サービス提供責任者は、訪問介護事業所においてリーダー的な役割を担う役職です。
ヘルパーからサービス提供責任者へのキャリアアップを考えている方も多いでしょう。
この記事では、サービス提供責任者になるための資格要件や必須知識について解説していきます。
資格要件について理解を深め、サービス提供責任者へのキャリアアップを目指してください。
この記事でわかること
- サービス提供責任者に必要な資格要件
- サービス提供責任者の仕事内容
こんな人におすすめの記事です
- サービス提供責任者へキャリアアップを考えている方
- サービス提供責任者になるために必要な資格を知りたい方
サービス提供責任者とは?
サービス提供責任者とは、訪問介護事業所においてリーダー的な役割の役職です。
サービス提供責任者の役割
サービス提供責任者の役割は、適切に介護サービスを提供できるようにヘルパーの指導やサポート、外部との連携を図ることです。
サービス提供責任者の配置基準
訪問介護事業所におけるサービス提供責任者の配置基準は以下の通りです。
常勤専従の訪問介護員のうち、
- サービスの提供時間が450時間又はその端数を増すごとに1人以上
- 訪問介護員等の数が10又はその端数を増すごとに1人以上
第93回社会保障審議会介護保険部会によると訪問介護の有効求人倍率は、約15倍もあり、人手不足の現状です。
その中でも資格要件をクリアした人しかなれないサービス提供責任者の需要は高いといえるでしょう。
サービス提供責任者になるためには
サービス提供責任者に必要な資格要件とスキルについて解説します。
サービス提供責任者に必要な資格
サービス提供責任者の資格要件は以下の通りです。
- 介護福祉士
- 実務者研修修了者
2018年介護保険法改正により、以下の資格要件が除外されました。
- 旧介護職員基礎研修
- 旧1級訪問介護員
- 旧3年以上介護等の業務に従事した2級訪問介護員
資格要件を満たすことでサービス提供責任者の役職に就くことができます。
しかし、実際のサービス提供責任者は介護福祉士の資格を保有をしている方が多いです。
その理由として、ヘルパーを指導するにあたって専門的な知識やスキルが求められることや、介護福祉士の資格にヘルパーを指導する役割があることが考えられます。
看護師や社会福祉士等の国家資格は資格要件の対象外となるため注意が必要です。
サービス提供責任者の資格要件である介護福祉士の資格取得方法は以下の通りです。
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高校ルート
働きながら資格取得を目指す場合は、実務経験ルートがおすすめです。
実務経験3年以上+実務者研修を修了し、国家試験に合格することで介護福祉士を取得することができます。
介護福祉士の資格取得について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
もう1つの資格要件である実務者研修は、450時間以上のすべての科目を受講することで資格を取得できます。介護福祉士になるために必要な資格ですので、取得しておくと良いでしょう。
実務者研修について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
サービス提供責任者の必須知識やスキル
サービス提供責任者の業務には、以下の5つのスキルが求められます。
- 介護に関する知識・スキル
- 調整力
- アセスメント力
- リーダーシップ
- 書類作成能力
サービス提供責任者は、介護に関する知識以外にも幅広いスキルが求められます。
実際の介護業務やヘルパーを指導するには、専門的な知識やスキルが必要なためです。
また、日々の業務の中で、ケアマネジャーと連携を図り、サービス利用日を調整したり、ケア内容について相談したりするため、スケジュール管理能力や調整力も必要になります。
訪問介護では、利用者のできるところまで介助してしまうと機能低下を招く危険性があり、アセスメントで「できること・できないこと」をしっかり把握することが重要です。
自立支援のケアができるようにアセスメント力を磨きましょう。
さらに、サービス提供責任者は、事業所の中心的存在であり、リーダーシップが求められます。
リーダーシップは、先頭に立ってチームを引っ張るタイプや個々に寄り添いながらチームをまとめるタイプなどあり、決められた形はありません。
自分に合ったリーダーシップを見つけられると良いでしょう。
