介護職への転職を考えていても、ネガティブな意見を聞くと、失敗や後悔をしてしまうのではないかと不安を感じてしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、介護転職でよくある失敗事例と成功するためのポイントについて、現役の介護職員である筆者が解説します。
起こりうる事態を事前に把握することで不安を解消し、介護転職を成功させましょう。
この記事でわかること
- 介護転職の失敗事例
- 介護転職を成功させるためのポイント
こんな人におすすめの記事です
- 介護転職で後悔したくない方
- 介護転職で失敗するケースとその対策を知りたい方
介護転職のよくある失敗事例7選
介護転職で失敗する事例と原因について、実体験をもとに解説します。
人手不足で忙しい
介護業界は人手不足が慢性化しています。
介護施設の場合、早番や日勤、遅番、夜勤というシフトごとに、それぞれ細かい業務内容が決まっています。
しかし、人手が足りなくなると、食事や排泄介助などの最低限のケアに追われてしまいます。
スタッフはいつも走り回っている状態で、利用者とゆっくり話をする時間は作れません。
業務の面でも、入浴介助が充分に行えなかったり、利用者の整容やシーツ交換が後回しになってしまったりすることもあるでしょう。
また、自分の思うように休みがとれなかったり、急なシフト変更で休日出勤しなければならなくなったりすると、リフレッシュできずに精神面で限界に達してしまう方がでてきてしまいます。
体力的にきつい
介護の仕事は立ち仕事が多く、体力的にきついと感じる方が多いです。
身体介護では、ベッドから車椅子への移乗介助やおむつ交換など、利用者の身体に直接触れて介助を行います。
その際、中腰の姿勢になることが多く、腰痛の原因にもなり得ます。
業務はシフト制の変則勤務で夜勤もあるので、生活は不規則になりがちです。
特に異業種から転職した方の中には、想像していたよりも身体への負担が大きく、生活リズムが崩れ体力的にきついと感じる方もいるようです。
また、人手が足りなくなると残業が増えたり、急なシフト変更が生じたりすることもあります。
長く介護の仕事をしたくても、身体を休められず体力的にきついと感じ、退職を考えるスタッフもいます。
人間関係によるストレスが大きい
介護労働安定センターが毎年実施している介護労働実態調査によると、前職を辞めた理由の1位は「人間関係に問題があったため」です。
どの職場にも人間関係の問題はつきものですが、人間関係がうまくいかないとストレスを感じ、働きにくさを感じます。
介護の仕事は、介護士だけでなく、ケアマネジャーや看護師、栄養士など他職種との連携が欠かせません。
そのため、合わない人が多くなるとストレスを感じます。
とはいえ、その職場の雰囲気や人間関係は、入職して仕事を始めてみないとわからないことが多いでしょう。
面接や入職説明の際に、実際に働いている人に話を聞ける機会を作れるかどうか確認するのも1つの方法です。
仕事と休日の切り替えをしっかり行い、趣味などでストレスをうまく発散することも大切です。
事前に聞いていた勤務条件・待遇と異なる
入職前に業務内容を確認していても、実際に働いてみると、求人情報や面接の際に聞いていた内容と待遇が異なることもあります。例えば、以下のようなケースです。
- ユニット型特養の介護士に応募したつもりだったが、実際の採用は同施設内の従来型だった
- 給与の額が説明と違う
- 夜勤なしの求人だったが、人手不足で夜勤を頼まれている
勤務する時間帯や給与が想定と大きく違ってくると、自身の生活への影響が大きくなります。
勤務条件や待遇については、職場と雇用契約を結ぶ際に「労働条件通知書」が発行されます。
この通知書には、勤務場所や業務内容、勤務する時間、賃金などの重要事項が記載されているので、仕事が始まる前に内容を確認し、不明な点は質問して解決しておきましょう。
想像していた仕事内容と違う
自分が持っていたイメージと実際の業務の違いが大きすぎると、働くことがつらくなり、早期退職に至ってしまうケースもあります。例えば、以下のような場合です。
- 楽そうな仕事だと思っていたら想像よりきつかった
- 思っていたよりも自分は介護に興味がなかった
- 認知症の方の周辺症状への対応にストレスを感じる
実際に働き始めてから想像と現実のギャップに悩む介護士の方は多くいます。
介護の仕事がどのような仕事なのか、周囲の人に聞いたり調べたりすることも必要です。
教育制度が整っていない
スタッフに対する教育制度は施設によってまちまちです。
