介護士として働く方の中には、スキルアップを目指して資格を取得したいと考える方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、慢性的な人手不足が問題となっている介護業界で、働きながらスケジュール調整をするのが難しいという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、通信教育講座のみで取得できる主な介護の資格について紹介していきます。
通信のみで資格を取得するメリット・デメリットについても解説していますので、資格取得方法を検討する際の参考にしてください。
この記事でわかること
- 通信のみで取得できる介護の資格
- 通信で資格を取得するメリット・デメリット
こんな人におすすめの記事です
- スキルアップのために介護の資格を取得したい方
- 通信のみで取得できる介護の資格を知りたい方
介護の資格は通信のみで取得できる?
介護の資格の中には、通信のみで取得可能なものもあります。
しかし、すべての介護の資格が通信のみで取得できるわけではなく、通学しなければ取得できない資格もあるため注意しなければなりません。
通信のみで取得できる介護の資格9選
ここからは、通信のみで取得できる主な介護の資格を紹介していきます。
現在勤めている介護施設や今後目指すキャリアなどから、取得する資格を考えるとよいでしょう。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修とは、2001年より開始された「認知症介護実践者等養成事業」の中に位置づけられた介護初任者を対象とする研修です。
認知症介護の専門職員の養成や、認知症介護の充実を図ることを目的としています。
2024年4月より、無資格の介護職は必ずこの研修の受講が義務付けられた資格でもあります。
これから介護職へ転職を考えていたり、ブランクがある方、まずはどの介護資格から取得するか悩んでいる方は、まずは認知症介護基礎研修を受講しましょう。
研修はeラーニングを使用して行うため、自宅での受講が可能です。
レクリエーション介護士2級
レクリエーション介護士には1級と2級の2種類があり、2級のみ通信で取得が可能です。
1級は通信のみでは取得できないため、注意しましょう。
レクリエーション介護士2級を取得すると、自身の特技や趣味を活用したレクリエーションの企画・立案ができるようになります。
ほかにも、高齢者とのコミュニケーションの取り方について改めて学べるため、介護士としてのスキルアップになるでしょう。
2級を通信のみで取得する場合の標準勉強時間は約3ヶ月と比較的短く、難易度もそれほど高くありません。
レクリエーション介護士2級に関する詳しい内容に関しては、以下の記事をご覧ください。
認知症介助士
認知症介助士とは、認知症に関して正しく理解し、さまざまな事例を通して認知症の方への適切な関わり方を学べる資格です。
公益財団法人日本ケアフィット共育機構が内閣府から認証を受けて、2014年に開始となりました。
認知症介助士の標準勉強時間は約3ヶ月です。
また、認知症介助士の資格を取得するためには、検定試験に合格する必要がありますが、合格率は約8割と難易度は高くありません。
試験に関しても、インターネット経由での受験が可能なため、自宅で受けることができます。
看取りケアパートナー
看取りケアパートナーとは、看取りを行うために必要な技術や知識を身につけることができる資格です。
具体的には、看取り期や終末期といった亡くなるまでの期間に必要な介護や生活援助、精神的サポートを中心に学びます。
看取りケアパートナーの標準勉強期間は約3ヶ月で、資格取得のための試験も自宅で受けることが可能です。
看取りケアパートナーの試験は70点以上で合格となり、不合格となってしまった場合でも、2回まで再試験が可能です。
看護助手講座
看護助手とは、病院などの医療施設で医師や看護師のサポートなどを行う介護士のことです。
看護助手講座を修了で看護助手実務能力認定試験に合格したこととなるため、看護助手に関する専門的な知識を保有していることの客観的な証明となります。
看護助手は、無資格でもなることができますが、資格を保有していたほうがより待遇のよい医療施設で働ける可能性があります。
看護助手講座は、最短3ヶ月程度で取得が可能です。
看護助手については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
介護事務管理士
介護事務管理士とは、介護施設や事業所における事務作業の専門家であることを証明できる資格で、技能認定振興協会(JMSA)が認定を行っています。
介護事務管理士技能認定試験に合格することで、資格が取得できます。
介護事務管理士の合格率は約70%ですが、学科と実技の両方の正答率が80%以上必要なため、まんべんなく対策が必要です。
介護事務管理士の標準勉強期間は約4ヶ月です。
また、似た資格にケアクラーク技能認定試験がありますが、介護事務管理士とは求められる知識が異なるため注意しましょう。
