やりがいを求めて介護職への転職を検討する方も近年増えてきています。
しかし、50代未経験から介護職への転職を考える場合、「未経験でも転職は可能なのか」「仕事を覚えられるのか」などのさまざまな不安がつきまとうでしょう。
結論からお伝えすると、年齢や経験に関係なく、介護職への転職は可能です。
この記事では、50代の介護転職の現状や年収、仕事をうまくこなすコツについてご紹介します。
最後まで読むことで50代からの介護転職に対する不安が解消され、前向きな姿勢で転職に臨めるようになるでしょう。
この記事でわかること
- 50代の介護転職の現状と求められる能力
- 未経験からでも介護の仕事ができるようになるコツ
- 50代での介護転職のタイミング
こんな人におすすめの記事です
- 50代で介護職への転職を成功させたい方
- 介護の仕事が務まるか心配な方
50代未経験からでも介護職に転職できる3つの理由
50代未経験からでも介護転職は可能です。
その理由として、以下の6つが挙げられます。
- 50代でも介護職として活躍している方は多い
- 介護業界全体が人手不足
- 未経験から始める方も多い
- 利用者と年齢が近いことが多い
- これまでの人生経験が活かせる
- 自分に合った施設や職種が選べ、多様な働き方ができる
以下で詳しく解説します。
50代でも介護職として活躍している方は多い
令和4年度介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書によれば、介護職員の平均年齢は48.0歳となっています。
特に「45歳以上50歳未満」の割合が最も高く、15.1%を占めており、次いで「50歳以上55歳未満」が14.2%です。
これらのことから、50代の介護職員が多く存在していることがわかります。
さらに、50代男性の割合も10.8%という数字から、男性もまた介護職として積極的に活躍していることがわかります。
介護職は年齢や性別に関係なく、50代からも介護職として十分活躍できるでしょう。
介護業界全体が人手不足
現在の介護業界において介護職の人手不足は深刻な問題になっています。
人手不足の原因は、高齢者人口の大幅な増加が考えられます。
年々、介護職員の数は増えていますが、高齢者の数がそれ以上に急激に増えているため、介護職員が不足している状況です。
厚生労働省の予測によれば、2025年度、約32万人もの介護職員が不足する見込みです。
さらに、2040年度にはこの不足が約69万人に拡大すると予想されています。
そのため、若い世代だけでなく、50代の介護職に対する需要も高まるでしょう。
未経験から始める方も多い
介護職は未経験であり、資格を持っていない方でも取り組める職業の一つです。
令和4年度介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書によると実際、転職した介護職員のうち、前職で「介護・福祉・医療関係以外の仕事」をしていた方が63.7%もいます。
半数以上の方が未経験から介護の仕事をスタートしています。
このことからも介護職は未経験から始める方も一定数以上いて、経験を積むことでキャリア形成が可能と言えます。
未経験から始めることで、新しいスキルや視点を獲得し、やりがいを持って仕事に取り組めるでしょう。
利用者と年齢が近いことが多い
介護を必要とする方の多くは高齢者です。50代は利用者と年齢が近いため、ご利用者様から信頼を得やすいといったメリットもあります。
若い方に比べて人生経験が豊富で、年齢が近い人だからこそ話せる会話や相談ができます。
介護職において、利用者とコミュニケーションを取ることも大切な仕事です。
利用者の信頼を得て、円滑な人間関係を構築しやすいことは50代ならではの強みといえるでしょう。
これまでの人生経験が活かせる
50代は、前職までの勤務経験や日常生活で得たさまざまなスキルを持っています。
介護職にはこれまでに培った人生経験を活かせる場面が多くあります。
例えば、介護職では介護以外に事務仕事もあるため、過去に事務職として働いてきた方はその経験を活かせるでしょう。
他にも、接客業で培った経験は利用者とコミュニケーションを取る際に役立ちます。
人生経験が豊富な50代だからこそ、これまでの知識や経験が介護職に活かせます。
自分に合った施設や職種が選べ、多様な働き方ができる
介護職と一言でいっても、施設や職種に応じて勤務時間や仕事の内容はさまざまです。
そのため、介護職への理解を深めることで、自分に合った施設や職種を選ぶことが可能です。
50代は子どもが自立する世代のため、自分の時間を自由に使えることもあるでしょう。