特に未経験で入職したスタッフの場合、充分な教育が受けられないと、仕事に慣れるのに時間がかかってしまいます。
入職した最初の数日は施設の説明や基本的な介護技術、働く上での注意事項など、座学で研修を行い、その後現場に入る流れが一般的です。
しかし、人手不足からか、初日から現場に入れられてしまうケースもあります。
それまでに介護施設で働いた経験があったとしても、その施設で働くことは初めてで、利用者の特徴もわからない状況からのスタートです。
特に指導がなく、以前働いていた施設と同じようなやり方をしていたら注意されてしまったということもあります。
教育を受けられず、仕事に慣れるのに時間がかかってしまうとストレスになるので、面接時に「スタッフに対する教育制度がどのようになっているのか」を確認しておくとよいでしょう。
給料が低い
介護の仕事は、他の産業に比べると給料が低いと言われています。
そして、肉体労働や精神的な負担をともなう仕事であるにもかかわらず、仕事内容に対して賃金が低く、割に合わないと不満を持つ方もいるでしょう。
転職して給料が上がっても、
- 仕事内容がより過酷になった
- サービス残業が多い
といった場合もあるため注意が必要です。
介護転職を成功させるための4つのポイント
介護転職を後悔なく成功させるためのポイントは以下の4つです。
- 自分の希望条件を明確にする
- 複数の求人から比較検討する
- 応募先の施設についてよく理解する
- 転職エージェントを利用する
転職の失敗を避けるためにも、1つずつチェックしておきましょう。
自分の希望条件を明確にする
介護転職を成功させるためにもっとも必要なことは「自分が介護の仕事に求める条件を明確にし、優先順位をつける」ことです。
給料や仕事内容、勤務する場所や時間、スキルアップできるかなど、転職する理由は人によってさまざまです。
「自分が何を求めて転職活動をするのか」という軸がぶれてしまうと、希望と異なる職場を選んでしまいます。
給料アップを求めていたのに、面接の際に法人の理念に感銘を受けて転職した結果、給料が下がり生活水準を落とさざるを得なくなってしまっては本末転倒です。
自分の転職理由に優先順位をつけ、優先度の高い条件を満たせる職場を探しましょう。
複数の求人から比較検討する
転職活動をする際は、ひとつの求人だけではなく、複数の求人から比較検討しましょう。
「1日でも早く今の職場を辞めたい」「すぐに転職先を決めたい」という理由で、ひとつの求人だけで転職先を決めてしまう方もいます。
ですが、それらの職場があなたに合っているかどうかは、働き始めてみないとわかりません。
そのため、事前にわかる情報はしっかり仕入れ、複数の職場を比較検討することが大切です。
応募先の施設についてよく理解する
介護転職で後悔しないためには、応募先の施設についてよく理解することが必要です。
把握しておく点は、事業所の理念や業務内容、待遇、利用者の特徴などがあります。
可能であれば施設見学をさせてもらい、事業所の雰囲気やスタッフの表情、利用者の様子を自分の目で確認できるとよいでしょう。
応募先の事業所について理解できれば、自分の転職の軸に沿っている事業所なのかどうか判断しやすくなります。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、転職を検討している人と、採用を考えている事業所をマッチングするサービスです。
数多くの求人の中から、自分に合った事業所を探すのには限界があります。
転職エージェントを利用すれば、求人の提案だけでなく、給与や条件などの交渉、応募書類の添削や面接のアドバイス、面接の日程調整などの手厚いサポートを受けられます。
カイゴLINKなら、非公開の求人も扱っており、約4万件にも及ぶ介護の求人から、ぴったりの条件の事業所を検索・提案してもらえます。
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介護転職で失敗し、後悔しないためには、しっかり情報収集することが大切です。
わざわざ手間や時間をかけて転職をしても、自分のイメージしていた仕事内容や給料とかけ離れていたという事例は数えきれません。
転職活動をする際は、自分自身の転職の軸を明確にしましょう。
そして、転職エージェントを利用することで、あなたの希望に合う施設を見つけられる可能性が高まります。
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失敗や後悔への不安を解消し、介護転職を成功させましょう。