介護事務管理士は、介護請求事務に特化した知識が求められますが、ケアクラークは、介護事務だけではなく、介護全般に関する知識が求められます。
ケアクラークも、通信のみでの取得が可能です。
介護事務は無資格でも可能ですが、資格を取得することで業務の幅が広がるため、転職の際にも有利になるでしょう。
介護食アドバイザー
介護食アドバイザーとは、介護食に関する知識や高齢者向けのレシピについて学べる資格です。
標準勉強期間は約3ヶ月で、試験に合格することで資格が取得できます。
試験は自宅での受験が可能で、正答率70%以上で合格となります。
難易度はそれほど高くないですし、不合格の場合には何度も受験が可能です。
介護予防健康アドバイザー
介護予防健康アドバイザーとは、介護が必要な状態を予防するための基礎知識や、運動方法について学べる資格です。
介護予防健康アドバイザーの資格を取得するためには、教材と一緒に届く認定試験に合格する必要があります。
難易度は高くなく、標準勉強期間も約3ヶ月程度です。
デイサービスやデイケアなどでニーズの高い資格です。
介護口腔ケア推進士
介護口腔ケア推進士とは、高齢者のQOL向上を目的に、口腔ケアに関する正しい知識について学ぶ資格で、試験合格で資格取得となります。
試験は、正答率70%以上で合格となり、標準勉強時間は約3ヶ月です。
終活アドバイザー
終活とは「人生の終わりのための活動」の略で、終活アドバイザーを取得すると、終活に関する情報提供やアドバイスができるようになります。
終活アドバイザーの資格を取得するための試験は、正答率60%以上で合格、不合格だった場合でも再試験が受けられるため、合格率はほぼ100%といわれています。
標準勉強期間は4ヶ月ほどです。
通信のみ取得できる資格のメリット・デメリット
通信のみでの資格取得にはメリットもありますが、一方でデメリットもあります。
メリットとデメリット、両方を理解したうえで、通信のみでの資格取得を目指すのか、通学での資格取得を目指すのかを検討しましょう。
メリット
通信のみで資格を取得する主なメリットは以下になります。
- 自身のペースで学習を進められる
- 自身に必要な知識に特化した資格を比較的簡単に取得できる
- 受講要件がないものが多く、取得しやすい
通信のみで資格を取得することの最大のメリットともいえるのが、自身のペースで学習を進めていける点です。
通学の場合、決められた時間に指定の場所へ行く必要がありますが、通信であれば、時間や場所を選ばず自身のペースで好きなときに勉強が可能です。
そのため、仕事や育児などのスキマ時間を有効活用しながら自身のペースで学習を進めていくことができます。
また、通信のみで取得できる資格の場合、1つのことに特化した内容の資格が多いため、すでに介護の資格を取得している方がプラスで取得するのにおすすめです。
受験要件がなく、誰でも受講できる資格も多いため、無資格の方でも興味のあるものから取得し、介護に関する理解を深めてもよいでしょう。
デメリット
通信のみで資格を取得する主なデメリットは以下になります。
- わからないことがあった際にその場で聞けない場合がある
- 自身でのスケジュール管理が必要
- モチベーションが保ちにくい
通信の場合、テキストやDVDを見ながら自身で学習を進めていくため、わからないことがあった際にその場ですぐに聞けないというデメリットがあります。
わからない点や疑問点があった際に、どのように確認すればよいかは事前にチェックしておきましょう。
確認方法もメールや電話など、スクールによってさまざまですので、あわせてチェックしておく必要があります。
また、通信の場合は自身のペースで勉強ができる反面、自身でスケジュール管理をしていかなければなりません。
モチベーションが続かなくなる方も多く、中には資格取得自体を途中で断念してしまう方もいます。
スクールが行っているサポート体制などを活用しながら、スムーズに勉強を進めていきましょう。
介護職員初任者研修は通信のみでは取得できない
介護職員として働くうえで取得しておくとよいのが、介護に関する基本的な知識と技術を習得できる「介護職員初任者研修」です。
初任者研修で習得する介護技術に関しては、実技での学習が不可欠となります。
したがって、初任者研修は「通学のみ」または「通信+通学」のどちらかの方法でしか取得できません。
通信と通学を組み合わせて資格を取得する場合、通信で学べるのは130時間のカリキュラムのうちの40.5時間のみになります。
初任者研修に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
通信講座での資格取得でダブルライセンスを目指そう!
通信のみで取得できる介護の資格は、1つのことに特化した内容となっているものが多くなっています。
無資格者の場合はまず、介護の基本となる認知症介護基礎研修や初任者研修などの資格を取得しましょう。
その後、通信での資格取得でダブルライセンスを目指すのがおすすめです。
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