介護士として働いている方の中には、給料アップを目指して有料老人ホームへの転職を検討している方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、介護士として働き始めたばかりの方であれば、「有料老人ホームの実際の仕事内容はどのようなものなのか」「介護士としてのスキルアップは望めるのか」が気になるところでしょう。
そこでこの記事では、有料老人ホームの種類別仕事内容や有料老人ホームで働くメリット・デメリットについて解説していきます。
有料老人ホームの介護士の給料についても言及していますので、有料老人ホームは自身に合っていそうなのかを考えながら読み進めてください。
この記事でわかること
- 有料老人ホームの種類と仕事内容
- 有料老人ホームの給料
- 有料老人ホームで働くメリット・デメリット
こんな人におすすめの記事です
- 有料老人ホームの種類や仕事内容について知りたい方
- 有料老人ホームで働きたいと思っている方
有料老人ホームの種類と介護士の仕事内容
有料老人ホームは以下の3つに分類され、種類によって仕事内容も異なります。
- 健康型有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付き有料老人ホーム
ここからは、それぞれの特徴と介護士の仕事内容について解説していきます。
それぞれの特徴を理解し、自身に合った有料老人ホームを見つけていきましょう。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームとは、自立の方を対象とした施設で、ジムやカラオケルームなどの設備が整っていることが特徴です。
健康型有料老人ホームは、要支援または要介護となると退去になる場合があります。
そのため、身体介護の機会は少なく、食事の提供や入居者の見守り、緊急時の対応などが、介護士の主な仕事内容です。
また、施設によって、レクリエーションやイベントを定期的に開催しているため、企画・実施を行う場合もあります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、自立または比較的軽度の要介護の方を対象とした施設です。
入居者が介護サービスを利用する場合には、外部のデイサービスや訪問介護事業所へ依頼をします。そのため、介護士が介護サービスを提供することはありません。
住宅型有料老人ホームでの介護士の主な仕事内容は、入居者の見守りや生活相談・生活支援、食事の提供、緊急時の対応などになります。
また、健康型有料老人ホーム同様、レクリエーションやイベントに力を入れている施設もあり、その場合には企画・実施も介護士の仕事になるでしょう。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護施設で、介護士が24時間体制で入所者の生活をサポートします。
介護付き有料老人ホームでの介護士の主な仕事内容は、以下のとおりです。
- 身体介護：食事・入浴・排せつなどの介助
- 生活支援：食事の準備や洗濯、部屋の掃除など
- レクリエーションやリハビリの企画・実施
- 夜間の緊急時対応
介護付き有料老人ホームは、施設が直接介護サービスを提供するため、身体介護があることが特徴です。
施設によっては、看取り対応を行う場合もあります。
ただし、介護付き有料老人ホームには、以下の3種類があり、施設によって介護士の細かい仕事内容は異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
- 介護専門型：要介護1以上の方が対象
- 混合型：自立～要介護の方が対象
- 自立型：入居時に自立している方が対象
また、介護付き有料老人ホームは、看護師の配置義務があることも特徴です。
看護師の仕事内容は、入居者の健康管理や配薬・与薬、経管栄養や酸素管理などの医療行為、通院や入退院のサポートになります。
有料老人ホームの給料
厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護士の平均月収は316,610円でした。
一方、介護付き有料老人ホーム（特定施設入居者生活介護事業所）の給料は、 319,760円で、介護士の平均月収と比較するとやや高いことが分かります。
ただし、保有している資格や、施設のある都道府県などによって給料には差があります。
あくまで参考程度に確認しておきましょう。
有料老人ホームの給料については以下の記事で言及していますので、あわせてご覧ください。
有料老人ホームで働くメリット・デメリット
転職後に「想像と違った」とならないよう、有料老人ホームで働くメリット・デメリットについて確認していきましょう。
メリット3つ
有料老人ホームで働く主なメリットは、以下の3つになります。
- ほかの介護施設では身につかない接遇スキルが身につく
- 給料が高い施設が多い
- 福利厚生が充実している
有料老人ホームは、ホテルのような接遇を経営理念にしている施設も少なくありません。
入居費用の高い老人ホームであれば、その分福利厚生に力を入れている場合が多い傾向にあります。
接遇に満足してもらえなければ、クレームや他施設へ転居されてしまう場合もあるため、食事や入浴、排せつ介助などの基本的な介護知識以外にも、高い接遇スキルが求められます。
また、有料老人ホームは、公的施設ではありません。
有料老人ホームは民間企業が運営していることが多く、運営会社が介護施設以外の事業も行っていると、福利厚生が充実している傾向にあります。
福利厚生には、以下のようなものがあります。
- 託児所の併設
- 社員寮の運営
- 介護福祉士試験対策講座の全額負担
ただし、給料や福利厚生の内容は施設によって異なるため、必ず事前に確認しておきましょう。
デメリット2つ
有料老人ホームで働くデメリットは、以下の2つです。
- 高い接遇スキルを要求される
- 入居者のニーズに応えるのが大変
有料老人ホームは、特養などの公的施設と比較すると、高額な入居費がかかるため、その分、ホテルのような高い接遇スキルを要求される傾向にあります。
入居者のニーズもさまざまで、家事の方法ひとつとっても、細かい指摘を受ける場合があります。
一生懸命取り組んでいても、入居者のニーズに答えられなければ、入居者本人や家族からクレームを受けることもあるでしょう。
入居者ひとり一人のニーズを把握し、対応できるスキルが必要となるため、接遇面に不安のある方は、有料老人ホームで働くデメリットと感じるかもしれません。
有料老人ホームの仕事はきつい？
有料老人ホームの仕事には、以下のような大変さがあるといわれています。
- 入居者のニーズに応えるのが大変
- 仕事量が多い
有料老人ホームの場合、入居者の要求水準が高いため、個々のニーズに応えるのが大変というきつさがあります。
他施設と比較して、おむつの使用枚数のカウントなどの雑務が多いことも特徴です。
また、健康型有料老人ホームや住宅型有料老人ホームは身体介護はありませんが、入居者同士の人間関係の調整や生活相談などの対応に追われる場合があります。
中には、介護の仕事をしている実感がないことから、モチベーションが下がってしまう方も少なくありません。
夜勤であれば、業務が少なく人間関係に関する悩みも少ないため、楽と思われがちですが、夜勤はスタッフの人数も少ないので、緊急時対応などが大変になります。
しかし、有料老人ホームは、他施設では学べない一般レベル以上の教養や接遇を学べますし、身体介護も少ないため、介護未経験の方にはおすすめの施設です。
有料老人ホームの仕事がきついといわれている理由や、向いている人については、以下の記事で言及しています。
有料老人ホームは資格なしでも仕事できる？
有料老人ホームは、資格なしでも仕事ができます。
ただし、身体介護を行うには、初任者研修以上の資格の保有が必要です。
また、資格の有無や資格の種類によって、給料にも差があります。
保有資格 月収 無資格 258,040円 初任者研修 305,590円 介護福祉士 335,920円
より好条件の有料老人ホームで働きたい場合には、資格の取得を目指すとよいでしょう。
有料老人ホームで介護士としてのスキルアップを目指そう
有料老人ホームは、身体介護が少なく、未経験者でも働きやすいことが特徴です。
また、高い接遇スキルを要求される傾向にあるため、他施設では学べない接遇スキルを学ぶこともできます。
有料老人ホームでの仕事は、きつい部分もありますが、その分、入居者からの感謝の言葉に大きなやりがいを感じることができます。
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有料老人ホームで、介護士としてのスキルアップを目指しましょう。