サービス提供にあたって、個別介護計画書やモニタリング記録などのさまざまな書類を作成する必要があるため、書類の作成能力が高いと効率よく仕事をすることができます。
以上のことから、サービス提供責任者は、さまざまなスキルが求められることがわかります。
初心者には難易度が高いため、訪問介護員として十分な経験を積み、サービス提供責任者へキャリアアップする方法がおすすめです。
サービス提供責任者に必要な知識やスキルは、「サービス提供責任者研修セミナー」で学ぶことができます。
就任して間もなかったり知識やスキルに自信がない方やよりレベルアップを目指したい方は受講してみてください。
サービス提供責任者の仕事内容
サービス提供責任者の主な仕事内容は以下の6つです。
- 訪問介護計画の作成
- 介護業務
- モニタリング
- ケアマネジャーとの連携
- ヘルパーの指導、サポート
- 担当者会議の出席
サービス提供責任者は、適切なサービス提供のために介護業務から管理業務まで行う重要な役割です。
そのため、業務内容は多岐に渡ります。
実際の現場で介護業務も行いながら、他のヘルパーの指導やサポートをします。
それ以外にも計画書や報告書作成などの事務作業やケアマネジャーとの連携など幅広い業務をこなします。
1日のスケジュール
サービス提供責任者の1日のスケジュールは、その日の予定により変動します。
以下の表を例にあげて解説していきます。
時間 | 業務内容 |
---|---|
9:00〜 | 出勤、申し送り |
10:00〜 | ヘルパー業務 |
12:00〜 | 休憩 |
14:00〜 | 新規利用契約 |
16:00〜 | 事務作業 |
17:00〜 | ケアマネジャーとの連絡調整 |
18:00 | 退勤 |
出勤後まず申し送りを行い、その日の予定や引き継ぎ事項を確認します。
それから午前中に利用者宅を訪問し、サービス提供やモニタリングを行います。
午後は、新規利用者の契約や訪問介護計画の作成、ケアマネジャーとの連絡調整などを行います。
実際の業務では、隙間時間に連絡調整をしたり、ヘルパーの欠勤や利用者宅でのトラブルに対応するなど、臨機応変な対応が求められるでしょう。
平均給料
令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によるとサービス提供責任者の平均給料は、327,020円です。
それ以外の訪問介護員の平均給料は、296,770円であり、サービス提供責任者のほうが約30,000円高い結果となっています。
サービス提供責任者のメリット・デメリット
サービス提供責任者になるメリット・デメリットについて解説します。
メリット
- 給料が高い
- スキルアップできる
- キャリアアップにつながる
サービス提供責任者は、他のヘルパーに比べて給料が高いです。
その分、仕事内容も多岐に渡りますが、介護スキルだけでなく、サービス提供における調整力やリーダーシップ、書類作成能力などさまさまなスキルを身につけることができるでしょう。
サービス提供責任者の経験や身につけたスキルで、管理者へキャリアアップすることも可能です。
デメリット
- 仕事の責任が重くなる
- 業務量が増える
- 時間外労働になることもある
サービス提供責任者の業務内容は、適切なサービス提供をするための調整やヘルパーの指導です。
仕事に対する責任やプレッシャーは大きくなるでしょう。
また普段の介護業務を行いながら、サービス提供責任者としての仕事もこなすため業務量も増えます。
そのため、時間内に仕事が終わらず、時間外労働になることもあります。
そうならないためにも計画的に仕事をしたり、事務作業を効率化したり工夫することで、効率良く業務をこなすことができるでしょう。
サービス管理責任者として活躍しよう!
サービス提供責任者になるためには、介護福祉士、実務者研修修了の資格が必要です。
訪問介護におけるリーダー的な役割のため、介護に関する知識やスキルだけでなく、リーダーシップや調整力などのスキルも必要になります。
業務内容は、現場での介護業務からヘルパーの指導やサポート、訪問介護計画の作成など業務内容は多岐に渡ります。
大変な役割ではありますが、給料のアップやスキルアップのメリットがあります。
また、経験や実績を積むことで管理者へキャリアアップすることも可能です。
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