料がアップする傾向にあるとされています。
さらに、デイサービスに限らず、介護業界は、事業所のある地域によって給料に差があることが特徴です。
可能な限り、最低賃金の高い地域の事業所で勤務することで、年収アップを目指せる可能性があるでしょう。
デイサービスの管理者になる方法
デイサービスの管理職になるために、特別な資格要件はありません。
しかし、事業所全体の責任者を担うことから、介護士としての経験やスキル、マネジメント能力などが必要です。
そのため、まずは介護職員として利用者の関わり方を学び、段階を踏んでスキルアップしておくと良いでしょう。
また、介護士としての技術やスキルの証となる「介護福祉士」の資格の取得もおすすめです。
デイサービスの年収を理解して職場を選択しよう!
デイサービスは基本的に、月曜〜土曜日までの日中のみの仕事です。
そのため、生活リズムを整えやすく、夜間や休日に資格の取得のための勉強がしやすいといったメリットがあります。
日中は、デイサービスで介護士としての経験を積みながら、夜間や休日に資格の取得のための勉強をし、より待遇の良い職場へと転職しましょう。
資格を取得できれば、デイサービス以外の職場へも転職しやすくなるため、求人の幅も広がります。
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