特養の仕事はきつい?仕事内容・働くメリット・やりがいを紹介

特養の仕事はきつい?仕事内容・働くメリット・やりがいを紹介

特養は介護職が中心となり、長期的に入居者の介護に携わることができるやりがいのある職場です。

しかし、介護度が重い入居者が多かったり、夜勤があったりすることから、「きつい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、特養の仕事においてどのようなことが大変なのかを具体的に解説していきます。

また、特養で働くメリット・やりがいについてもお伝えしていきます。

この記事を参考に、特養への理解を深め、自分に合ったやりがいのある仕事をみつけてください。

この記事でわかること

  • 特養の仕事内容
  • 特養の仕事のきついところ
  • 特養で働くメリット・やりがい

こんな人におすすめの記事です

  • 特養への転職を考えている方
  • やりがいのある仕事を探している方
目次

特養とは?

特養の正式名称は、特別養護老人ホームです。

在宅での生活が困難な要介護者に、施設において食事や排泄、入浴等の必要な介護や健康管理、機能訓練を提供します。

入居するためには、要介護3以上の条件があるため、入居者の大半は身体が不自由であり、日常生活全般において介助が必要な方が多いです。

従来型とユニット型の違い

特養には「従来型」と「ユニット型」の2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。

従来型 ユニット型
構造 従来型個室 ユニット型個室
多床室 ユニット型多床室
人数 大人数 少人数
※1ユニット概ね10人以下
介護 集団的ケア 個別的ケア

従来型は、大人数の入居者をグループとして介護するため、集団的なケアが特徴です。

居室は、「従来型個室」「多床室」と2つの部屋の種類があり、多床室は4人部屋が多いです。

集団的ケアのため入居者の個々の要望に対応することが難しいときもありますが、効率よく介護することができるメリットがあります。

ユニット型の特養は、ユニットと呼ばれる概ね10名以下の少人数のグループで構成され、入居者ごとに個別的なケアができることが特徴です。

居室は、「ユニット型個室」「ユニット型多床室」と2つの部屋の種類があります。

ユニットごとに職員が配置されるため、利用者と深く関わることができます。

少人数で個別的ケアを行うため、入居者個々の要望にも答えやすいメリットがあります。

特養の仕事内容

特養の仕事内容には以下のようなことがあります。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 健康管理
  • 身体機能の維持
  • 家族や他職種との連携

身体介護は、身体機能の低下や認知症などにより、食事や排泄、入浴等の日常生活動作が困難な方に対して直接身体に触れて行う介助のことです。

生活援助は、主にシーツ交換や掃除など入居者が施設で生活を送る上で必要な補助的な業務を行います。

健康管理は、看護師と連携し入居者の健康状態を管理していきます。

具体的には、血圧や体温測定、体調の確認をして異常があれば看護師へ報告し、指示を仰ぎます。

些細な変化にも気づけるように普段から入居者の様子に注意を向けておくことが大切です。

身体機能の維持では、生活リハビリを中心に日常生活の中で行う食事をはじめ、排泄や入浴、移動や更衣などの動作を可能な限り自分で行うことで機能維持に努めます。

介護職としては、入居者ができることとできないことをしっかり把握して介護に当たることが大切です。

できることまで介護してしまうと身体機能低下につながってしまうので注意が必要です。

家族や他職種との連携では、看護師や生活相談員等の専門職や家族と協力し、入居者生活を支えていきます。

体調不良の時は、看護師へ相談・報告したり、安心した生活を送ってもらうために家族に定期的な面会を依頼したりします。

特養は介護職が中心となり、利用者の生活を支えていきますが、介護職だけでは入居者に安心・安全な生活を提供できません。

他職種や家族とも連携を図り、チームとして入居者の生活を支えていくことが大切です。

特養の1日の仕事の流れ

1日の仕事の流れについて、日勤帯と夜勤帯に分けて解説していきます。

日勤帯

時間 業務内容
6:30~ 起床・整容介助
7:30~ 朝食介助
9:00~ 排泄介助
10:00~ 入浴介助
12:00~ 昼食介助
13:00~ 排泄介助
14:00~ レクリエーション
15:00~ おやつ介助
16:00~ 排泄介助
18:00~ 夕食介助
19:00~ 排泄・就寝介助

特養では、1日を通して入居者の介護を行います。

勤務時間は施設により異なりますが、以下のようなシフトで組まれます。

  • 早番(7:00~16:00)
  • 日勤(9:00~18:00)
  • 遅番(10:00~19:00)

日中は食事や排泄の介助が中心となり、午前中から午後にかけて入浴介助を行います。

午後は、レクリエーションや体操等の活動を行います。

食事や入浴介助の時間帯が、人手が必要になるため1番忙しく、午後は比較的落ち着き、記録をしたり、入居者とゆっくり関わることができるでしょう。

夜勤帯

時間 業務内容
21:00~ 定期巡回
0:00~ 定期巡回、排泄介助
3:00~ 定期巡回
5:00~ 定期巡回、排泄介助

夜勤帯は、定期巡回と排泄介助が中心となります。

従来型特養の場合、2〜3人で夜勤を行うことが多く、ユニット型特養の場合、20名(2ユニット)を1人で見ることが多いです。

夜間帯は、安眠できるようにおむつを使用する入居者が多く、何人もの入居者のおむつ交換をするため、腰に負担がかかります。

適切な介助方法や日頃から腰のケアを行い、腰痛予防に努めると良いでしょう。

夜勤の勤務時間は「2交代制勤務」か「3交代制勤務」により異なります。

  • 2交代制勤務は、17:00~翌日10:00までの17時間勤務(うち2時間休憩)
  • 3交代制勤務は、22:00~翌日7:00までの9時間(うち1時間休憩)