介護職員や介護助手、ヘルパーや介護事務などの職種、夜勤の可否や入居者との距離感など、自分の希望や生活スタイルに合った働き方を選択できます。
介護職の仕事内容と年収
介護職の仕事には、身体介護と生活援助の2つがあります。
身体介護では、利用者の日常生活に必要な身体的なサポートを提供し、入浴、排泄、食事などの直接利用者の体に触れるケアを行います。
一方、生活援助では、家事や買い物など、利用者が自立した生活を送るための間接的な援助を行います。
介護職は、利用者やその家族から直接感謝の言葉をいただけるやりがいのある仕事です。
また、親の介護が必要になったとき、介護職の経験とスキルを活かすことができます。
このことは、介護職の大きな魅力と言えるでしょう。
介護の仕事内容について詳しくは、以下の記事を参照ください。
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果によると介護職の平均給料は、317,540円であり、年収に換算すると約380円です。
全産業の平均年収443万円より低い年収になりますが、ここ数年介護職員の処遇改善の取り組みがなされ給料は増加傾向です。
今後も国の方針としては、介護職員の給料を全産業の平均年収まで上げることを目標に掲げ処遇改善の取り組みが検討されています。
50代が介護職で求められること
50代が介護職で求められる能力は、以下の6つです。
- 健康と体力
- 円滑なコミュニケーションスキル
- 柔軟な対応力
- 積極性
- 職場のルールに従える素直さ
- 個人情報保護に対する明確な意識
それぞれについて詳しく解説します。
健康と体力
介護の仕事は、体に負担のかかることが多く、健康と体力が必要です。
早番や遅番、夜勤など不規則な勤務形態や体の不自由な利用者を抱えるため、体調を崩したり、腰を痛めたりするリスクも高くなります。
そのため、健康で体力に自信がある方は、即戦力として期待されます。
もし、体力や健康に自信がない方は、少しずつでも運動の習慣をつけることから始めると良いでしょう。
円滑なコミュニケーションスキル
介護の現場では、利用者だけでなく、職員とのコミュニケーションスキルも求められます。
質の高い介護サービスを提供するためには、チームワークが不可欠です。
20代や30代の若い世代の職員も、経験豊富なベテランたちと同じ現場で共に仕事をしています。
職員間の連携が図れないと、ケアに関する申し送りが抜けてしまったり、緊急時の対応で適切な対応が取れなかったりするかもしれません。
年齢に関係なく円滑なコミュニケーションが求められるでしょう。
柔軟な対応力
介護の現場では、施設ごとに異なる方針とやり方があるため、柔軟な適応能力が必要です。
例えば、申し送りの方法も施設によって異なり、職員が集まって行うところもあれば、申し送りノートを使って各自で確認するところもあります。
相談や報告方法、介護方針なども職場によって異なり、前職のやり方と比較してしまうと戸惑うこともあるかもしれません。
以前の仕事のやり方にこだわらず、新しい職場のルールに柔軟に適応できる能力が求められます。
積極性
介護の仕事は、変化する働き方や制度に適応する必要があり、日々学ぶ姿勢が重要です。
例えば、介護技術の進化に対応するため、新しい福祉機器や介護方法を学び、実践することが求められます。
また、介護の法律や制度も変更されることがあり、職員は新たな法令を理解し、介護サービスの提供に適用しなければなりません。
質の高い介護サービスを提供するためにも、積極的に学ぶ姿勢が求められます。
積極的に新しい知識やスキルを習得することで、介護のプロとしての専門性が高まるだけでなく、職場への貢献につながるでしょう。
職場のルールに従える素直さ
介護の現場では、利用者の安全や円滑な施設運営のためにさまざまなルールが設けられています。
50代は人生経験が豊富なため、前職までの地位や仕事の仕方など、染みついたルールやプライドもあるでしょう。
しかし、新たな職場へ転職すると自分より若い人が先輩になることや、理不尽に感じることがある可能性もあります。
そのため、これまでの常識にとらわれず、新しい職場のきまりに従える素直さが求められます。
個人情報保護に対する明確な意識
施設には名前や電話番号・家族構成・住所などの情報が保管されており、業務のためにそれらの情報を閲覧したり利用したりすることもあります。
これらの個人情報を取り扱う際には、細心の注意を払うことが大切です。
軽く考えて個人情報の漏洩が発生した場合、会社規模の大きな問題につながります。
書類は元の場所に戻す、勝手に持ち出さない、他人に話さないなど、個人情報の取り扱いを徹底しましょう。
利用者や家族の個人情報に対して明確な意思を持って扱える人が、介護職に向いています。
50代未経験者が転職を成功させるポイント
前述の通り、50代からでも介護職への転職は可能で、50代ならではのメリットもあります。
しかし、転職が上手くいかないこともあるでしょう。
そこでここからは、50代未経験者が転職を成功させるためのポイントをご紹介します。
自分に合った職場かを調べる
介護に関する仕事は多種多様で、それぞれ職種や雇用形態、勤務時間などが違います。
そのため、求人を探す際は介護で一括りにせず、自分に合った仕事を探します。
改めて自分の性格を見直すことや、どの時間帯で働きたいのかを明確にすることも大切です。
求人に応募する前に、職場の雰囲気や雇用形態が自分に合っているか、ホームページの確認や施設見学をして確かめます。
自分に合っていない職場を選ぶと、介護職への自信をなくしたり転職を後悔したりすることにつながるため、応募前の調査が重要です。
転職活動の流れを見える化する
スムーズに転職ができるように、かつ自分に合った職場を見つけやすいように、転職活動の流れを見える化します。
転職活動は闇雲に始めるのではなく、スケジュールを明確にします。
希望条件の明確化や、自身の経歴の棚卸、資格の取得など転職活動に必要な事項をリストアップし、いつまでになにをするかを決めましょう。
スケジュールが明確になることで、転職活動をスムーズに進められるだけではなく、モチベーションの維持にもつながります。
50代未経験から介護職で活躍するためのポイント3つ
50代未経験から介護の仕事をすることに不安を感じる方も多いでしょう。
ここでは、仕事を覚えるコツや活躍するためのポイントを以下の3つご紹介します。
- 資格を取得する
- マニュアルを確認する
- 仲間に頼る
それぞれについて詳しく解説します。
資格を取得する
介護の資格を取得することは、介護に関する基礎知識やスキルを身につける重要なステップです。
資格を持つことで、専門的な知識を習得でき、周囲からの指導やアドバイスを理解しやすく、仕事をスムーズに覚えることができます。
特に介護未経験の方には、介護職員初任者研修がおすすめです。
この研修は、介護の基礎からスタートし、基本的なケア技術やコミュニケーションスキルを磨くのに最適です。
介護職員初任者研修について詳しくは、以下の記事を参照ください。
それから経験を積むことで、国家資格である介護福祉士の資格取得を目指せます。
第35回介護福祉士国家試験合格発表によれば50代の合格率は、全体の合格者数の約1/5にあたる18.3%です。
つまり、50代の方も介護福祉士の資格取得に成功しており、積極的に介護のキャリアを築くことができることを示しています。
マニュアルを確認する
介護現場では、適切なケアを提供するためにマニュアルが整備されています。
これらのマニュアルは、業務の流れや注意点を明確に示しており、介護職にとって貴重な手引きとなっています。
特に未経験のケアスタッフは、利用者の急変時に慌てることなく、適切な対応をするためにマニュアルを事前に確認することが重要です。
質の高いケアを提供するためにも、日常業務においてマニュアルを活用しましょう。
仲間に頼る
前述した通り、介護にはチームワークが求められます。
特に、困難な状況や難しい対応に直面したとき、同僚の介護職員に頼ることは欠かせません。
わからないことがあれば、ためらわずにすぐに確認しましょう。
時には、若い職員に助けを求めることに抵抗を感じることもあるかもしれませんが、協力し合うことでチームワークも深まり仕事がしやすくなります。
50代から介護職へ転職するタイミング
介護職への転職を考える際、タイミングは重要です。
転職のタイミングは、求人が多く出るときや何らかの事情で現在の仕事を辞めたいと思ったときが最適です。
基本的に介護職員の求人は年間を通して数多くありますが、特に2〜3月にかけて求人が多くなります。
この時期は、多くの施設やサービスが新しい職員を募集するため、選択肢が豊富です。
介護職として第二の人生を輝かせよう!
50代未経験からの介護転職は、不安に感じることも多いかもしれません。
しかし、介護業界では50代からの転職も多く、需要は高いと言えるでしょう。
また、経験を積み資格を取得することでキャリアアップも可能です。
介護の仕事では感謝の言葉をいただけることも多く、やりがいを持って働けます。
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