特養の仕事がきついと言われる4つの理由

特養の仕事がきついと言われる4つの理由について解説していきます。

仕事量が多く身体的な負担が大きい

特養は、介護度が重く身体介護が必要な方が多いです。

身体介護が多いと、介護者の負担も大きく体力も必要になります。

日頃から運動をして体力向上に取り組んだり、体のケアや負担の少ない介助方法を身につけたりすると良いでしょう。

介護の仕事は、入居者個々で対応が違ったり、記録や報告書作成などがあったりするため多岐にわたります。

そのため、はじめのうちは仕事を覚えきれないこともあるかもしれません。

教わったことはメモに取ったり、わからないことは先輩スタッフに聞いたりすると良いでしょう。

入居者とのコミュニケーションが難しい

特養では認知症を患っている入居者も多く、意思疎通が困難な方もいます。

相手の言いたいことがわからず、こちらの伝えたいことも伝わらないことがあるため、ストレスを感じることもあるでしょう。

意思疎通が難しいときには、相手の言葉だけでなく、表情やしぐさ、声のトーン等にも注意を向けると良いでしょう。

職員間での価値観の違い

介護に対する価値観の違いから、意見の相違が生まれストレスに感じることがあります。

そのようなときは、職員間で話し合うことが大切です。

その際、施設の介護理念や介護福祉士倫理綱領などを参考にすると目指すべき方向性が見え効果的な話し合いができるでしょう。

また、職場の雰囲気もやりがいを持って働けるかの大きな要因になります。

人間関係の不満により、離職につながるケースも少なくありません。

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不規則なシフトで生活リズムが乱れやすい

特養は、早番、遅番、夜勤などさまざまな勤務形態があります。

毎日違う時間に仕事をするため、それに合わせて起床時間や食事、睡眠時間がズレてしまいます。

大まかな食事や睡眠の時間の目安を決め、できるだけ生活リズムを一定にする努力が必要です。

また、夜勤明けは夜の睡眠に影響が及ばない程度に仮眠を取り、夜しっかり眠ることで生活リズムが崩れにくくなるでしょう。

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特養で働く4つのメリット・やりがい

特養で働くメリット・やりがいについて解説していきます。

介護スキルが身につく

特養には身体的に不自由であったり、認知症があったりする方が多いため、おむつ交換やベッドから車いすへの移乗介助、認知症の方の対応など幅広い介護スキルを身につけることができます。

在宅で生活している方を対象にしているデイサービスは、比較的介護度が軽い利用者が多いため、特養の方がより高度な介護スキルを身につけることができるでしょう。

他の施設より給料が高い

各サービスごとの給料について以下にまとめました。

各サービス 給料
特別養護老人ホーム 345,590円
介護老人保健施設 338,390円
デイサービス 314,590円
訪問介護 278,180円
グループホーム 291,460円
介護療養型医療施設 287,070円
有料老人ホーム 319,760円

引用:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 

特養は、他の施設に比べて給料が高い傾向があります。

他の介護サービスに比べて介護職の役割が評価されていることや、夜勤があることなどが要因と考えられます。

特養の給料に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

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チームで仕事をすることで達成感を味わえる

チームで連携して介護することで達成感や楽しさを感じることができます。

特養では、介護職以外にも看護師や生活相談員等と連携を図り、利用者の生活を支えていきます。

チームで協力して目標達成やケアで利用者の課題が改善した時に達成感を共有でき、やりがいにつながるでしょう。

感謝されることが多くやりがいを感じる

入居者やその家族から感謝の言葉をいただくとやりがいを感じることができます。

大変なことも多くありますが、「ありがとう」の一言で「介護の仕事をしていて良かった」と思えるでしょう。

また、モチベーションの向上にもつながります。

自分に合ったやりがいのある職場で働こう

自分に合ったやりがいのある職場で働こう

特養の仕事は、介護や記録などやることが多く大変な面もあります。

しかし、それ以上に入居者やその家族から感謝されたり、スキルアップすることで成長を感じることができ、やりがいの多い仕事です。

職場の雰囲気はやりがいを持って働くことができるかの大きな要因になります。

自分にあった職場でやりがいのある仕事を探したい方には、カイゴLINKがおすすめです。

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監修者

【保有資格】
・社会福祉士

【経歴】
・医療ソーシャルワーカー約5年
・介護専門のキャリアアドバイザー約4年
・株式会社SOYOKAZE(旧 株式会社ユニマットリタイアメントコミュニティ)経営企画室約4年
・株式会社SOYOKAZE Staff Company(旧 株式会社ユニマットスタッフカンパニー)取締役社長約3年

医療ソーシャルワーカー時代に都内有数の急性期病院で約5年、約1,000名の介護相談支援を行い高齢者福祉業務に従事。その後、介護専門のキャリアアドバイザーとして4年間で累計約1,000名の介護職希望者のキャリア面談を行う。
介護業界有数の施設を持つ 株式会社SOYOKAZE にて経営企画に従事したのち、株式会社SOYOKAZE Staff Company の社長に就任。

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